全国150万の健美家ラヴァーの皆様! こんにちは!
健美家さんのコラムの写真が20年近く前のモノなので、名刺交換から「 オレ 」と気付かれるまで小一時間は話し込まないといけない、そんなよしゆきです!(*’▽’)
さて、言わずもがなですが、我々大家さんを守るモノは「 賃貸借契約書 」です( イキナリだな )
いや、こう見えて不動産屋のシャチョーなんかしているもので、結構「 契約書 」に関してご質問頂く事が多いのですよ・・・(;´Д`) オレニキクナヨ・・・
意外と知られておりませんが、賃貸借契約書は何も管理会社( もしくは賃貸仲介 )が用意したモノを使用しなければイケナイわけではありません。大家さん自らが「 自分の物件、建物に合った契約書 」を作り、それをもって契約することが可能なのです。
ただし、あんまり極端な条項の盛り込みは不動産屋さんに嫌われたり(笑) もっと酷い物になると盛り込んだ特約自体が違法になる可能性も出てきます。
その辺りをいつものように「 よしゆきのバカ・フィルター 」を通しw
ドナタでも分かるように出来るだけ簡単にご説明したいと思います!(^^)/
■ そもそも気にしてます!?まずは標準契約書から!
さて、まずは賃貸借契約書とはなんぞや?からお話しすると、大前提として「 借地借家法 」という「 土地家屋を貸し借りするための法律 」が世の中にはアリ、それを司っているのが国土交通省です。 という事で、国交省が監修した「 標準契約書 」というモノが世の中にはあり、それを利用する事によって、まずは「 法に則った賃貸借契約を結ぶことができる 」という事になります。
国交省の「 賃貸住宅標準契約書 」リンク集
⇒https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_000023.html
もちろん、こちらの契約書を利用すれば「 借地借家法に違反しない契約 」を結ぶことは出来ますが、我々「 大家さん 」側から見れば不足があり過ぎる契約書となってしまいます(汗)
契約書の内容を読んで頂ければ明らかなのですが、例えば、鍵交換に関する費用負担や家財保険の加入に関することなどは盛り込まれておりません。
ですので、標準契約書を利用するとしても、まだまだ「 特約 」として盛り込んでいきたい項目や、逆に条文に関する事を特約で否定していく事が必要となってくるのです。
ただしっ!!!!( ゚Д゚)
特約に盛り込むことも、特約になって否定することも出来ない、アンガールズたなか・・・、もといアンタッチャブルな条文、条項があります。
それを強行規定( または強行法規 )と呼び、その個所に関しては、たとえ当事者間の同意があっても否定される非常に強力な規定文となっております・・・
■ 賃貸借契約における強行規定とは・・・
さて、強行規定に違反するとして無効になる主な特約にはこのようなモノがあります。
-
① 契約の更新はしない!
⇒ 借地借家法26および28条に違反で無効 -
② 賃貸人からの申し出によりいつでも解約できる!
⇒ 借地借家法27条に違反で無効 -
③ 如何なる場合でも、賃借人は立ち退き料の請求をしないこと!
⇒ 借地借家法28条に違反で無効 ④ 契約期間を1年未満とする!
⇒ 借地借家法29条に照らし、期間の定めの無い賃貸借契約と見なされる。
※ 正直言って29条の違反に関しては何が問題なのか分かってないw
読んで頂ければ明らかですが、主に「 契約期間、更新、解約 」に関する事となっており、つまりは賃借人の「 住む権利の保護 」と言って良い部分が強行規定により守られているワケです。
これを読んで、
おおお、マジか!?
けっこう借り手側にワンサイドだなぁぁぁ~
(;´Д`)
と思った大家さんは多いと思いますが( 俺もおもたよ )
安心して下さい!( 安村?)
①②③は 定期建物賃貸借契約( 以下定借 )によってホボホボ解消できます!(゚∀゚)
例えば、定借なら更新はありませんし、契約期間でスパッと終わるので立ち退き料のハナシも関係なく( 契約期間内に出ろっていうのは論外 )
1ケ月間の超短期契約だってオッケーなのです!
