■ 変動金利上昇でどうなるのか??
アメリカでの住宅ローンの金利が2008年以来、14年ぶりに6%になった。変動金利上昇で『 詰む 』不動産投資家が出てくる可能性が上昇している。
我らがトラストさんの5,000万以下の借入金利を大幅に上回る金利。『 円安!円安!! 』『 円の一人負け!! 』と、通貨としての負けが叫ばれる中、日本は国際的な利上げの流れに乗らずに、独自の路線を貫いている。
利上げに追従している国ではインフレが進み、日常生活に必要なモノの値段が日々上昇している。妻と子が住むマレーシアでも、日本でいうところの『 米 』に値する『 鶏肉 』の値段が上昇している。
先日訪問した時は、いつも購入しているサテ( 焼き鳥 )の値段が0.9リンギットから1.2リンギットに30%以上値上がりしていてビックリした。ハワイに遊びに行った友人は、コンビニのおにぎりが800円を超えていて、買う気をなくしたという話をしていた。
日本国内でも、外国からの輸入に頼っている食材や材料を使用するものの値上げは続いている。しかし、日本国内で生産されているモノの値段は比較的落ち着いているように見える。
日本人は『 今のところ 』日銀のやり方に救われている。日本で『 利上げ 』に舵を切られた場合、生活の破綻が見える人の数が多すぎて、ゾッとする。
少なくとも、ワシが社会人になってから( 20年以上 )、住宅ローンの金利は上がっていない。金利が上がらないのが『 普通 』と思っている人のほとんどが『 変動金利 』で住宅を購入している。
1~2%近い金利優遇がつくお陰で、0.5~1.0%位の金利で住宅ローンを組んでいる人も多い。金利が上がっても返済できる金額でローンを組んでいれば良いが、ギリギリで組んでいる家庭は地獄を見ることになる。
■ 住宅ローンの5年ルールと125%ルール
住宅ローンの支払いについて多くの銀行は『 5年ルール 』『 125%ルール 』を設けている。
【 5年ルール 】
借入開始時または、前回の見直し( 変動金利の見直し時期 )から5年間は毎月の返済額が変わらない。
【 125%ルール 】
その後。5年に一度行われる変更でも月々の返済額の増加は1.25倍が上限となる。
借入開始時または、前回の見直し( 変動金利の見直し時期 )から5年間は毎月の返済額が変わらない。
【 125%ルール 】
その後。5年に一度行われる変更でも月々の返済額の増加は1.25倍が上限となる。
しかし、このルールには落とし穴がある。急増しないのは『 毎月の返済額 』だけであり、金利の上昇による支払利息は増加する。つまり、毎月の返済額の内訳のうち利息の返済割合が増える→最終的な総支払額が激増するというリスクが発生する。
そうなった時には大多数の人の生活が脅かされることになるので、国は利子補給の救済制度を出すか、金融機関が固定金利での借り換えキャンペーンを打ってくると思う。
そもそも、『 元金均等 』ではなく『 元利均等 』でローンを組んでいる場合、5~10年ではほとんど元金が減っていない。その状態で固定金利( 2~3% )に借り換えても、支払いが減る人は少ない気がする。
住宅ローンでこの有様。不動産投資用のローンを変動金利で組んでいる人への影響は計り知れない。
■ どうなる不動産投資家??
そもそも住宅ローンと違い、収益物件のローン金利が上がっても、救済制度が打ち出される確率は低い。ただ金利が上がるだけになる。
金利が上がるということは自分だけでなく他人の金利も上がるということ。売却時に『 次の購入者 』が利益を出すためには、売買価格を下げるしかない。
現金で売れる価格帯の物件ならまだ可能性があるが、売れない価格帯の物件の末路は考えるに忍びない。
物件は売れない。
金利は上がる。
支払いは増える。
収入は・・・増えない。
現在、新築の高価格帯マンションやアパート等は、利回り5~7%でも売れている。20~25年の借入で、金利が0.5~1%前半だからまわっているものが、金利の上昇で支払いが増加した時に耐えられるのか??
元金があまり減っていない状態で、借り換えで年数が減って金利が増えたときに耐えられるのか?? 非常に怖い。
現状、不動産投資界隈のブームは、法人を作って物件を購入していくスキームが多い。BSを意識してきちんと納税を行い、銀行からの信用度を上げ、物件を増やす=借入金額を増やす。
返済比率が高めな点は気にせず、融資の評価が出やすい、良い立地で低利回りの物件を増やしているという人は危険度が増すことになる。
ある程度、『 現金 』という名の防御壁を作っている人は良いが、拡大途中で自転車操業に近い状態で借入額が膨れ上がっている人は、金利の上昇で間違いなく追い込まれるだろう。
金利が20年位上がっていないという『 常識 』を、金利が上がるのが当たり前という『 常識 』に切り替えて備えることがリスクヘッジ。
見かけによらず慎重なワシは、会社員が不動産投資で破綻しないためには以下のようなことが大切と考えている。
・不動産投資は基本的に個人で
・最初の物件は現金で!!
・借入は年収の10倍まで
・返済比率は50%以下
・最初の物件は現金で!!
・借入は年収の10倍まで
・返済比率は50%以下
普通の中所得サラリーマンで、上記のやり方を守っていれば、金利が上がっても破綻することはない。現金で購入した物件が良いクッションとなって、寝心地を守ってくれる。
銀行に提出するBSより、自分の器に合ったBSを作ろう。お金は借り過ぎないほうが良い。ある程度借りて、銀行が貸してくれなかったら『 現金 』で物件と収入を増やせばよい。
自分と家族を守るための不動産投資。
上を見すぎて足元をすくわれないように。
リスクヘッジの重要性が、ますます高まっているんじゃ!!!