皆さんこんにちは、満室研究所所長の山岡清利です。日々の業務にアパートマンションの巡回がありますが、たくさんの物件を巡回していると、満室や高稼働率の陽の物件と、多くの空き部屋を抱える陰の物件の差が、本当に面白いようにわかります♪
今回のコラムは、私がアパマン巡回をする中で「 常に空室が目立つ物件 」の管理体制の特徴をお伝えします。皆さんはこの「 逆 」を攻めるようにして、自己物件を満室に導いてください。
■ 常に空室が目立つ物件の特徴
1、ゴミ問題
物件戸数と物件専用ダストボックスのサイズが合わないために、ゴミが溢れてしまっている物件です。溢れたゴミはカラスの餌食になり、ボックス周辺が大変なことに。この状態で内見があっても成約になるわけがありません。
こちらはコンクリートで擁壁を作り、ネットをかぶせただけのゴミステーション。ネットは汚れ放題で、素手で触るのを躊躇するほどです。おまけに通行人などのポイ捨ても多く、細々したゴミが底に溢れてしまっています。
入居者になったら毎日、このゴミステーションを利用するわけですから、この物件を選びたい人はいないでしょう。日々のスタートがこのゴミステーションでは、テンションも下がってしまいます。
ちなみに、こちらのゴミステーションはその後、金属製のダストボックスに変更しました。「 不法投棄防止 」のステッカーを貼った所、通行人のポイ捨てもなくなり、入居者さんもマナーよく使ってくれるようになりました。
2、敷地内は雑草ボウボウ
手入れされていない物件は、雑草が生え放題のことが多いです。見た目でNGですよね。空気もこもりがち、湿気で「 モワァ~ 」とするので爽やかに過ごせません。1階の空室の内見に来て、窓を開けたらこんな状態なわけです。即アウトですよね!
部屋の窓を開ければ、そこはジャングル!(苦笑)
雑草があると虫が多く出てきますし、風通しも悪くなります。雑草をそのままにしておくのは満室経営的に百害あって一利無し!除草剤を定期的に散布して、敷地内の雑草問題を解決しましょう。
3、網戸がボロボロ
下の画像を見てください。窓の網戸が破けてしまっています。札幌の賃貸物件の多くはエアコンが未設置です。夏は窓を開ければ涼しい風が入ってくるのですが、これでは風も虫も入って来てしまいます。
網戸については、入居者からクレームや修理の依頼が寄せられなくても、大家の方から顧客の為に網戸の交換を提案したいものです。網戸の張替費用なんて、退去された時のダメージに比べたら微々たるものです。
網戸の耐用年数は北向き南向きで差が出ますが、おおよそ8年~10年といわれます。無償交換することで顧客満足を上げた方が、満室経営に有利なのは言うまでもありません。
4、共用部の照明切れ
大型物件では毎月どこかが切れてしまう蛍光灯ですが、すぐに交換していればそれがクレームになることはありません。蛍光灯が切れたままの状態で数カ月、ひどいときは数年も放置するからお客様が逃げるのです。
下のメモを見てみてください。2カ所も蛍光灯が切れたままで放置しているなんて、ありえないですよね(^_^;)
こちらは掲示板に、「 上の階の電球いいかげん替えて下さい 」と書かれています。こうやってメモ書きされているのに、気づかないのか、無視しているのか、ずっと交換されていない状態のようです。
もちろん物件は空室だらけ。入居者は逃げ出し、仲介スタッフにも見捨てられてしまっています。大家だけがこの状態を知らず、「 なんで埋まらないの? 」「 家賃が高いのかなぁ~ 」なんてのんきな事を思っているわけです。現場を見にくれば、すぐに原因がわかるのに残念ですね。
5、自転車放置
放置自転車も物件の魅力をダウンさせてしまいます。ちゃんとお客様は見ています。
上は所有者不明の自転車が溜まりにたまって山積みになっている物件です。
下は、放置自転車のサドルに砂ほこりがタップリ積もっているのがわかります。
こんな状態になっているのは、長い間、管理が雑であった証拠です。内覧に来た人はこの自転車置き場を見たら、きっと別の物件を選ぶでしょう。
6、除雪体制
雪国特有の問題に除雪があります。下の左側画像のように、エントランスから道路まで除雪されている物件とそうでない物件、どちらがいいでしょうか? 当然、除雪されている物件ですよね。
