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世田谷区に空き家5万戸!その理由と費用負担ゼロで有効活用する秘策

政策(不動産投資関連)/空き家 ニュース

2020/10/13 配信

総務省の2018年住宅・土地統計調査(抽出調査)によると、全国で最も空き家の多い市区町村は世田谷区で4万9070戸。ついで大田区で4万8080戸だ。人口の多い東京、それも高級住宅地として知られる世田谷区や大田区に空き家が多いのはなぜなのか?

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空き家活用の事例。創業80年の靴屋から、シェアキッチンとして生まれ変わった板橋区大山の「かめやキッチン

空き家事情に詳しい「アキサポ」の空き家活用プランナー、竹内麻実さんに話を聞いた。「アキサポ」は、不動産会社ジェクトワンが2016年から始めたプロジェクトで、首都圏エリアを対象に、空き家の所有者からの依頼を受けて最も適した活用を提案・実行する。まずは、問い合わせが多いエリアについて聞いた。

「都内では、墨田区、台東区、足立区などの東部エリアが多く、中野区など城西エリアからの問い合わせも増えています。東京以外では横浜や川崎など、駅から距離があり、なかなか売れない戸建が多いですね」

世田谷は地価も家賃も高い!
固定資産税が負担にならない人も多い

では、空き家が最多の世田谷区からの相談はどうだろうか?

「世田谷区からのお問い合わせは、ほとんどありません。高級住宅地といわれるだけに、1つの敷地が大きく、地価が高いため、売りに出しても、なかなか売れず、賃貸住宅にした場合も、家賃が高くなりがちです。空き家のまま所有していては、固定資産税がかかりますが、生活にさほど困っていらっしゃらない所有者が多いのも空き家が減らない要因でしょう」

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空き家活用プランナー竹内麻実さん。「かめやキッチン」にて

相談者は、空き家を親から相続した50代前後が多い。50代にもなると、自分が住むための家はあるため、自己居住用に使用するケースはほとんどなく、また老後資金も気になる年代のため、リノベーションにお金をかけようとする人は少ない。

「親から継いだものだから、手放せない」といった心情から、売るに売れず、活用できないままになっているケースが多い。

では、アキサポではどのように空き家を活用させるのだろうか?

「物件の周辺環境や立地条件など現地調査を行った上で活用法を提案します。たとえば、商店街にある空き店舗の場合、店舗の前に立って、道行く人に声をかけ、この場所にどんなものがあると便利なのかを徹底的にヒアリングします」

そうして生まれたのが、東武東上線の大山駅を出てすぐのハッピーロード大山商店街にある「かめやキッチン」だ。創業80年の靴屋だった。

「オーナー様より、空き家になってしまう前に“地域活性化に役立ててほしい“とのご要望を受け、協議を重ねた結果、飲食店を起業する前の腕試しをしたい方向けの期間限定店舗や、お料理教室・食育イベントの開催場所としても利用できるシェアキッチンとして再生することになりました」

【かめやキッチン】before店内
【ビフォー】創業80年の歴史があった靴屋。今後の店舗の活用を模索していた
【かめやキッチン】after外観
【アフター】約13.5坪の店内にはキッチンスペースと16席の飲食スペースがある。飲食店の開業支援やイベントなどに利用できる

空き家の所有者は持ち出しゼロで、
リノベーションでき、家賃が入る!

オーナーはアキサポと一定期間、定期借家契約を結び、建物を貸し出し、毎月、賃料をえる。シェアキッチンの利用者は、利用時間に応じて利用料を支払う。

「基本的に空き家のオーナーさんは、費用負担ゼロです。アキサポが空き家を借り上げ、リノベーション費用を負担して再生し、入居者を募集し、オーナーさまに賃料をお支払します」

アキサポが負担したリフォーム費用を回収できるまでは、オーナーに支払われる賃料の割合は低くなる。それでも、持ち出しゼロで、リノベーションしてもらえるのはありがたい。契約期間が終われば、リノベーションされた状態で、空き家が戻ってくるわけだ。その時点で、売りに出してもいいだろう。

とはいえ、どんな空き家でも同じように再生できるわけではない。老朽化が進んでいる場合など、取り壊して更地にして売却を薦める場合や新築することを薦めるケースもある。

新築を建てたケースは、次の写真のように3坪しかなかった大衆酒場だ。オーナーさん自ら老朽化から解体を考えていた。どのように活用すべきか、地域の人にヒアリングしてみると大衆酒場として親しまれていただけに、「人が集うような場」を望む声が多かった。現在はたこ焼き屋として繁盛している。

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【ビフォー&アフター】築100年の大衆酒場からたこ焼き屋に活用したケース

空き家の9割は貸倉庫など事業系で活用
住居として再生できるのは稀なこと

「30軒ほど空き家再生を行ってきましたが、9割はバイクガレージや貸倉庫、事業系の店舗として再生しています。ほかには、シェアハウスやゲストハウスとしての活用例もあります」

空き家から住居として再生した事例は、これまでに1例だけ。神奈川県で駅から徒歩45分、10年ほど空き家になっていた。周辺を歩いて調査すると、バス停までは徒歩2分程度、学校など教育環境が整い、スーパーが近くにあり、若いファミリーのニーズがあると判断した。畳を貼り替え、水回りを一部交換し、100万円ほどでリノベーションして入居者を募集したところ、想定通りの入居者がすぐに見つかった。

昨年から空き家活用の問い合わせが増えている。空き家に悩む所有者から相談された不動産会社からの紹介が増えている。

最後に、空き家を投資対象として考えている健美家読者に向けて、アドバイスをいただいた。

「長く放置されていた空き家で、急に工事が始まり、不特定多数の人が出入りするようになると周辺の人は不審に思います。だからこそ近隣住民への配慮が欠かせません。最初に徹底してリサーチして、地域の人の意見を反映させたものができると、周りの方が喜んで協力してくれるものです」

地域を巻き込こみ、共に作り上げていくことで、空き家を有効に活用できると竹内さんはいう。

健美家編集部(協力:高橋洋子)

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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