どもども
みなさま、こんにちは。
DIY大家のソーリムウーハーです!
先日、静岡で保有しているアパートに、退去リフォームDIYをしに行きました。
この4世帯アパートは、5年前に利回り17%で購入したものです。
土地の固定資産税評価だけで売値を大きく上回り、築23年で市街化区域の軽量鉄骨。
地銀のプロパー融資も付く、超優良物件です。
ただし『お買い得』には、それなりの理由があります。
2階に住んでいたベトナム人が流し台に廃油を流して詰まらせ、溢れた水が1階の空室に漏水。
修繕費の100万円をどうするかで、借主の法人とオーナーが揉めている真っ最中でした。
それらのトラブルをすべて請け負うという条件で、売主様から格安で譲っていただいたのです。
購入後は25万円かけてDIYして漏水部屋を復活させ、無事に客付けができました。
今回のリフォームは、漏水させた側のベトナム人男性が退去した2階の部屋です。
「汚くなってるだろうなぁー」と、ある程度の覚悟をしていましたが、まぁ無事ではなかったですw
本日は『ベトナム人退去後の超汚部屋』を復旧させるお話です。
■この記事を読むにあたってご注意ください!
ボクの経験上、ベトナム人(特に男性)には、日本人とは違う3つの習慣(価値観)があると思っています。
①揚げ物が好き
とにかく揚げ物が大好き!油をたっぷり使った料理をします。
②掃除をしない
掃除は『清掃をする役割(身分)の人の仕事』と考えています。
自分では片付けも掃除もしません。
③ゴ●ブリと戦わない
ゴ●ブリに遭遇した時、日本人なら追い出したり駆除したりしますが、ベトナム人は『無視』が基本です。
自分のテリトリーに入ってきた時は、デコピンで追い払います。
(詳しくは、谷浩さんとの対談:電話とメールよりSNS!外国人の夜逃げはアカウントを把握して本国の親類に連絡!【第2回】を参照ください)
この3つの特性を持った人が、12年住み続けた部屋です。
事前にお伝えしておきますが、不快な表現のある『閲覧注意』の内容であることをご承知いただいた上で読み進めてください。
『油×掃除なし×ゴ●ブリ×12年』で、どんな部屋になるのか?
数多くのボロ物件を見てきたボクも、今回はドン引きですw
では皆様、ご覚悟はよろしいでしょうか?
■ゴ●ブリの部屋。設備全滅
まず部屋の中に入ると、家のあちこちでゴキ郎とゴキ子たちが動いています。
黒くて大きいタイプもいますが、茶色い小・中サイズが数十匹は確認できます。
ここの入居者とは、仲良く暮らしていたのでしょう。
人間を脅威と思っていないらしく、悠々と歩きまわっています。
室内も、なかなかに仕上がっていました。
玄関とトイレのドアノブは破壊され、壁に穴も空いています。
流し台を開けると、扉がボロッと落ちました。
キッチン周りは特に被害が大きく、壊滅状態です。
流し台の排水口には、タバコの吸い殻がビッチリ詰まっています。
調べたところ、ベトナムではゴミを排水溝に捨てる文化があるらしく、捨てられたゴミは作業員が汚水に浸かって回収します。
ベトナム人に賃貸するときは、『排水に水以外を流してはいけない』と契約書に入れた方が良さそうです。
トイレも流し台も洗面台も、吊り戸も換気扇も下駄箱までも、設備は全滅です。
もしアパート経営を始めたばかりの頃だったら、どうすれば良いかわからず心が折れていたでしょう。
まぁ、いまはDIY大家を名乗るくらいですので、何とかなります。
ここ数年のDIY修行の日々で、技術だけじゃなくメンタルの強さも身に付きました。
■ホンキで殺虫剤を撒く!
まずは動き回るゴキ郎・ゴキ子を、何とかせねばなりません。
リフォーム中に、懐かれても困ります。
最初に小さい燻煙(くんえん)殺虫剤を1つ焚いてみました。
水を使わない、ボタンでスタートするやつです。
結果は、ほぼ効果なし・・・
周辺に数匹の死骸がありましたが、まだ部屋中に歩いてるやつがいます。
ここでボクの、本気スイッチが入りました。
換気口と排水口もすべての逃げ道を塞ぎ、業務用の最強アースレッドを4つ焚きます。
ゴキ様たちにはこの部屋から・・・いや、この世から退去していただきます。
「次はゴキじゃない奴に生まれ変われよ〜」
そう祈りながら部屋を殺虫剤で充満させ、その日は撤収しました。
■最恐のゴキ地獄。キッチン解体
次の日の朝、部屋に入ると床一面にびっしりゴキ郎たちの亡骸が転がっていました。
マジで足の踏み場がないので、ホウキで死骸を集めながら進みます。
「ごめんなぁ、ごめんなぁ」
2時間かけて部屋中の死骸を片付けてから、キッチンの解体を始めます。
吊り戸の板を外すたび、ザラザラザラー!と大量の死骸が落ちてきます。
ほうきとチリトリで、ゴミ袋に集めます。
解体→掃除→解体→掃除
の繰り返しです。
笠木を外すと、それを支えていた木材の上に大量に何かが乗っています。
卵です!ゴキ子たちが産んだ卵(と殻)がビッシリ山盛りになっています。
ほうきとチリトリで、ゴミ袋に集めます。
垂れ落ちるほどの油にまみれた換気扇とコンロ台には、ゴキ郎の死骸か油の塊か判別がつかない黒いカタマリが無数にくっついています。
キッチンパネルを剥がすと、パネルを固定していた両面テープに、ペッタンコに潰れたゴキ助たちが大量に貼りついていました。
