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アメリカで「入居者の夜逃げ」は怖くない?こんなに違う、日米の夜逃げ対応

賃貸経営/トラブル ニュース

2024/01/22 配信

大家さんが最も恐れる入居者トラブルといえば、夜逃げではないだろうか。

写真はイメージです(写真AC)
写真はイメージです(写真AC)

未回収の家賃、残置物の撤去費用など大家に重い負担がのしかかることもある夜逃げ。今回はアメリカで保有している投資物件で夜逃げが発覚したテキサス大家さん(仮名)に体験談を取材した。

ただでさえ対応に苦慮させられる夜逃げに、言葉も通じない海外で遭遇してしまったらさぞや大変だったのでは…と思いきや!?

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Q:日本国内でも複数の収益物件の運用されているテキサス大家さん。アメリカの物件の概要は?

A:テキサス不動産がブームになっていた10年近く前に、テキサス州南部の郊外に一軒家を購入しました。3ベッドルームの平屋で当時の為替レートで日本円で2000万円ちょっとの買い物でした。

Q:約10年、賃貸で回してこられたんですね。利回りは?

A:購入時は家賃1700ドルからスタートして、直近は2300ドルで貸していました。現在の為替レートだと日本円で33万円超え。それで計算すると表面利回りは20%ほどになりますが、実際には固定資産税も年々上昇していますし、実質利回りだと半分ぐらいの感覚です。

Q:それでも利回り、悪くないですよね!これまでは賃貸のトラブルはなかったんでしょうか?

A:当初は良い管理会社と巡り会えず、テナント(入居者)が毎月家賃を払っているにも関わらず、こちらに家賃が振り込まれないこともありストレスでした。言葉が通じないことも大変でした。数年前からは日本語のできる良い管理会社にお任せしており、一切のストレスがなくなりました。

Q:それがなぜ夜逃げ発生に至ったのでしょう?

A:ちょうど一年前に入居者が変わったんです。それまでの共働きのカップルが退去後、子どもがたくさんいるシングルマザーが入居。高速道路に近い交通の便が良い立地ということもあり、退去後すぐに複数の申込みが入ったのですが、全てシングルマザーでして。日本でいう保証会社の審査を受けてもらい、その中で一番条件の良い方に入居してもらったんです。

Q:人気のある物件なのですね!

A:ところが入居後半年経った去年の7月に、管理会社から7月分の家賃未払いであると連絡を受けました。すぐにテナントに連絡をとってもらって、7月分の家賃を延滞金も含めてすぐに払うことと8月分の家賃も期日通りに払うという念書をもらいました。

しかし月末になっても支払いがない。管理会社が物件の様子を見に行ったところ、どうもすでに夜逃げしているらしいということが発覚したという顛末です。

大量の残置物が放置された室内(テクサス大家さん提供)
大量の残置物が放置された室内(テキサス大家さん提供)

Q:それでどうしたんですか?

A:日本で夜逃げされてしまうと、裁判所の許可がなければ大家であれど部屋に入ることも残置物を勝手に処分することもできないですよね。長期戦を覚悟しましたが、あっけないほどスムーズに事が運んで、実は去年のうちに物件は売却してしまったんです。

Q:7月に夜逃げが発覚して、年内に物件売却!?どういうことでしょう?

A:アメリカは州によって法律や不動産の慣例が大きく異なるそうなので、あくまでテキサスで自分が経験したケースですが。
家賃滞納が発生してすぐに、「このまま家賃を払わなければ三日以内に退去してもらう」という公的な警告を出してもらいました。それが7月末のことです。まあこの時点ですでにテナントは夜逃げしていたので、あくまで形式的な手続きです。案の定、三日以内の家賃の支払いがなかったので、今度は立ち退き専門の業者を雇うことになりました。

Q:立ち退き専門業者とは?

A:家賃未払のテナントを強制退去させてくれる専門家らしいです。テキサスでも残置物の処分には裁判所による法的な根拠が必要なので、即座に裁判所に立ち退きを提訴してもらいました。

弁護士を雇う必要はなく、これも立ち退き専門業者が代行してくれます。費用は通常1500ドルほどかかるところを管理会社が懇意にしている業者だということで800ドルで済みました。

提訴から3週間ほどして裁判が行われたのですが、テナントは出廷することもなく、裁判は即日結審。その日のうちに、万が一にもテナントが戻ってきても家の中に入れないように家の鍵を交換して、残置物も処分してもらいました。これが8月下旬のことです。

Q:家賃滞納が発覚してから一ヶ月ちょっとで立ち退きが完了したんですね!金銭的な損害は合計いくらほどでしたか?

A:7月分の家賃は入居時に預かっていた1ヶ月分のデポジット(保証金)で相殺しましたが、8月分の家賃は未回収の状態。立ち退き専門業者への800ドルと残置物処分費用数百ドルを足して合計で3000ドルちょっとの損失です。

ですが一ヶ月でスピード解決してもらい9月にはその家を売りに出すことができたので大きな不満はありません。さすがアメリカというか、全てが速いし全くストレスも感じませんでした。アメリカの中でもテキサス州は特に大家に有利な法律が整っているということも関係しているのかもしれません。

Q:売却はスムーズでしたか?

A:異常なローン金利高で住宅の買い控えが続いている状況なので、少し時間はかかりましたが、売りに出して二ヶ月ほどで売却できました。

多少の指値は受け入れましたが、ほぼ希望価格で売れたので満足です。為替利益も含めるとこの10年近くで日本円に換算するとかなりの利益を生んでくれました。他州にも物件を所有していますが、テキサス不動産はやはり優良な投資先だったと思っています。

ただし、テキサスは物件エリアによってはテナントの属性も良いとは言えず、今回のような夜逃げに遭うリスクもあります。どこに投資する際もそうですが、事前にそのエリアをよく調査して信頼できる管理会社を見つけることが成功の鍵と言えるでしょうね。

健美家編集部(協力:大崎良子(おおさきりょうこ))

大崎良子

■ 主な経歴

全国紙、大手デベロッパー勤務を経て、不動産ライターに転身。
三代続く不動産投資好き。地方都市の一棟アパートや山林投資を主戦場にしてきた親世代と異なり、都心の区分マンションを中心に投資を続けている。
アメリカを中心に海外不動産にも造詣が深い。

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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