それなのに、実際には「 何もされていない 」「 除雪された形跡がない 」物件は多くあります。こういった物件では入居者の定着率が確実に低くなります。これは間違いありません。
駐車場は契約者が自分で除雪する契約になっているのが一般的です。問題は排雪です。入居者が日々、除雪をしていると、車の周りに雪が溜まってきて捨てる場所( 山にする場所 )がなくなってきます。
こうした場合、大家側でタイミングを見て駐車場の雪を捨てて( 排雪 )ゼロにしてあげましょう。「 駐車場の雪は契約者でどうそ♪ 」なんて、大家も管理会社も考えていると大変な事になります。
上の画像のようになってしまったら、自分で車を出すのも一苦労です。こうして、冬季に途方に暮れたお客様は、次の春か秋までには退去することになります。何も知らないのは大家さんだけです。
外階段の物件では、階段の雪かきも重要です。雪が積もり、入居者がその雪を踏みしめ歩くと、階段ステップが雪で固められる事になります。
こうなると、登り降りに支障をきたしてしまい、内見は実質ゼロになります。仲介スタッフが、「 ケガをされると自分の責任になるので、外階段物件で管理のレベルの低い物件は案内しない 」と言い切るほどです。
まぁ他に素敵な物件はたくさんありますので、リスクを冒してまで案内する必要がないのです。冬季は定期巡回清掃会社に「 階段の除雪 」をオプション契約すれば、こうした事態を避けられるのですが、それを知らない大家さんが多いのは残念です。
7、掲示板
最近のアパマン巡回の際、掲示板にサイコパスなメッセージがありました。正直怖かったです(^_^;)
こちらはガス料金に対する入居者からの怒りのメッセージが書かれています。
2021年の春の日付で「 ゴミの捨て方について 」のチラシを掲示しているのに、一緒に貼られているゴミ収集カレンダーは2020年9月( 期限切れ )という物件もありました。( 苦笑 )
「 管理会社が言いたい事は言うけれど、入居者が困っても何もしないよ 」というメッセージを感じ取ってしまいますよね。こうした管理会社のマイナスのメッセージを、一般のお客様は凄く敏感に感じ取ります。入居したら毎月数万円の家賃を払うわけなので、慎重になりますよね。
8、変なシール類
こちらのアパートは、集合ポスト脇のPSの扉にポスティングされたマグネットシールが貼られています。
一見微笑ましい感じですが、ここに貼られているマグネットシートはゴミですから、適切に処分されるべきです。この状態が1週間なら良いですが、数カ月もこのままでは、きちんと管理されているのかどうか、新規顧客は不安になるでしょう。
第一、見苦しいですよね。管理会社のスタッフは月に数回、巡回しているはずなので、見つけ次第、外して欲しいところです。
9、物件真横の電柱に捨て看板
物件のアプローチ付近の電柱に捨て看板があるケースです。確実にこの物件に住んでいる入居者を狙っての広告です。
このチラシを見て現入居者がノコノコと引っ越しをする可能性は高くありません。しかし、内見に来た方は別。敵は同家賃レベルの対抗馬のチラシをあえて貼っていますので、内見者がチラシの物件に興味を持ってしまい、せっかくのお客様を横取りされる可能性があります。
もし、自己物件の周辺にこうした捨て看板があった場合は、速やかに対策を講じる必要があります。
■ あなた以上にあなたの物件を愛している人間はいない!
いかがでしたか? こうした物件は実際にゴロゴロしています。大家にとっては大切な物件でも、管理会社の人間には、たくさんある物件のうちの一つ。空室があっても、損するわけではないので、たいして興味がないのです。
見回りにいくスタッフは、オーナーが金融機関への返済が厳しくなり、デフォルトを起こし破産したって、痛くも痒くもないのです。だから、問題があっても平気で見て見ぬふりをするのです。
管理会社任せにせず、自分で自分の物件の状態をしっかりと把握することが大切です。物件が自宅から近くても遠くても、それは同じです。
あなた以上にあなたの物件を愛している人間はいません!
なかなか空室が埋まらない大家さん、あなたの物件は大丈夫ですか? 次回もお楽しみに(^O^)/