不動産仲介関連サービスを提供する株式会社 TERASSは、居住用・投資用不動産におけるマーケット動向をまとめた「TERASS Market Report」2024年4月版を公開した。
■居住用不動産領域では価格は横ばい~緩やかな上昇、在庫は横ばい~減少基調へ
●居住用の中古マンション・新築戸建ての価格・在庫の推移(首都圏)
【中古マンション】
中古マンションの成約平米単価は2023年10-12月の74万円台から2024年1-3月は75万円台と、緩やかな上昇を続けている。また、在庫は上昇基調から横ばい基調へと変わってきている。
【新築戸建て】
新築価格は緩やかに上昇してしてきたが、2021年10月頃からさらに上昇。2023年9月頃からは一旦落ち着き、細かい上下が続いている。在庫は2024年1月まで増加を続け、コロナ禍前と同水準となったが、2024年2月以降は一転、減少基調に。
■住宅金利動向
住宅ローンの変動金利の相場は、12月の0.488%から4月は0.006%下落し、史上最低金利水準の0.482%となった。マイナス金利解除を受けても、各銀行の金利競争などにより下落を続けており、固定金利と変動金利の金利差がますます大きくなっている。
■2.3万人以上が使う家探しサイト「Terass Offer」に基づく人気駅ランキング
Terass Offerは「一番自分に合った不動産エージェント」を見つけることができる、エージェント提案型家探しサイト。2020年6月のリリースより3年で累計ユーザー数が2.3万人以上、チャットルーム数(エージェントとユーザーのマッチング数)は9.4万件を超えた。
そのTerass Offer上で家探しの希望駅として登録されたデータを集計した、同社独自の一都3県における人気駅ランキングは以下の通りとなった。(集計期間:2023年10月~2024年3月)
【東京都】
目黒は不動のNo.1。目黒区、渋谷区のエリアが人気を上げた一方、吉祥寺がトップ3から陥落し、荻窪・中野など、他の中央線沿線(新宿以西)も順位を落としている。
【神奈川県】
トップ3の横浜・武蔵小杉・日吉は変動はなし。全体的に人気の変動は少ない状況だが、東横線沿線の綱島・菊名などがじわじわと順位を上げている。
【埼玉県】
南浦和がトップ3入りし、さいたま新都心が陥落。西川口・東川口が20ポイント以上上昇し、トップ15圏内に入ってきている。
【千葉県】
これまで不動の1位だった船橋・京成船橋がトップから陥落し、市川駅が1位を獲得。ネット記事などの「住みたい街」調査でもトップになるなど人気が上昇している。地価高騰が話題となった幕張周辺の各駅も9ポイント上昇し20位圏内へ。
■投資不動産領域では
●投資用区分マンション・一棟マンション・一棟アパートの価格と表面利回りの推移(全国)
【区分マンション】
区分マンション価格は3四半期連続で上昇中。前四半期の1,915万円から123万円プラスと大きく上昇し、最高額を更新して2,000万円台の大台に乗った。
利回りは6.99%と、前四半期から0.08ポイント上昇している。
【一棟マンション】
一棟マンションの価格は、微減だった前四半期の2億745万円から再び上昇し、574万円プラスの2億1,319万円。利回りは、前四半期の7.85%から0.12ポイントマイナスの7.73%で、上昇トレンドは3四半期で止まった。
【一棟アパート】
一棟アパートの価格は、前四半期の7,444万円から424万円プラスと大きく上昇し7,868万円となった。2四半期は連続の上昇。利回りは、前四半期の9.42%から0.17ポイント下落し、9.25%となった。
■TERASS代表 江口氏からのコメント
『今年3月に政策金利の上昇が決定され、まだ1か月程度ではありますが、住宅購入の現場では大きな影響は出ていないという印象です。
引き続きの低金利なので住宅購入のメリットは大きいことや、いつか買うなら金利の支払い含めて早いほうがよいということを理解している人が多いのではないでしょうか。実際に、各種ポータルサイトの利用状況をヒアリングしてみても問い合わせ数が減っているということはないそうです。
もとより、昨年末あたりから価格の高止まり感はあるため、多少の調整局面に入っていくことは十分に予想できます。しかしながら、大きく不動産価格が崩れるというような状況は想像しにくいと言えるでしょう。特に都心部においては円安もあり、外国人購入者の旺盛な需要も続いています。
このような状況でも、「いい条件のローンを借りられる人は、資産価値が高い物件見極め、早く買うほうがよい」という住宅購入の基本原則は変わりありません。優秀な不動産エージェントのサポートを受けながら、それぞれのライフスタイルに合った住宅購入をぜひ進めていってください。』
健美家編集部