流し台の裏は、石膏ボードまで腐って溶けています。
ここまでいくと、壁から造り直しです。
汚損した石膏ボードを撤去する頃には、ゴミ袋が死骸で重くなりました。
おそらく数万匹はいたと思います。
通常のキッチン解体なら30分もあれば終わりますが、今回はバラすだけで丸1日かかってしまいました。
■ブラジルの天使が廃材処分
油とゴキ郎の死骸でギトギトの換気扇フード・コンロ台・流し台を処分します。
築17年の愛車(ステップワゴン)には、これまで沢山の資材やゴミを運ばせましたが、さすがにコレを積み込むのはイヤです。
どうしようかと悩んでいた時、金属をタダで回収してくれるブラジル人女性がいたことを思い出しました。
以前、ジモティーの『あげます』で召喚したとき、スマホに連絡先を入れていました。
さっそくブラジル人マダム『沼田エリナ(仮名)』に電話します。
ソーリム:「ハロー、エリナ。大家のソーリムだよ。金属あるけどいる?」
エリナ:「ソーリム?金属?なんの金属?」
ソーリム:「えっとね、キッチンの流しとコンロのステンレスだよ。汚いけど大丈夫?」
エリナ:「オーケーオーケー、いまワタシちょうど近くにイるヨ」
交渉成立です。
エリナと近所のホームセンター駐車場で待ち合わせます。
以前に会ったときは、ニコニコしながら2tトラックを操ってやってきました。
今回は軽トラでしたが、明るいブラジル人スマイルは健在です。
現地に着くと、手際よく金属を回収してくれました。
油と死骸でギトギトのコンロ台も、素手のままで軽トラの荷台に積み込んでいきます。
ソーリム:「ごめんね、汚くて」
エリナ:「オーケーオーケー、大丈夫!また金属出たら呼んデネ」
笑顔で応えるエリナを見て、『マジ天使』と思いました。
■壁の造作とマルチツール
今回は流し台裏の石膏ボードが玉砕していたので、壁を解体して造り直しました。
木工事には『マルチツール』という道具を使います。
この道具は優秀で、動いている刃を掴めるほど安全性が高く、DIYに最適です。
ボクは木材と金属の切断加工のほとんどを、この工具だけでやっています。
最初に壁板を張るため、下地を補強する木材を入れます。
マルチツールで切断して、L字金具で固定します。
壁の上段は、石膏ボードではなくクロス下地合板を張ります。
合板なら、どこでもビスが効くので『換気扇フード』と『吊り戸』の取付が楽になります。
下段には、防水石膏ボードを貼ります。
これで万が一の漏水でも、溶け落ちる心配はありません。
クロス下地合板も防水石膏ボードも同じ12.5mm厚なので、面の高さはピッタリです。
どちらも通常の合板やボードよりも数百円高いですが、せっかく時間をかけて工事するので、長持ちする良い素材を使います。
■外注費用を効率よく削るDIY
今回のアパートは2DKです。
リフォーム内容は
・和室の洋室化
・クロスとCFの全張り替え
・キッチンは壁から造り直し
といった、大工事です。
これを外注に丸投げすると、120〜150万円はかかりそうです。
かといって週末にチマチマ通いながらDIYすると、数ヶ月はかかってしまいます。
そこで今回は
『技術と根性が必要だけどすぐ終わる作業』をDIY。
『簡単だけど時間がかかる作業』を外注。
にしました。
【DIY】
・古い設備(キッチン・洗面台・トイレ・下駄箱)の撤去・解体
・壁の造作
・部材(キッチンパネル・見切り材・ボンド・下地合板)の購入・搬入
・新しい設備の設置
【外注】
・廃材処分
・クロス張り
・CF張り
・キッチンパネル貼り
・和室床合板貼り
です。
この手法なら
・設備/材料費/交通費:25万円
・合計:65万円
・DIY日数:延べ7日間(3往復)
外注の半額以下です。
借主の法人に修繕費と特殊清掃費を22万円請求している(素直に払ってくれるかわかりませんが…)ので、実質40万円台前半です。
この金額で新築レベルのフルリノベをして賃料アップができるなら、悪くない投資に思えてきました。
今回は7日間のDIYリフォームで、60万円程度の外注費を削ることができます。
サラリーマンでいえば、2〜3ヶ月分の給料です。
なぜ、こんなことができるかというと
『誰もやりたがらない作業』
を選んでやっているからです。
我々がイヤだと思うことは、職人さんだってイヤです。
費用が高くなるのは、当然です。
学生の頃にアルバイトで通っていた某商業ビルで、地下ゴミ捨て場の作業員に500万円のボーナスが出たことがありました。
悪臭がたちこめるゴミの中で、彼らが満面の笑顔でイキイキと作業していたのを思い出します。
皆がやりたくないこと、難しい仕事ほど儲かります。
今回は、あえてナマナマしくボクの体験したままを書いてみました。
いかがでしたでしょうか?
これが、利益を出せるボロDIY投資の現実です。
また次回お会いしましょう。
ではでは
「安全DIY宣言」のマークは、危険を回避しながらでも本格的なDIYリフォームをすることができることを多くの人に知っていただきたくて作成しました。
権利のない自作の完全フリー素材です。
ご賛同いただける方は、ぜひご利用・拡散をお願いいたします。
安全DIY宣言
・危険な工具は使いません
・高所での作業はしません
・安全具なしで作業しません