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不動産会社はいよいよ「変えどき」?! 2極化する市場と頼りになる不動産会社?!

賃貸経営/空室対策 ニュース

2024/03/20 配信

いよいよ繁忙期は終盤戦。
「よく決める不動産会社」と「なかなか決められない不動産会社」の差がはっきりしてきた。

これまでの時代と変わり、イケてる会社に頼まないと
大切な収益物件が決まらない。そんな時代だからこそ、付き合うべき不動産会社が変わってきた。まさに「変えどき」のタイミングなのだ。

この繁忙期、しつかり決められない会社はいよいよ「見切り」をつけるべきか
この繁忙期、しつかり決められない会社はいよいよ「見切り」をつけるべきか

■仲介件数を伸ばした会社もあれば
減らしている会社もあり、2極化がますます進む

全国賃貸住宅新聞が2004年3月4日に発表した、1月~2月中旬までの繁忙期の動向に関するアンケート(376社回答)によると、前年同時期比の増減を聞いたところ、「大幅に増加(2割以上)」は5.3%。「増加」は30.1%。「変わらない」が最も多く42.6%。「減少」は19.7%。「大幅に減少(2割以上)」は2.4%であった。
この調査は毎年行われているのでこれを経年で見てみよう。

全国賃貸住宅新聞のデータを、プリンシプル住まい総研が独自に経年比較
全国賃貸住宅新聞のデータを、プリンシプル住まい総研が独自に経年比較

すると図のように、21年22年はコロナ禍という状況で賃貸仲介件数の増加した不動産会社は減っていたが、23年、24年は増加が増え、「喪が明けた」といえる。

その一方で、「増加」と「減少」が増えており、仲介件数の増減には「勝ち組負け組」がはっきり存在し、「強い会社」と「弱い会社」がはっきりと分かれてきているのが事実だ。

ならば、「勝ち組」に仲介を任せて満室経営に導きたいというのがオーナーの心情。では、いわゆる「リーシング力」「仲介力」「店舗数」などが、仲介件数の増減に影響しているかをヒアリングしてみると、ここでも「勝ち組」「負け組」は差が拡がっているのだ。

強い会社はどんどん伸び、成長しない会社は鈍化する。ここで勝ち組に乗らねば。
強い会社はどんどん伸び、成長しない会社は鈍化する。ここで勝ち組に乗らねば。

■家賃を下げて
仲介件数を伸ばすは、時代遅れ

それでは実際に、仲介件数を伸ばして、満室経営に貢献している会社はどんな会社であろうか。ここで大切なのは、「家賃を下げれば、だれでも簡単に決められる」という構図だ。たとえば、相場より1万円も2万円も下げれば簡単に決めやすくなる。それでは収益物件オーナーの収支はちっとも改善しない。

家賃を出来る限り下げずに踏ん張り、なおかつ決める。こうした会社が収益物件オーナーのパートナーをふさわしい。そして良質な入居者を確保して、安定経営に導ける会社こそ、今、選ぶべき会社である。

実際に、管理と仲介の両方を伸ばしている会社は、安易に家賃下げの手法ばかりを採用しない。家賃を下げるだけだと、仲介手数料も管理料も下がってしまい、管理オーナーからはよく思われないからだ。

逆に仲介だけが強い会社では、AD料をあげて家賃を下げてと言ってくる。管理をしていないので、設備提案やリフォーム提案する権利がないことも影響しているのだが、こうなると「デフレ」モード。もう時代は「インフレ」に変わっているのだ。

家賃を下げて決めるだけでは「デフレ」の手法。それではオーナーの収支は悪化するし、生産性も悪い
家賃を下げて決めるだけでは「デフレ」の手法。それではオーナーの収支は悪化するし、生産性も悪い

■オーナーにとっては
「無暗に下げずに」しっかりと決める会社が良い

3月は春闘でもある。ニュースを見ると、今回は「満額」「満額」と労使交渉で、かなり給料をあげる方向に舵を切った会社が多い。物価高騰の折、従業員の確保のためにも、ベアを上げて行く流れはとても良い事である。

