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日銀によるマイナス金利解除、金利上昇でどうなるJリート

不動産投資全般/Jリート・小口化商品 ニュース

2024/03/20 配信

イメージ写真②

日銀のマイナス金利の解除は、銀行界だけでなく経済界も歓迎の意を表している。世界でマイナス金利を適用しているのは日本のみ。この異常事態の中で、景気回復・賃金上昇の証として金利が上がるのならば問題ないと見ているからだ。

賃金の成長を伴う持続的なインフレと内需が主導する経済成長は、バブル経済崩壊後からの30年間という長い暗いトンネルからの大脱出となる。

マイナス金利の解除。日銀が政策金利を17年ぶりに引き上げる。大規模金融緩和の代名詞ともなっていたマイナス金利の解除を契機に金利のある世界が戻ることで、緩和マネーに支えられた不動産業界にとっては逆風が吹くことになる。

金利上昇局面で弱いのが特徴

これまでのゼロ金利の中で、不動産を運用して高い分配金利回りで投資マネーを集めてきたJ-REIT(不動産投資信託)はどうなるのか。J-REITは、オフィスビルや賃貸マンション、商業施設、物流施設、ヘルスケア施設、データセンターなど多様な不動産に投資している。そこから生まれる賃料収入や物件の売買で得た売却益などを原資に安定した分配金を出す仕組みである。

金利の上昇局面では、過去の経験則からJ-REITの投資口価格は下落する。

実際、年明けからのJ-REIT市場は利上げ観測を受けて冴えない状況が続き、東証REIT指数は1700ポイント台、1600ポイント台をさまよっている。

昨年秋の9月頃に1900ポイント台から下降を続けており、先月の2月の東証REIT指数は前月比でマイナス5.6%の大幅な落ち込みとなった。

どの運用資産も落ち込んでいて全般的に軟調に推移していた。この下落基調の背景の一つに日銀の金融政策の修正観測を受けてJ-REITに特化する投資信託からの資金流出超過が続いたことが挙げられる。

また、今月末の年度末を控えて、大口の投資家である地銀などが決算対策として利益を確定したり、含み損を抱えての損切り、地銀等の運用ルールで一定の下げ幅になると自動的にロスカットに動くなどで投資口の下落が続いる。

有利子負債の悪影響は一部

では、J-REITは投資運用先の商品としての旨味が損なわれるのか。ゼロ金利政策の中で、高利回りの配当を出す金融商品はJ-REITくらいだったが、金利のある世界に戻ることで多様な金融商品が息を吹き返すことになる。J-REITよりもマーケット規模の大きい投資市場に国内外のお金が向かっていくことになる。

不動産業界は、他の業界に比べて有利子負債が多いだけに金利にも敏感な業界である。特に運用資産を購入するために調達する資金の金利が上昇することに対する懸念が大きい。

しかし、決算説明書などで公表しているJ-REITの有利子負債の金利は、固定化している比率が高く、金利レートが上昇に向かったとしても直接的な影響を受ける有利子負債の比率は1割に満たないもので限定的とされている。

また、有利子負債の調達期間は、平均で7~8年で推移している半面、運用している物件の賃貸借契約はそれほど長くない。伝統的な投資対象である賃貸マンションの賃貸借契約は2~3年が中心であり、オフィスでは定期借家契約で5年程度が一般的だ。

経済成長が続けば賃料も上昇

前述した賃上げに伴う持続的なインフレで内需が拡大するのであれば、内部成長のドライバーである賃料の収入が見込めることになり、1口当たりの分配金(DPU)の増加を見込むことができる。

一方で、支払い金利も上昇し、DPUに下押し圧力もかかるが、その下げ率よりも増加率の方が大幅に上回るとの試算がマーケット関係者の間でなされている。

今回のマイナス金利解除により、J-REIT市場は当面さえない展開が続く可能性が高く、東証REIT指数が急回復することもない。ただ、経済活動が活発になって緩やかな経済回復が続くのであれば、住宅・不動産業界が総崩れすることも考えられない。

アセット別に見てみると、オフィスビルは空室率上昇に歯止めがかかりつつあり、賃料の底打ち気配も漂う。賃貸住宅では、インフレ経済下で家賃の値上げを打診するオーナーも増えている。

商業施設もGDPの成長と訪日客の急増に伴う賃料上昇に期待できる。ホテルは商業施設同様に訪日客が宿泊料金の値上げが進みそうだ。このようにキャッシュフローを潤沢に生み出すという内部成長を加速する環境は整備されつつある。それを踏まえれば、足元の軟調な市況は、買い時のチャンスであると考えられる。

健美家編集部(協力:若松信利(わかまつのぶとし))

■ 主な経歴

学生時代から不動産に興味を持ち個人的に不動産関連の記事を多数執筆。大学卒業後、不動産関係情報誌に20年以上勤務。現在は都内のIT会社に勤め、副業でいくつか投資関連の記事を担当・執筆する40代サラリーマン。

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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