※ 1ケ月未満は別の理由でNGの可能性あるのですが今は割愛
この10年程度で「 定借 」に関する認知は広がっておりますので「 定借は安く貸さなくちゃイケない!」という事も無くなってきましたので、時と場合によっては定借を選択する事をおススメします。
ただし、定借に関しても法律的な縛りはあり( 当たり前 )例えば、書面による事前説明( この契約は定期借家なので一定期間が終わると必ず解約となりますという、説明書き )が必要だったりしますので注意しましょう!
■ 強行規定を知った上で検討すべき特約事項とは・・・
さて、続きましては転ばぬ先の杖である、特約事項として検討すべき項目を考えたいと思います。
この時に留意しなければならない事は「 著しく借り手に不利な文言としないこと!」という事が、とても重要です。
例えば、何の変哲も無いワンルームの契約書に、「 退去時クリーニング費用はその汚損の如何に関わらず100万円とする」( 小学生か )と記載しているのは・・・
ダメーーーーー!(*´▽`*)
この場合にはキチンとした根拠ある数字、例えば、「 賃借人は退室の際にクリーニング費用として㎡/1,200円を負担する 」などとして記載することが望ましいワケです。
さて、特約として考えられる条項として主な物を記載すると。
- ① 短期解約違約金
- ② 鍵交換費用
- ③ 家賃管理費以外の負担金
- ④ 原状回復に関するお約束事
- ⑤ 利用の制限に関する事項
スタンダードな物でもこのようなモノが考えられます。
①の短期解約違約金に関しましては、例えば2年契約の際に、「 1年未満の解約の場合は家賃1か月分の短期解約違約金が発生する 」などの条項を良く見かけます。
これに関しましては、家賃1~2か月程度の場合であれば「 現状では 」多くが認められておりますが、今後はそもそもが特約として認められなくなる可能性があると言われており、注意が必要となります。
②の鍵交換費用に関しては、国交省が出しております「 原状回復とトラブルを巡るガイドライン 」において「 貸主が負担するのが妥当 」としっかり明記されております。(;´Д`)
んがっ!
これは借地借家法における強行規定ではありませんので、契約書に特約として「 借主が負担すること 」とする事が可能です。
ただし、「 交換時期と金額を明記する 」ことが、やはりトラブル防止の観点から良いと思います。
例えば、あくまでも私のおススメですが、契約書に、「 防犯の観点から、ご入居時にシリンダー交換( 税込み●●円 )を賃借人負担で行うものとする 」と明記のうえ、契約時の初期費用と共にご入金頂く事が良いと思います。
③の家賃管理費以外の負担金に関しては、例えば、更新料の負担や保証料の負担、家財保険料の負担などが考えられますが、それらも全て契約書に記載しておかないとイケマセン。
契約に記載が無いお金を請求しても、
はぁ? ( ゚Д゚)
で終わりですからねw
賃借人が負担すべきお金に関しましてはシッカリと契約書に網羅しましょう。
④の原状回復に掛かるお約束事ですが、これは前述の国交省の「 原状回復とトラブルを巡るガイドライン 」が大きな指針となっております。
国土交通省「 原状回復とトラブルを巡るガイドライン 」
⇒https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_000020.html
このガイドラインに関しましては、賃貸事業者ならば皆さん知っている事と思いますが、上記ページよりその趣旨を抜粋すると
退去時における原状回復をめぐるトラブルの未然防止のため、賃貸住宅標準契約書の考え方、裁判例及び取引の実務等を考慮のうえ、原状回復の費用負担のあり方について、妥当と考えられる一般的な基準をガイドラインとして平成10年3月に取りまとめたもの・・・
