みなさんこんにちは、きこりです。
今年は少し遅咲きの桜となりましたが、みなさんお花見を楽しまれましたでしょうか。きこりは大谷さんの試合を見て寝不足気味です。
さて、3限目の授業はご覧頂けましたでしょうか。このコラムでは1~8限まで読んでもらえると、やる気ある人は誰でも小さく不動産事業を始められるようポイントを解説していきます。
3限目の内見・管理会社回りでは内見の準備、現地までと現地での確認ポイントやリフォームを学び、コストを下げるためにきこりが実践していたことを解説しています。まだ読んでない方はこちらからぜひご覧頂いて、今日の授業に進んで下さい。
ちなみにシリーズは全部でこのような構成になっています。
2限目 物件検索
3限目 内見・管理会社回り
4限目 銀行開拓 ←本日はココ!
5限目 物件購入
6限目 客付・管理
7限目 物件売却
本日はこれまで取り組んできた物件検索・調査の結果、これはぜひ欲しい!となった物件にどうやって融資を受けるかという銀行開拓のお話です。
銀行ってお金を預けるところというイメージが強いと思いますが、不動産事業では銀行はお金を借りに行くところで、最初はちょっとハードル高く感じるかも知れません。
でも、慣れて来るとコンビニに季節のスィーツを買いに行くくらいの気持ちで訪問できるようになりますので、これを読んでぜひそこまでのステップを踏み出してください。
■銀行開拓の前に銀行さんを〇〇しよう!
不動産事業の最大の利点はレバレッジとよく言われますが、きこりも賛同します。持たざるものが事業を成していこうとする場合、その元手を借入から賄えることは大家業の非常に大きな利点と思います。
その大事な元手を貸してくれる銀行さんから理解を得て融資して頂くにあたり、こちら側がまず『銀行さんを理解』することが非常に重要と思います。
代表的な理解のポイント、2点をまずしっかり理解しましょう。
- 銀行は超〇利〇売ビジネス
- 銀行には融資できる〇〇〇に制限がある
■銀行は超〇利〇売ビジネスなので保守的で当たり前
現在は金利政策の転換期にあり、今後金利上昇が見込まれていますが、それでも貸金業は競合が多く、不動産事業では安いと1%、高くても3%台程度で借入をしている方が多いと思います。
銀行さんからすると1%で100人に貸しても、その内1人でも返済が滞って回収できなくなると年間の利益がなくなってしまうビジネスであり、『超薄利多売』なビジネスと思います。
なので、当然審査は保守的に厳密に行うことになり、きこりも多くの金融機関に打診しましたが基本は断られました。特に自己資金も実績もない持たざる者だと銀行さんとしては貸し辛く、今思えば当然と思います。
30支店電話して0回答なこともあり、心折れそうになりましたが、1行でも開拓できればそこで人生を好転させてくれるであろう物件の購入に繋がりますので、後述するポイントを踏まえてやり切りましょう。
■銀行には融資できる〇〇〇に制限あり!正しく知って行動しよう!
日本ではどこに住んでいても大体街中には金融機関を見つけることができます。自分が欲しい物件が家の近くにあれば自宅近くの金融機関に行って相談すると良いと思います。
ただ、これまでお話しているとおり、検討エリアは広い方が物件も見つかりやすく、自宅から数十キロ、時に数百キロ離れていることもあると思います。そんな時、どの金融機関に行けばよいのでしょうか。
実は銀行(特に地域金融機関)には融資できるエリアに制限があり、このルールを理解していないと融資は受けられません。
そのルールは基本的に『物件』と『融資を受ける個人/法人の居住地/所在地』が金融機関の支店の近くにある(公共交通機関で1時間など)ことを求められます。
なので、住んでいる場所が千葉市中央区の方がつくば市の物件を購入したいとなった時には、その両方の市に支店がある金融機関がないと融資が受けにくいのが通常です。
一部の金融機関ではエリア全国となっているアパートローンを扱っていますが、それは特殊ケースで、通常はこのエリアの制限を守らないと融資の土台に載れません。
なので上述の例だと、千葉市中央区とつくば市に支店を持つ千葉銀行がこのエリアの課題をクリアする金融機関であり、当たるべき先の1つとなります。
このルールを理解することで自分が当たるべき金融機関を振るいに掛けることが必要です。
■銀行開拓は電話と〇〇〇を使ってひたすらアタック!
