モクチンレシピが手がけた
リフォーム事例を視察
築古賃貸物件の改修アイディアを軸に、空室対策や不動産活用を実現していくためのプラットフォーム「モクチンレシピ」。「少しの予算と工夫で、たくさんの魅力を」を合言葉に、会員向けにコストパフォーマンスの高いレシピを用意している。
本連載は、そのモクチンレシピの改修・リフォームのアイディアをもとにした『不動産投資家のDIY&リノべ講座』である。
VOL.4となる今回は、モクチンレシピを展開するNPO法人CHArが手がけたリノベーション物件を訪問した。その様子を前編と後編の2回にわたり紹介する。
(VOL.1のテーマは「築古物件の差別化戦略」、VOL.2のテーマは「押入れの改修・リフォーム」、VOL.3は「300円でできるカラーリング」こちらもぜひ参考にしてほしい)
こちらの物件は、外構を中心に大きくリノベーションがおこなわれているため、主なリフォームポイントを解説していきたい。
暗いイメージだった外構を
明るく楽しくリニューアル
少し暗かったスペースを、白のカラーリングと、井戸端デッキやサイクルポートで明るい雰囲気に改修した。
スパイスとなっているのが鉄骨部分のえんじ色。2色のコントラストが印象的である。
共用階段下には「井戸端デッキ」を設置されており、物件の中心となる新しい「憩いの場」がつくられた。
さらに、サイクルポートを設けることで、散らばっていた自転車やバイクを置くスペースができた。アパートの廊下にも自転車を置くスペースにラインが引いてある。
自転車が管理されていないと、前カゴにゴミを入れられたりして、物件全体の印象を悪くすることがある。地味だが効果的なリフォームポイントだ。
また、砂利のところに植栽をすることで、もともと殺風景だった場所が自然と調和し、温かみのある空間になっているところにも注目していただきたい。
建物名を記した銘板を変えると
物件の顔つきも変わる
リフォーム前は、銘板まわりも経年劣化が進んでおり、オーナーが作家に依頼して置かれているという銅製の人形も、どことなく寂しげに見えていた。
こちらも、経年劣化を感じる外壁を塗装して清潔な印象に変身した。銅像とマッチしたオリジナル銘板をつけたことで、建物の顔つきも変わっている。
植物の世話が得意なオーナー が、フックに吊るした花の管理を丁寧にしているため、季節感を感じられるだけでなく、物件全体の管理が行き届いている印象があった。これも周辺の物件との差別化要素になっている。
建物のデザインに合わせて
照明器具も選び直す
廊下の照明は、以前よりも明るく、デザインも建物全体の雰囲気に合ったものに変更されている。
ポストも外壁の色に合わせて変えられた。
照明やポストが古臭いままだったとしたら、全体的に古臭く感じてしまったかもしれない。こうした細かなこだわりが、リフォームの全体のクオリティを左右する。
なお、気になる工事費用は以下となっている。
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・仮設工事(サイクルポート、ポスト8個、各種照明、銘板、デッキ その他):420,000円
・外壁塗装工事(全面):1,550,000円
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外壁塗装に関わる工事が大部分の費用を占めている。仮設工事には、デッキや照明、手すり、ポスト、劣化箇所の修繕などの費用も含まれる。
また、銘板は完全オーダーメイドで作製したので、通常よりも費用が掛かった。
【不動産投資家のDIY&リノべ講座Vol.4(後編)】では、モクチンレシピが開発している新レシピを紹介している。あわせて読んでいただきたい。
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健美家編集部(協力:
(とやまたけし))