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表面利回り7~8%、クラファンで10万円~、ドバイ不動産は検討に値するか

不動産投資全般/海外投資・事情 ニュース

2023/11/27 配信

最近、身の回りでドバイという単語をよく聞く。アラブ首長国連邦(UAE 7つの首長国からなる連邦制国家。首都はアブダビ市)のひとつ、ドバイ首長国の中心都市でアラビア半島のペルシア湾の沿岸に位置する街である。

アラブ首長国連邦における最大の都市であり、中東屈指の世界都市であり、金融センターとして知られ、現在では世界的な観光都市でもある。そのため、観光で訪れる人もいれば、移住する人、不動産取引をする人などが増加中。となれば投資先としてどうかという点が気になる。2023年11月に開かれた「ドバイ不動産の歩き方セミナー」を聞いてきた。

成長し続けるドバイでは人口、GDPも上昇中

講師を務めるのは「ドバイ不動産の歩き方」というポータルサイトを運営する新倉康明氏。2017年からブロックチェーンノード管理事業、宅建業者の立ち上げを経て2022年からドバイに居住。自宅を購入した経験から日本人がドバイの不動産をもっと安全、安心に取引できるようにと「ドバイ不動産の歩き方」を開設。現在ではドバイ最大の不動産仲介業者fäm Properties、不動産クラファン事業者であるstakeとも協業している。

ドバイのイメージとしては金持ちが多い、石油で儲かっている、砂漠に誕生した近未来都市というようなものが大半だろう。実際のところは現時点ではミリオネアの人口はドバイが67900人、東京が304900人というから、まだまだ東京のほうが金持ちが多いことになる。ところが、日本からはそうした人たちが年々流出しているのに対し、ドバイには流入しており、この数値が逆転する日もそう遠くはないかもしれない。

それを反映してか、ドバイの不動産市場の取引数はコロナで一時減少はしたものの、年々増加。同時に不動産価格も上昇を続けている。もちろん、GDPも上昇し続けており、建国以来右肩上がりが続いている。2024年も4%の成長が見込まれているというから、我が国と比べると羨ましいところである。

当然、人口も増加している。特に2004年に金融センターの開設、2006年の不動産市場の開放で外国人が不動産を購入できるようになったことが大きく働いていると新倉氏。成長している国に不動産を買おうという人達が集まり始めたのである。

ドバイの強さを日本、フィリピンと比較。画像はすべてセミナー時の資料より
ドバイの強さを日本、フィリピンと比較。画像はすべてセミナー時の資料より

もちろん、成長しているというだけの理由で投資を決めるわけではないが、要素として大きい。セミナーで提示されたドバイ、東京、フィリピンの比較を見てみると確かにドバイには大きな強みがある。

ドバイ不動産、6つの強み

成長以外にも強みがあると新倉氏は以下の6つのポイントを挙げた。

ドバイの6つの強み
ドバイの6つの強み

①政治の安定、街としての安全
王制国家で政治は安定しており、治安も良い。それをPRする動画なども多数で回っているそうで、興味のある方は検索してみてほしい。

②多様性
地元の人達は人口のわずか8%ほどで、残りはインド系などを中心にした移民。英語で生活ができ、差別が少なく、多文化を尊重、国際色豊かな教育が行われているとか。教育移住のニーズもある。

③世界中からのアクセスの良さ
4時間のフライトで全世界人口の3分の1、8時間のフライトで3分の2にアクセスできる。日本からは約9時間である。

④人口増への仕掛多数
人口が増えていることは前述した通りだが、その背景にはそのための施策がある。国の成長に加え、低税率で法人を誘致する、取得しやすいビザ(8200万円以上の不動産、預金があれば申請可能)などがあり、あと10年くらいは労働人口が増加する見込みという。