物件を見つけ、銀行のエリアの問題をクリアする金融機関を見つけたら、物件最寄りor自宅/法人登記最寄りの支店に電話します。電話すると通常受付の方が出ますので以下のようなラリーができると良いと思います。
きこり『収益不動産の購入を検討しており融資担当の方お願いしますor営業の方をお願いします』と伝えます。
銀行の受付さん『はい、少々お待ちください~♫』
融資担当者『はい、お電話変わりましたウシジマ(名前はイメージ)と申します。』
きこり『あっ、私〇〇市に住んでおります、きこりと申しまして、〇〇市××町にあります、X,XXX万円のアパートの購入を検討しており、融資のご相談をしたいのですが~』
融資担当者『そうなんですね、当行へのお電話はどういった経緯で~?』
きこり『物件の近くに支店があることを見ており、私の自宅近くにも支店があるので、お電話したのですが、私がどういうものかというプロフィールシートと物件の概要書をFAXさせて頂いてもよろしいでしょうか~?』
融資担当者『あっ、分かりました。FAX番号お伝えします~』
きこり『ありがとうございます。それでは一旦失礼します~』
融資担当者『す~~』
金融機関の営業の方は皆さん多忙なので、できるだけ電話は短く切り上げ、『FAX』で簡潔な資料をお送りすること重要です。
メールアドレスを聞けることもありますが、電話でのやりとりに不向きでFAX番号の方がぱっとやり取りできて、先方としてはよいのではと思います(きこりとしてはLINEで送りたいぐらいですが・・・)。
このプロフィールシートはきこりのやっている(株)ヤモリのサービス『大家のヤモリ』で無料で作成できるのでぜひこの機会に作成してみて下さい。
こういった属性資料と物件の概要書1枚をFAXします。FAXは機会がなくてもメールで送るとFAXで届くアプリなどが安価に使えるので活用を検討してみて下さい (どうしても難しい場合にはメールアドレスがあればそれを聞いてメールするのでも良いと思います) 。
この資料を送って数時間後にまた電話します。銀行員の方は人の属性資料を見るのがけっこう好きだなと感じることもあり、かなりの確率で見てくれていることが多いです。
これら資料を見て関心を持ってくれた方とは話を進められることがあり、面談にこぎつけるようにしましょう。
プロフィールシートと物件概要書を見た銀行員さんが会って話を聞いてもよいとなると一歩前進です。すぐにぜひアポを!と言いたくなるのですが、ちょっと一呼吸置きましょう。
面談に行くには平日日中に時間を作る必要があり、当初のきこりのように頑張って時間を作って面談に行っても、頭金3割必須だったり、融資期間の考え方が非常に厳しかったりして無駄足になることがかなりありました。
それからというもの、きこりは銀行員さんが面談に前向きになってくれたら
①自己資金割合(物件がとってもよければ頭金1割以下、場合によってはフルローンもあり得るか)
②融資期間(修繕などが適宜されていれば残存法定耐用年数にプラスαの期間融資してくれるか、もしくは土地値がある物件では建物に拘わらず10~20年の融資ができたりしないか)
③金利(最初から3%以上と言われるとそれなりに高利回りの物件でないと収支が合わない)
の3点は事前に確認し、問題なければ面談に進むようになりました。
これによって半休取って面談に赴いたのに無駄足になったということはほぼなくなりましたので、これからのみなさんも参考にされて下さい。
■銀行との面談でとっても大事なことは〇〇〇〇を一発でまとめて出すこと
頑張って取り付けた面談にいざ参らん!となった時に手ぶらで行っては決してなりませぬ。
桃太郎が家来を連れて行ったように不動産事業家は手元に分厚い資料を持参していかねばなりませぬ。
多忙な銀行員の方が忌避することの一つに顧客とのやり取りの煩雑さがあると思います。
先に述べたように銀行さんは保守的に審査を進める必要があるので、沢山の資料の提出を求められますが、勉強していない人だと銀行員さんからあれこれ指示を受けて資料を準備することになります。
たださえ忙しい銀行員さんに更に手間を掛けていると顧客としての優先度を下げられても当然と思います。なので、大事なことは『必要書類』を一発でまとめて提出することです。
必要書類は金融機関によって求められるものが多少異なるものの、基本的なものは一発で出し、追加で要請があればすぐに対応するようにしましょう。
必要書類は先ほどの大家のヤモリで入力項目になっているものを準備すれば最初の提出書類としては十分と思います。
・身分証、源泉徴収や確定申告3期分、自己資金エビデンス
・法人所有の場合は決算書3期分、法人謄本・定款(コピー)
・所有物件一覧、返済予定表、レントロール、謄本、課税明細書
・融資依頼物件の販売図面、レントロール、課税明細、謄本など
審査を進めてもらえると、これに加えてより詳しい物件情報(売買契約書・重要事項説明書、公図、建築確認済証、検査済証など)や納税証明書(税金の滞納がないかの証明書)などが求められることが多いです。
ここまで用意してからでも良いですが、きこりは前述のもので最初当たることが多いです。
きこりの生徒さんが融資を受けた金融機関に挨拶に行くと『提出書類が一通りそろってまとめられていたので、これはしっかり対応せねばと感じた』とよく言われます。
提出書類を一発で整理して出すことは、持たざる者が押せる数少ない金融機関の方のやる気スイッチと思いますので、ここに心血を注ぎましょう。
■金融機関開拓できたら、その金融機関のエリアがあなたの物件購入可能エリアに!
さて、ここまで銀行開拓についての要点を解説しました。これらポイントを抑えた上で数をこなしていけばきっと融資してくれる金融機関の方と出会えるはずです。簡単な道のりではないと思いますが、諦めずに挑戦してほしいと願っています。
そしてとても大事なこととして、この活動で融資内諾を得たら惜しくもその物件が他の人に取られてしまったり売主さんと交渉決裂して買えなくても、その金融機関のエリアはあなたの融資が付くあなたのエリアになるということです。
この融資が付くエリアを沢山持つことは沢山物件を購入できることに繋がります。金融機関開拓できたエリアを中心に物件検索のパワーを集中して物件を発掘し、どんどん金融機関に持ち込んで良い物件の購入に繋げましょう。
物件検索を最初にするのはよいのですが、金融機関開拓→物件検索エリア確定の方が融資が付くことが見えているので効率が圧倒的によく、多くのうまくいっている不動産事業家はこの手順で物件購入していると思いますので、みなさんもぜひマネして下さい。
さぁ、金融機関も開拓できたら、次回はいよいよ購入です。買付から購入までの流れやポイントについて解説したいと思います(きこりが耐え切れず大谷さんの試合を現地に見に行ってなければ)!