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ケガの保険金100万円元手に22歳大家デビュー。3度のミラクル追い風に規模拡大【28歳・Sさん前編】

不動産投資全般/投資家インタビュー ニュース

2023/12/16 配信

関西地方出身、28歳のSさんの投資スタイルはいい物件があったら買うというもの。いい物件情報を得るための準備は怠らない一方、不動産で人生を変えたいなどといったガツガツしたところはない。物事の要点をつかむのが早く、老若男女を問わず雑談のできる明るく泰然としたキャラクターだ。

現在は戸建て1戸、長屋1戸、文化住宅1棟(3戸1)を所有し、観光地で民泊向けの戸建て1戸の決済も進めているところだ。家賃収入は月額13万5000円、リフォーム費用などを含む借入は400万円ほどという。

1戸目の戸建て購入から約6年となるが、「不動産投資で増えたお金には一切手をつけていないです。転職の際にお金に困ったことはありましたけど、物件のお金に手をつけていないので自分の財布の中は全く増えていません。不動産を買って豊かになったという感覚もないですね」とSさんは語る。

これまで買った物件はいずれも利回り15%以上、物件価格100~200万円の戸建てで、購入エリアは関西エリアが中心だ。3度のミラクルを追い風に物件を増やしていった20代投資家・Sさんの購入事例を紹介したい。

DIYで再生した戸建て。ホームセンターで購入した木材をアイアンバーで固定し、棚を作った。ウエルカムボードの美文字はSさんが書いた

ケガの保険金100万円が元手 任売で90万円の戸建て購入

Sさんが1戸目の戸建てを買ったのは2017年3月のこと。

大学卒業間近の1月に買い付けを入れた。在学中の大家デビューを目指したが決済に時間がかかり大学の卒業式を終えた後の購入となった。

この物件の購入から思いがけず売却するまでのエピソードが痛快だ。

大学では体育会系でもハードな部活に所属し、レギュラーとして活躍。ところが大学4年の引退試合の一つ前の試合で左足の脛腓骨(けいひこつ)を骨折してしまう。すぐに救急車で運ばれて手術を受け、1か月入院するほどの大ケガだった。

こうした不測の事態に備え、Sさんの母は7つの保険に加入しており、これが3度にわたるミラクルの始まりだった。

母がかけてくれた保険のおかげで200万円の保険金が下り、入院費や通院費とこれまでの保険料を差し引いて100万円を手にしたSさん。この100万円が築古戸建て購入の資金へと化けたことから、先輩大家からは「身体で物件を買った」とネタになった。

部活中心の大学生活を送っていたSさんが築古戸建てを購入するきっかけを作ったのは不動産投資を行う母だった。母は2016年頃から地元の大家の会に所属し、会社員と兼業する女性投資家である。

そうした母の推しもあって、21歳の頃に母に連れられて大家の会に参加したのが不動産との最初の出会いだった。

「インテリアが好きなので不動産に興味はありました。勉強会に参加し、不動産の仕組みやどういう物件を買えばよいのかある程度理解できたのですが、学生なので現金はないですし。購入は諦めていました」

大学4年になり、卒業までの単位を取って部活の引退も見えてきた頃、不動産との接点が再び生まれる。母のツテで知人社長が経営する不動産会社で修行を始めることになった。

体力に自信のあるSさんは、不動産会社社長に代わって毎日のレインズ(REINS)更新のたびに車で物件を見に行く役割だった。無給かつ約2か月の短期間だったが(大ケガで入院し、2か月の短期となってしまった)、ここで戸建て投資に必要な基本のノウハウを学ぶことができたのだという。

「多いときは1日に6戸は見に行っていました。写真を撮って、こういう物件でしたと社長に報告をしていました。内見を通じてこういう物件ならリフォームはこのぐらいかかるよねという目線で学ばせてもらいました」

修繕が必要な箇所をチェックし、この戸建てならいくらぐらいのリフォーム費用がかかるだろうか、とその都度シミュレーションをしていった。母や先輩大家の物件のリフォームのビフォー・アフターと見積書を見比べながら、リフォームの相場を学んでいた。

こうしたシミュレーションの成果は1戸目の戸建て購入で発揮される。

「ケガをして保険金が入ると知り、保険金があったら物件買えるやんということで物件を探しました」

最初に買った戸建ては初心者には難易度が高いと思われる任売物件だった。その頃、母が所属する大家の会のメンバーになっていたSさんは、大学卒業間近の1月に所属する大家の会のメーリングリストで物件情報を得て現地に見に行った。

このとき、大ケガが完治していなかったSさんだったが、松葉杖姿で物件確認に行く根性を見せたという。

物件の入札に参加したのはSさんと不動産業者2社の3組だったが、業者相手に少し高い金額での入札を行い、見事落札することできた。

「不動産会社は70~80万円ぐらいで入札してくるだろうと思ったので、それより高い90万円で入札し、購入しました」

購入したのは築60年近い、延床面積50~60㎡の戸建てだった。関西地方のとある電車駅から5分の立地にあった。残置物が多く、貸し出すためには残置物の撤去とリフォームが必要で300万円ぐらいの融資を引こうと考えていた。

大量のゴミ、タンスや棚などなどの大型家具の引き取りを残置物業者に依頼したくとも社会人になったばかりのSさんには現金がなかった。

仕事が休みの日に1人で片づけていると、思いがけず2度目のミラクルを引き寄せる。

明るいキャラクターのSさんの母は、「額の裏とか、百科事典の間にお金でもあったりするんちゃう」と冗談交じりに言うので室内を探してみると、本当に聖徳太子の絵柄の旧1万円札(※3)が6枚発見されたのだ。結局、旧1万円札での支払いを残置物業者に承諾してもらい、撤去費用に充てることができた。

(※3)聖徳太子の1万円札は、福沢諭吉に代わる1986年1月4日まで使用されていた。聖徳太子の旧札も現在の1万円と同等の通貨としての価値を持ち、日本銀行の本支店で現在発行されている1万円札と引き換えることが可能

この後、Sさんに3度目のミラクルが訪れることに。(明日の後編に続く

執筆:スドウミキ(すどうみき)

スドウミキ

■ 主な経歴

出版業界で20年勤務。不動産分野を専門とする雑誌での取材・編集をきっかけにサラリーマン大家の夫と出会い結婚。2022年宅地建物取引士の資格を取得。夫の勧めで法人を設立し、築古アパート1棟を購入する。1歳の子どもを持つ一児の母。

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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