⑤安心できる法制度
不動産取引、登記、価格の透明性が高く、それを知っていさえすれば安心して取引ができる。未完成物件を登記できる制度もある。

日本とは異なる制度も。取引の公平性、透明性は高い
日本とは異なる制度も。取引の公平性、透明性は高い

⑥安定した通貨

米ドルとの完全固定レートを採用しており、安定している。

購入時の支払い方法はデベロッパー次第

では、実際の不動産取引はどうなっているか。これについては詳細を挙げていくと長くなるのでかいつまんで日本との違いを何点か。

まずは仲介手数料について。デベロッパーが売主の場合には通常手数料はかからず、それが一度他者の手に渡った後に購入するとなると通常は2%でそこに税金が付加される。未完成物件でも2度目の取引であればやはり2%の手数料が必要だ。

仲介業者としてはドバイの不動産規制局公認のエージェントがおり、誰でもサイト上でエージェントの過去の取引を検索できるようになっている。誰に依頼しようかと考えた時に実績が調べられるのである。

支払い方法はデベロッパーによって異なるが、申し込み時に一定額を支払い、その後も一定期間で支払いをするというやり方になっており、ある程度支払いが済んでいれば売却もできる。

支払いが終わっていなくても売却は可能
支払いが終わっていなくても売却は可能

「例として、物件価格の50%払ってあれば転売可能で、40%という例もあります。また、引き渡しも前倒しできることがあり、たとえば65%払ってあれば残金は家賃収入から払っても良いというケースもあります。ここで注意したいのは最初の予約金について。キャンセルした時に予約金の返済を巡ってトラブルが起きることがあるので、そのあたりの取り決めについてはきちんと確認しておく必要があります」。

日本では支払いにローンを組むのは一般的だが、ドバイでは勧めないと新倉氏。というのは金利が6%と高く、加えて手続きが非常に煩雑なため。キャッシュで購入する人が大半だという。

となると物件価格が気になるが、おおよそ3500~4000万円くらいからとのこと。2500万円以下の物件もあるが、そうした物件は売却しにくく、お勧めできない。

セミナーでは不動産投資にかかる税金、不動産購入にかかる費用も一覧で示されていたので参考にして欲しい。

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不動産投資にかかる税金、費用などの一覧
不動産投資にかかる税金、費用などの一覧

値上がり必至物件のポイントは希少性

続いては物件について。ドバイは北から南へ、海から砂漠へと開発されてきている。海沿い、砂漠近くその他いろいろな物件があるが、市場価値が高いのは眺望が良い、海や公園、ラグーンなどなにかの目の前にあること、コミュニティがしっかりしているという3点だと新倉氏。

それを踏まえた上で物件選びでは希少性を意識するのがポイント。

日本とは異なるカテゴリもあるようで国によって不動産は異なるのだと実感する
日本とは異なるカテゴリもあるようで国によって不動産は異なるのだと実感する

「具体的にはブルガリのような高級ブランドが手掛けるレジデンス、ホテルのサービスが利用できるレジデンス、同じエリア内、コミュニティ内でも希少な立地、レイアウトな物件がお勧めです。

メトロについては今後も建設計画があるそうだ
メトロについては今後も建設計画があるそうだ

それ以外では意外に思われるかもしれませんが、メトロ駅に近い物件も価格の上昇が見込めてお勧めです」。

賃貸で6%前後、民泊で10%以上の表面利回り

賃貸として貸す、民泊で貸す、いずれの手もある
賃貸として貸す、民泊で貸す、いずれの手もある

購入後、貸すとした場合には賃貸で貸す、民泊で貸すという2つの手があるが、賃貸では平均利回りが6%前後、民泊だと10%以上。どの国でも民泊のほうが儲かるようである。もちろん、違いは多々あり、賃貸の場合は1年契約が基本で賃料は一括払いあるいは2回、4回払いだとか。

賃料も不動産価格ほどではないものの、年々上昇している。平均では2023年9月までの1年間で19.6%上がっており、アパートメントで19.7%、ヴィラで18.9%。日本ではありえない上昇率である。もちろん、地域によって上げ幅、平均賃料、稼働率は異なっており、それによって利回りは異なる。