春闘の回答はかなり好調だ
春闘の回答はかなり好調だ

では収益物件オーナーの可処分所得はどうだろうか。諸物価高騰の折、物件は古くなり、空室が増え、家賃を下げて決める・・・これでは、オーナーの可処分所得が変わらない。

収益物件オーナーのための労働組合は「ない」ので、「出来る限り高い家賃で、しっかり入居者を決めるむというパートナーを選ぶべきタイミングに来ている。

時代はパートナーたる不動産会社を選ぶタイミングだ
時代はパートナーたる不動産会社を選ぶタイミングだ

■リスクをとって、一緒に設備強化やリノベを提案し、
しかも「高利回り」を獲得できるか

では、募集賃料をあげればよいのか。ことはそう簡単ではない。単純に次の募集や更新のタイミングで、家賃を上げられるのなら、事は容易いが、人口減少のトレンドの中で入居者を確保するには、「となりの物件よりも、ちょっとここがいい」という付加価値を付けねばならない。

オーナーにとって耳触りの悪い話も、しっかりと提案できるか
オーナーにとって耳触りの悪い話も、しっかりと提案できるか

ちまたでは、1000円を超えるラーメンが登場した。いよいよインフレだ。小麦も人件費も上がるのだから仕方ないが、「1000円を超えたなら、超えたなりにウマイ」ラーメンでなければならない。賃貸経営も同様である。

なにもせずに家賃を上げる事は出来ないので、これまでの連載で述べてきたように「いままでよりいい物件」「選ばれる物件」に設備強化などする必要がある。つまり「先に投資が必要」というケースもあり「それをしてしっかり入居を決めて、投資回収できる」という力がなければならない。

■まず、自社で先行投資を
しているのか

選ぶべき不動産会社は、自社でもリスクをとって、仲介件数アップのために努力をしている会社である。オーナーにばかり投資を呼びかけのではなく、成長に向けて努力している会社でなければならない。

例えば新卒採用はしているだろうか。仲介件数を伸ばすには、入居者と近い年代の世代を積極的に採用しなければならない。育成にも投資が必要だ。「今年は、〇名入社しました。今こんな研修をしています」。こういう会社でないと、将来の仲介力や管理力に疑念が生じる。

給料はあげているのか、休みは増やしているのか。そしてちゃんと仲介件数は伸ばしているのか。満室提案力があるかどうかは、管理戸数の伸びも重要だ。地元に信頼されなければ管理は増えない。

とすると、「全国チェーンで店が多い」ということが割とアテにならない。そうした会社ほど、「家賃をさげたら決まりますよ」と言っているかもしれない。

管理戸数も仲介件数も非公開。DX化もオンライン内見もなにもかも遅れているということでは、到底これからの時代を乗り切ることが出来ないだろう。

IT重説はしているのか、オンライン内見はしているのか、電子申込は? リスクをとって自社がチャレンジできない会社の提案にのって、オーナーが設備投資などするはずもない。

IT重説をする会社としなない会社では、している会社のほうがチャレンジ先行している
IT重説をする会社としなない会社では、している会社のほうがチャレンジ先行している

■コンプライアンス意識は
どうか

昨今は、CMもやっているような大手の中古車自動車販売会社、あるいは自動車メーカー、あるいは建築会社が、法令違反をしていた、といったことで、社会問題となっている。

規模の大小よりも、まっとうな会社でなければ、大切な物件の仲介や管理は任せられない。

勢いはあるが、おとり広告が多く、店内は罵声が飛び交い、社内はパワハラ・ブラック企業では「持続可能」とは言い難い。そう、「正直不動産」でなければ生き残れない。

すなわち強引な接客で、パワフルに決める力「だけ」では社員が定着せず、クレーム対応も煩雑になるものである。

「パワハラ・ブラックでコンプラ意識ないけど伸びている」では、持続可能な会社ではない
「パワハラ・ブラックでコンプラ意識ないけど伸びている」では、持続可能な会社ではない