という、読んでいて途中で諦めてしまうような趣旨の下での策定となっておりますが(汗)、まぁ要するに、「 退去に伴って賃貸人賃借人双方が揉めないようお上が一つルール作ってやるよ 」という趣旨の元に出来上がった( 上からだな )ガイドラインとなります。
ココで重要なのは、このガイドライン内において、
原状回復とは、
⇒「 賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損を復旧すること 」
と定義している事です。
それ以外のいわゆる
「 経年変化、通常の使用による損耗等の修繕費用は、賃料に含まれるものとして賃貸人負担 」
としております。
詳しくは上記よりDLして頂き、ジックリと読んで頂ければと思いますが、ココで気を付ける点としては契約書において
・原状回復と修繕の㎡単価を出来るだけ細かく明記すること
そして
・善管注意義務に関して明記しておくこと
が重要となります。
特に忘れがちな善管注意義務に関しては
・こまめに空気の入れ替えや清掃を行い、居室内を清潔に保つこと。建物の不具合や事故による以外の、カビ、汚損の発生は善管注意義務違反として、賃借人負担による原状回復を行う事とする。
などと具体的に文言を盛り込んでおくことが( 賃借人への注意喚起含め )お互いの為になります。
⑤の利用の制限に関する事項とは、例えば「 ペットの飼育不可 」や「 住居としての利用のみとする 」などが考えられます。
具体的な利用制限を盛り込んだうえで、ペナルティの内容も具体的に
本物件は居住用目的とし、それ以外の事務所利用( SOHO含む )、宿泊事業などは一切認めない事とする。これらの違反が発覚した場合には賃貸借契約の解除および、賃借人は賃貸人に対し違約金として家賃の●か月分を支払うものとする。
などと具体的な文言を入れておくようにしましょう。
■ 滞納、原状回復義務、用途制限違反、そしてラスボスは・・・
いつも通りにダラダラと契約書に関して書かせて頂きましたが、最後に「 ラスボス 」に関して書いておかねばなりません。
そう、それは「 残置物 」に関してです。
契約時に、契約書にて、例えば、「 借主において残置された家財や動産等の所有物について、借主は、その所有権を放棄したものとし~ 」などの文言を書いておけばオールオッケー!(*’▽’)
・・・とはいきません!
上記の文言が生きてくるのは、あくまでも「 借家の明け渡し( 鍵を返してもらう )後のこと 」であり、大家さんにとっては悪の権化である「 夜逃げ 」が発生した場合にはこの限りではないのです!!!!!
夜逃げが発生した場合に大量の残置物が残っていたら、どうすれば良いのか?
それは・・・、もう明け渡し訴訟以外の手立てはないのです・・・(;´Д`)
これはね、ホントにもう、どうしようも有りません。
以前のコラムにも書きましたが
滞納 ⇒ 夜逃げ
で残置物を残し消えた賃借人に対し、大家さんが
「 んざっけんなぁよゴラァ!」(゚Д゚#)
と残置物を処分。
逆に夜逃げ野郎から、
「 え、残置じゃなくて大切な物があったんですけど、どうしてくれるんですか?」(´・ω・`)
と損害賠償請求をされるという(泣)
ジャンプ大パンチ ⇒ 下中キック ⇒ 波動拳 ⇒ ピヨリ
的なコンボを「 狙って 」かましてくる上級ヤカラが実際に存在しております。
法律により「 自力救済は違法 」とされている以上は、どんなに「 くそがぁ!」と思っても粛々と時間を掛けて裁判を起こす以外の方法は無いのです・・・
ですが、最低でも契約書には「 明け渡し後の残置物処分に関する条項 」だけは設定しておくことをお勧めします!
さて、今回は「 大家さんの身を守るための契約書 」に関して書かせて頂きましたが、本来ならばもっともっと書きたい事、書かなければいけない事が山盛りなのですが (汗)
今回は( も?)ダラダラと長っぱなしになってしまいましたので、マタ別の機会に!(*’▽’)
よしゆき 今回の格言
「 賃貸借契約書は定期的に見なおし、常に時代と自分の賃貸経営向けにカスタマイズしましょう!見たこともないなんて人は論外っす!」