ここにはかなりの幅があるので、どこに買うかで利回り、その後の売却にも大きな違いが出そうである。地元情報をきちんと把握した上で購入する必要があるということである。
もうひとつ、戦略によってもお勧めエリアは違う。

「長期でキャピタルゲインを狙うならパームジェベルアリ、ドバイサウス、ラスアルハイマがお勧めですし、都心近くの人気エリアでと考えるならビジネスベイ、ドバイヒルズ、メイダンエリア、JLT、工期が遅れないデべの物件をと考えるならEMAAR、SOBHA、海外で十分に実績があり、ドバイに初進出する会社を狙うのが手です」。

ただ、地図を見ながら物件の場所を見ても率直なところ、土地勘のない場所ではどこがどこだかが分かりにくい。本気で購入を考えるなら、一度は現地を見学、位置関係などを見ておいたほうが良いかもしれない。

物件完成の遅延、供給過多、法律改正の3つのリスク

もちろん、リスクもある。

想定される3つのリスク
想定される3つのリスク

「ひとつは建物がいつまでも完成しない、完成が遅れるというもの。これについては信頼のあるデベロッパー、遅延損害金のある物件を選ぶことや遅れる前提でのプランニングが必要になります。

ふたつ目の懸念は供給過多になるのではないかという点。現在も非常に多くの物件が建設中ですが、幸い、この10年ほどは人口が大きく伸びており、ビザの要件が今のまま、緩い状況が続く限りはさらに人口増が見込めると考えています。

みっつ目は法改正。法律が変わるスピードが速く、たとえばビザの要件が変わると人口動向が変わりますし、2023年6月からは法人税が導入されました。今後も変わる可能性があり、それが事前に読めない点もリスクかもしれません」。

騙しの手口は情報不足と小口詐欺

騙されるケースもある。これについては知識を持つことで防げる。

騙される3つのパターン
騙される3つのパターン

「騙されるパターンは大きく3種類。ひとつは仲介手数料についてで、いつ、いくら、誰に払うかを知らない買い手が騙されて支払ってしまう例があります。同様に、購入方法の実務を知らない買い手が予約、手付、契約書の内容を知らないで損するケース。

そしてもうひとつは小口投資。100万円でドバイに投資できる、絶対上がるなどの売り文句で実在の物件を勝手に小口投資可能として暗号資産等で売りつけるという詐欺があり、これに引っかかる人が意外にいます。ドバイでは不動産の小口化はあまり推奨されておらず、そうした話を聞いた時にはきちんとライセンスのある事業者かどうかをチェックする必要があります」。

セミナーではそれ以外にも出口戦略について、税制についてその他さまざまなドバイ情報が語られた。物件はもちろん、税制、金融制度や不動産取引制度その他にかなり違いのある国での投資である。まずは情報から始めるのが妥当だろう。

関心のある人はチェックしてみたらどうだろう。今後もオンラインセミナー開催の予定があり、また、相談に関してはドバイ不動産の歩き方LINEから無料で受け付けているそうだ。

健美家編集部(協力:中川寛子(なかがわひろこ))

中川寛子

株式会社東京情報堂

■ 主な経歴

住まいと街の解説者。40年近く不動産を中心にした編集業務に携わり、近年は地盤、行政サービス、空き家、まちづくり、地方創生その他まちをテーマにした取材、原稿が多い。
宅地建物取引士、行政書士有資格者。日本地理学会、日本地形学連合、東京スリバチ学会会員。

■ 主な著書

  • 「ど素人が始める不動産投資の本」(翔泳社)
  • 「この街に住んではいけない」(マガジンハウス)
  • 「解決!空き家問題」「東京格差 浮かぶ街、沈む街」(ちくま新書)
  • 「空き家再生でみんなが稼げる地元をつくる がもよんモデルの秘密」(学芸出版)など。

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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