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【競売事例】入札件数約40件の築15年戸建。人気物件の落札価格は基準価格の3倍以上

収益物件購入・売却/競売 ニュース

2022/08/04 配信

定期的に競売セミナーを開催し、日々、競売の相談を受けているドクターKである。
今回、競売で公開されていた戸建の競売事例をご紹介する。

紹介する物件は、南関東にある戸建物件である。物件は、築15年の3階建てのモダンな戸建てである。立地条件は非常に良く、最寄りの駅まで徒歩圏内、都内通勤も可能である。

今回、入札件数が約40件となり、人気物件になったが、いくらで落札、売却できるのか?確認頂けたらと思う。

但し、どのような競売物件でも転売すれば、今回と同様に利益が得られるとは限らない。

例えば、賃貸向けの物件を落札し、利回り20%の物件でも、転売だと利益が得られない物件もある。一方、転売の利益は得られるが、賃貸だと利回り5%前後の物件もある。

転売向けの物件を狙う場合は物件の見極めが必要である。ポイントは、所在地や築年数、建物状態など、いろいろな条件を確認する必要がある。正直、転売は初心者の方には難しく、プロの不動産業者がやるべき分野である。

読者には、今回、紹介する物件を参考に、賃貸物件を所有していても、後に転売するケースもあるので、このような競売物件もあるということをご理解頂けたらと思う。

1.物件概要
(1) 所在地
物件の所在地は北関東の市町村にあり、人口は約370万人である。この人口は、日本の市町村の中で最も多い。また、日本有数の港湾都市・商工業都市であり、観光地としても人気があり、ショッピングモールや公園、動物園が点在する。工業都市としても盛んであり、自動車関連企業が多くある。

(2) 物件概要
物件は、土地が58㎡、建物の延べ床面積が89㎡、築15 年の3階建ての戸建である。土地は立地条件が良く、日当たりも良い。建物は外壁がグレーと白の2色のモノトーンであり、モダンな雰囲気を感じる。

建物外観。築15年のグレーと白の2色のモノトーンのモダンな住宅である
建物外観。築15年のグレーと白の2色のモノトーンのモダンな住宅である

(3) 間取り、室内
間取りは3LDKである。1階に洋室と浴室、トイレがある。2階にリビング、キッチンがあり、3階に洋室2つ、トイレがある。屋上にはルーフバルコニーがある。

各洋室にはクローゼットが備えており、玄関、キッチンにも物入あり、収納スペースが多くある。屋上のルーフバルコニーは眺めがよく、リフレッシュできるだろう。

間取り。3LDK。屋上のルーフバルコニーからの眺めは非常に良いだろう
間取り。3LDK。屋上のルーフバルコニーからの眺めは非常に良いだろう

以下、室内の写真である。家の中に残置物があり、居住中の生活感を感じる。また、室内は比較的に綺麗であり、場合によっては、壁紙を交換する必要はなく、クリーニングで十分綺麗になるだろう。

室内。残地物が点在し、生活感を感じる
室内。残地物が点在し、生活感を感じる

2.物件詳細
(1) 関係者のコメント
裁判所の公開資料には、通常、債務者や所有者などの関係者のコメントが記載されている。以下、記載内容であり、今回、特に問題はないと思われる。

関係人の陳述。しっかりと確認しよう
関係人の陳述。しっかりと確認しよう

(2) 執行官のコメント
裁判所の公開資料には、債務者などの関係者のコメント以外に、裁判所の執行官のコメントも記載されている。執行官とは、競売などの裁判を進め、書類作成などを行う。執行官は競売物件を確認した際、自らの意見も必ず記載されている。しかし、今回は以下のコメントであり、特に問題ない。

執行官の意見。しっかりと確認しましょう
執行官の意見。しっかりと確認しましょう

(3) 物件評価の金額
裁判所から依頼された不動産鑑定士による競売の基準価格は以下である。

8,150,000円

上記の金額は、裁判所から依頼された不動産鑑定士によって、査定される。この金額は、一般流通市場の価格よりも安く設定される。理由は、この金額が一般流通市場よりも高いと誰も入札せず、競売自体が成り立たないためである。

3.落札結果
(1) 落札結果

落札金額は以下である。落札件数は39件。法人が落札している。

27,075,000円

(2) 販売価格
落札した方は、債務者と交渉して退去させ、リフォームを行い、この戸建てを販売している。その販売価格は以下である。

32,800,000円

利益は、不動産取得税の税金なども差し引くと、400~500万円ぐらいの利益だと想定する。

4.最後に
今回、入札件数がかなり多い結果になった。理由は建物に欠陥がなく、立地も良いという要因もあるが、基準価格が815万円とかなり低く設定されたためだろう。

低く設定された要因は、土地が狭く、土地の評価が低かったという理由と、建物も築15年が経過し、建物の評価も低く設定されたという要因が重なったものだと思われる。

今回、競売で取得した戸建てを転売する事例を紹介した。このような転売は、宅建の免許が必要であり、個人向きではない。

個人でも賃貸目線で競売物件を落札したが賃貸契約まで至らずに転売した場合、所有期間5年以下であれば、短期譲渡所得で約40%の税金がかかる。

また、落札しても、債務者との退室交渉、残置物処理、リフォームの依頼などがある。さらに、個人場合、自分で転売をできないので、不動産業者への仲介手数料も発生する。

法人で転売を行うと、既に債務者との交渉には経験があるため、慣れたものだろう。リフォームに関しては、その地域を担当していれば、安いリフォーム業者との繋がりがあり、値段を抑えて、リフォーム工事ができる。販売は、自分でやれば良い。そのため、競売の転売は、法人向きと言えるだろう。

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執筆:ドクターK

■ 主な経歴

「株式会社ココス」所属。競売コンサルタント。
年に数十回の入札を行い、数件落札。競売をやりたい初心者向けに毎月競売セミナーを開催し、競売のノウハウを伝授。
執筆活動も行い、著書「はじめての競売」に一部寄稿。

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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