中古マンション購入アプリ「カウル」を運営する株式会社Housmartがこのほど、「東京23区 人気公立小学校区ランキング2022」と「中古マンション値上がり学区ランキング」を発表した。
学区人気は資産価値に影響するのか?ランキングをもとに、学区とマンション価格の相関関係を分析する。
23区 人気公立小学校区ランキング、
上位4校を文京区の「3S1K」が独占
カウルでは、学区から中古マンションの検索が可能なため、物件の希望条件として入力された検索数で人気度を集計。その結果、上位4校を国公立・私立中学への進学率ナンバーワンを誇る「文京区の3S1K」が独占した。
3S1Kとは家賃高値設定できる名門公立小学区を狙え!【東京都・文京区編】超希少、誠之小学区物は買えたらラッキーで紹介した通り、誠之小、千駄木小、昭和小、窪町小のこと。 中でも圧倒的なブランド力を誇る誠之小が一位と納得の結果となった。
他にもトップ10には、千代田区立番町小学校(5位)、港区立白金小学校(6位)、千代田区立麹町小学校(7位)、品川区立第三日野小学校(9位)、港区立青南小学校(10位)と、「家賃高値設定できる名門公立小学区を狙え!」シリーズで紹介した名門小学校がランクイン。
いずれも私立中学への進学率が高いことで有名な小学校で、教育熱の高い富裕層に名門小学区の需要の高さを裏付けた。
中古マンション値上がり学区ランキング、
手の届きやすいエリアが多数ランクイン
カウルは2022年11月1日時点と3年前の2019年11月1日の価格を比較した「中古マンション値上がり学区ランキング」も集計。人気ランキングとはガラリと顔ぶれが変わる結果が出た。
江東、世田谷、練馬、葛飾、足立、練馬区といった、学齢期の子どものいる若いファミリー世帯でも比較的手が届きやすいエリアの学区が並んでいる。
最も値上がりした学区は「江東区立第二辰巳小学校区」で約40%近い値上がり率となった。
学区内にあるアップルタワー東京キャナルコート(2007年竣工)、Wコンフォートタワーズ(2004、2005年竣工)、キャナルファーストタワー(2008年竣工)などのタワーマンションがこの3年で値上がりしたことが影響した。
辰巳地区では総戸数3000戸近い都営辰巳一丁目団地の建て替え計画が進行中で、今後の発展性が期待されるとともに、マンション価格のさらなる上昇が見込まれる。
6位の枝川小学校(江東区)は、東京メトロ有楽町線(豊洲-住吉)の延伸で(仮称)枝川駅の新設計画があるエリア。
さらに、カウルによると、4位の宝木塚小学校(葛飾区)、5位の北三谷小学校(足立区)とも、校舎のリニューアル計画が進行中とのこと。
カウル事業部の吉澤志保さんは、「マンションの資産価値と学区は密接な関係にあると言える。周辺の開発計画や校舎の建て替え情報にも目を配り、投資目線で物件選びをしてほしい」と話している。
文京、港、千代田区が中心の人気ランキング上位校のファミリータイプの中古マンション価格は1億円近いのが現状。すでに十分高値であるために値上がり幅は小さい結果となったものの、今後、大きく値崩れすることもないエリアであると言える。賃貸需要も底堅く、空室リスクも低い。
成熟した安定感のある都心部の人気ランキングと、今後の成長性が見込まれる値上がりランキング、投資家としては両方のデータをうまく活用したいところだ。
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健美家編集部(協力:
(おおさきりょうこ))