こう考えると「昔からあの不動産会社にお世話になっている」「建築したときからあの会社だ」「大手だから大丈夫だろう」ではなく、マーケットが二極化していく中で、正しいコンプライアンスで、しっかりと満室経営に貢献できている会社を選ぶ必要がある。

■オーナーも「下請けいじめ」ではなく
適度な要望と、適度な感謝

「空室が埋まらないなら、管理会社を変えるよ」「こんなに決まらないなら、管理料は値引きだ」といったプレッシャーをかけることは、ともすると、単なる「いじめ」になるかもしれない。

昨今のニュースでも「大手製造会社が下請けへの発注金額を不当に下げ、自社は好業績であったが下請法違反で摘発」というケースがあった。

怒鳴ったり威圧したり値引き要求したりでは、相手のモチベーションをさげるだけ。恐怖心を与えても空室は埋まらない
怒鳴ったり威圧したり値引き要求したりでは、相手のモチベーションをさげるだけ。恐怖心を与えても空室は埋まらない

社内がパワハラでブラックだと退職者が出て、持続可能性が損なわれ、不正が起こるものだが、オーナーからの過度なプレッシャーや値引き要求は、パートナーである不動産会社のモチベーション落とし、結果的に「あの大家さんは提案してもなにも受け入れてくれないから、もういいや」と、紹介する気持ちまで削いでしまう。

「なかなか決まらないので、もうしわけないけど、あなたのライバル会社からの話も聞いてみている。あまりそんなことはしたくないが、なにをすればこの空室は決まるかね」などと、適度、かつ公正に緊張感は持たせつつ、決まったら「ありがとう君の提案のおかげで、玄関の花を交換したのが良かったのかな」と、感謝を具体的にしてあげるといい。不動産会社も人間なので、責めてばかりではなく、ちゃんと評価もしてあげたほうがいい。

不動産会社も人間。相手に対してリスペクトしつつ、期限を区切って、時には不動産会社変更も検討しましょう
不動産会社も人間。相手に対してリスペクトしつつ、期限を区切って、時には不動産会社変更も検討しましょう

とはいえ、良い会社と悪い会社の差は広がっている。「公正に」という点では、「期間を区切る」のも良いのではないだろうか。

「GWまでに、あと一部屋でも決めてもらわないと、他社の提案も聞くしかない」「9月の転勤シーズンまでに満室にならなければ、管理変更も検討しないと僕らも生活が懸かっているんだ」と、期限付きでの踏ん張りを試したい。

その際「ならばせめて温水洗浄便座をつけてもらえませんか」「1Fの空室なので、せめてシャッターをつけていただければ」などというなら、こちらも思い切って試してみてはどうだろうか。もちろん、その結果、満室になれば褒めてあげるが、それでも決まらなければ他社の提案も受け入れるのは当然だ。こうした手法は「ヤーキーズ・ドットソンの法則」という。

プロ野球などでもレギュラーが固定されていて安泰だと、個々の成長が止まってしまうが、いきのいい若手やトレード選手が活躍し出すと、ベテランもこれじゃあ抜かれると「適度な緊張が産まれ、それがパフォーマンスをあげる」という心理作用である。
ある程度の「健全な競争」は、緊張感を高め、努力を産む。

今時代は、「決めれる会社」と「決めれない会社」に分かれつつある。ここで沈む船から、時には降り、上昇機運の高い企業にチャレンジしていくべきなのだ。

執筆:上野典行(うえののりゆき)

上野典行

■ 主な経歴

プリンシプル住まい総研 所長。1988年リクルート入社。
大学生の採用サイトであるリクルートナビを開発後、住宅情報タウンズ・住宅情報マンションズ編集長を歴任。現スーモも含めた商品・事業開発責任者に従事。 2008年より賃貸営業部長となり2011年12月同社を退職し、プリンシプル・コンサルティング・グループにて、2012年1月より現職。
All Aboutガイド「賃貸」「土地活用」。日管協・研修副委員長。全国で、講演・執筆・企業コンサルティングを行っている。

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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