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ワンルームマンション投資の市場、やや復調。足りない広さを補う設備、快適性の確保がカギ

不動産投資全般/市況 ニュース

2022/04/26 配信

ワンルームマンション投資 不動産投資

不動産投資家デビューの登竜門的な存在になっているのがワンルームマンション投資だ。専有面積25~30㎡を区分所有して運用する。ただ、その運用環境は厳しくなっている。新型コロナウイルス感染を受けて狭い空間でなくて広めの部屋を探す動きが入居者をワンルームから遠ざけているためだ。

入居者が付かない。そうした状況は、昨年に取材したときとあまり変わっていない。家にいる時間が長くなったことを機に独身者でも1LDKや2DK、あるいは2LDKと広めで間取りが取れる部屋を選んでいる。テレワークが浸透していることで仕事のしやすい環境を求めていることがうかがえる。

毎年、年明けから3月にかけて新入社員や新入学生に向けて賃貸住宅市場は繁忙期に当たる。東京、神奈川、千葉、埼玉の賃貸仲介会社などに聞いてみたところ、「かき入れ時に空室が埋まらない厳しい状況が続いた」ようだ。特に学生の動きが滞っている。

その一方で、夫婦2人世帯や子どものいる家族が選ぶ賃貸住宅は、入居者を決めることは難しくないとの反応がほとんどである。独身の人が2人世帯向けの間取りと広さがある部屋を選択することからすぐに決まってしまうため、家賃を少々値上げしても問題ないという。

昨年より悲観職薄まるが、本格回復まだ遠い

これら賃貸管理業者のヒアリングにおいて、「コロナになってワンルームマンションでは、退去した後に新たに入居してもらう人を決めるのに苦戦している。フリーレントを付けて営業をするケースも見られるが、なかなか成約につながらない。募集家賃についてもコロナ以降、値下げせざるを得ない状況が見られる」といった声が聞かれた。

また、通勤や通学では、実家との距離が通えないほど離れていないときは「実家に戻るため退去する」との理由が少なくはない。実家から通えば余分な家賃を払わずに済むことで、「その分を将来への備えや、自分への投資にお金を使うことができる」(飲食店入社の新人)。

賃貸オーナーにとって、入居していた人が親元に戻るということは、その分の賃貸需要が消滅したことと同じことである。少子化で若者が減り続けているのに若者の実家回帰の動きは痛手だ。

ただ、こうした厳しい状況が続いている中で、昨年と異なった声を聞くこともできた。昨年のワンルーム市況は、「完全にフリーズしている」との見方一色だったものの「学生の動きは2021年の春に比べて少し動いた。

社会人に転勤や異動の動きが見られ、法人の取引は増えてきた。4 月からはまた動きが乏しくなってはいるが……」とわずかに悲観色が薄まっている。ある大学の職員によると、オンライン授業が多くテレワークをしてきたが、対面授業の復活などを受けて4 月から出勤日が増えているという。

非接触機能の導入などの対応必須に

ワンルームに入居者を呼び込むにはどのような努力が必要なのか。専有面積を広げることは無理なので、住宅設備面などで快適性を上げていくことになる。

非接触が求められるコロナ禍で、共用部分の非接触化を進める。例えばフリーハンズでエントランスを通過できたり、自分の部屋のドアロックも非接触化したり、室内の洗面所は蛇口を触ることなく手をかざすだけで水が出る。置き配できるよう宅配ボックスを充実させる、といったものだ。

こうした快適性は後付けで対応できるものだ。当然ながら賃貸オーナーには相応のコストが発生するものの、空室状態を放置し続けるか、コロナ前の相場賃料より格安で貸し続けるかを思えば自ずと答えは決まってくる。

テレワーク、オンライン授業で欠かせないインターネット環境は、仕事中・授業中にフリーズしてしまうような性能はお呼びではない。

コロナ前の常識に戻す可能性は低い

今後のワンルーム市況感について、「入居率と家賃をコロナ前の水準に戻すことは無理だ」という見方が大方を占めている。それは海外の不動産会社にも広がっている。

日本の不動産を海外の個人投資家に紹介するいくつかの事業者は、「日本は以前とは異なり、ワンルームなど面積の狭い賃貸住宅では入居者が付かないので、購入予定額を引き上げて少し広め目の住宅を購入することを勧めている」など投資用不動産を購入するときの注意点の一つに挙げている。

不動産投資をこれから検討するという日本国内の若年層にとっても、国内外の入居者の動きを見据えて物件を選ぶことが求められそうだ。入居者の家賃負担能力は二極化している。

東京都内は社会人で5万円前後の物件を探す人もいれば、築年数の浅い物件を20万円以上、30万円近い家賃で探す人もいる。家賃の高い都心脱出を取り込んで家賃を上げている郊外エリアの物件があるなど様々である。

健美家編集部(協力:若松信利(わかまつのぶとし))

■ 主な経歴

学生時代から不動産に興味を持ち個人的に不動産関連の記事を多数執筆。大学卒業後、不動産関係情報誌に20年以上勤務。現在は都内のIT会社に勤め、副業でいくつか投資関連の記事を担当・執筆する40代サラリーマン。

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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