建物は大体築20年あたりから、老朽化が目立つようになってくる。エアコンや給湯器といった設備が経年劣化で寿命を迎えたり、建築当時は流行りだった間取りやデザインが現代だと古くさくなっていたり、雨漏りや給排水管といったトラブルが増えるのもこの時期からだ。
そうなると当然に賃料は下がるし、空室も目立つようになり、修繕費の負担も大きくなるなど、収支はどんどん悪化していく。収支改善のためには効果的なリフォームや計画的な大規模修繕を施す必要があるが、それらを実施するにも多くの費用と労力を要する。そのため、不動産なんて儲からない、と頭を抱えているオーナーも多いことだろう。
壊して建てて儲かる時代はもう終わり
令和の時代は「長期活用」こそ儲かる
今回紹介する書籍「”築20年”からのアパート・マンション経営”成功”の秘訣!(ごま書房新社)」の著者で、不動産の仲介・管理をはじめとした不動産総合コンサルティング業を手掛ける「株式会社市萬」を経営する西島昭氏のもとには、そうした悩みを抱える築古物件オーナーからの相談が数多く寄せられる。特に「持っていても大変なばかりなので手放したい」や「今の建物を解体して、新しく建て替えようと思う」といった相談が最近増えているという。
西島氏はそうした相談に対し、オーナーの現在の所有物件の収支や建て替えした場合の収支を計算するなど真摯に向き合う。そのうえで、ほとんどの場合「苦しいのは今の一時的なもの。ここを乗り越え、保有し続けると収支はよくなりますよ」と伝えているという。建て替えずに今ある建物を寿命まで長期活用することこそ、今の時代に合った解決法であり、収益を最大化する道だと西島氏は説く。
建物の寿命は意外と長い
木造60年、鉄筋コンクリートはなんと80年
建物の法定耐用年数は木造が22年、鉄骨が34年(鉄骨厚みにより19年、27年)、RCが47年であるというのは皆さんご存知の通りだろう。だがもちろん法定耐用年数イコール実際の耐用年数ではない。西島氏は「しっかり手入れをすれば、木造で60年、鉄骨で70年、RCならば80年はもつ」と言い切る。
建築費が高騰する現代において、建て替え(とりわけ現存の建物の借入金が残っている場合)で収支が良くなるのはおよそ最初の10年だけだという。そして15年、20年と経てば、今と同じ悩みを抱えることになってしまう。とある顧客の事例では、建て替えと長期活用をシミュレーションで比較したとき、40年間の収益に8,000万円もの差が出たという。もちろん、8,000万円儲かるのは長期活用の方だ。
では、どうすれば築古物件のキャッシュフロー悪化のピンチを乗り越えて、長く儲かる状態を生み出せるのか。詳しくはぜひ本書で確認いただきたいが、実は築年数の古さ自体は入居付けにおいて大きなデメリットとはならない。大事なポイントはマイナス(劣化や不具合)をゼロ(通常)に戻す「建物修繕」と、入居者ニーズに応える「改良工事」を計画的、効果的に実施することだ。
本書はどちらかといえば、買って売ってを積極的に行う不動産投資家というよりは、新築で建てて持ち続けている人や、それを相続で引き継いだ人に向けた内容かもしれない。とはいえ、持たざる者の立場から不動産投資で成功を目指す場合、たいていはそうした人達が手放した築古物件を買っていくことになるはずだ。その点で、「建物は寿命まで最大限活用しよう」と説く本書は多くの人にとって参考になり、また勇気が持てる一冊だといえるだろう。
――――――――――――
紹介した書籍を健美家会員の中から抽選で5名様にプレゼントいたします。ご希望の方は応募フォームよりご応募ください。
・2024年2月8日(木)~2024年2月14日(水)の間、応募を受け付けます。
・応募は日本国内の方のみ(発送は国内のみ)とさせていただきます。
・ご応募はお一人様1回限りとさせていただきます。
・当選の発表は商品の発送をもって替えさせていただきます。 (商品の発送は2月下旬を予定しております)
※健美家のユーザ会員登録はコチラから
健美家編集部(協力:
(たまあらい))