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私が「サブリース」を絶対やらない理由

大黒天人さん_画像 大黒天人さん 第12話

2015/7/24 掲載

最近、以下のような相談をうけました。

「 サブリース物件の契約についてどう思うか 」

まず、サブリースについてですが、私は「 自分ならやらない 」という結論を持っています。私の実家は土地を持っているため、たくさんの業者さんが営業に来ますが、その数字を分析して、やる意味がないと思ったからです。

最初に伝えておくと、私はサブリースに批判的ですが、中には大手ハウスメーカーは高い分、建物がしっかりしているからいい、うちはお金に困っていないしサブリースは気が楽でいい、と考える人もいるでしょう。

実力のある大家さんなら、サブリース会社と独自に交渉して、うまく活用することもできるかもしれません。また、全部の業者さんが同じとは限りません。ですので、今回の話は私の個人的な見解として読んでいただければと思います。

■ 過去最高の売上を記録している大手ハウスメーカー

さて、大手建設業者は「 相続税対策 」を売り文句に、地主さんなどに営業をかけています。その結果、近年は最高売上げを記録しているという事です( その分、自己使用の戸建の建築は減少しています )。つまり、サブリース付きの収益物件を建てている人は増えているのです。

私の聞いた話では、サブリース無しとサブリース有では、建設費用が3割から5割くらいアップするようです。例えば、サブリース無の物件で1億の建設費用なら、サブリース有ならの物件で1.3〜1.5億の建設費用になるのです。

どうして、こんなに建設費用が高くなるのかを訊くと、営業マンは次のような回答をします。そして、工事を受注しようとします。

「 円安の影響です 」
「 東京オリンピックの開催で職人さんが不足していて・・ ・」
「 インフレで資産価値も上がってきているので融資できる金額も上がっています。借り入れは問題ないですよ 」

しかし、この建設費用のアップの本当の理由は、「 家賃保証の補填金 」のためであると私は考えています。つまり、大家が運営中、サブリースでもらうお金は、自分が多めに支払った建築費ということです。

以下に、私の実家に出された見積もりを元に、大手ハウスメーカーのサブリースを使った場合と、別の業者でサブリース無しの場合の比較を紹介します。



■ 新築時から最初の2年の収支の比較

□ 建築費
大手ハウスメーカー( サブリース付き ):1LDK×12戸⇒1.5億円( SRC )
格安建設業者( ユニットハウスメーカー ):1LDK×12戸( 4戸×3棟 )⇒0.8億円( 軽量〜重量鉄骨造 )

□ 法定耐用年数
大手ハウスメーカー:47年( SRC )
格安建設業者:27年( 軽量鉄骨 )もしくは37年( 重量鉄骨 )

□ 減価償却費用
大手ハウスメーカー:320万円/年
格安建設業者:296万円/年( 軽量鉄骨 )

□ 初期家賃設定
大手ハウスメーカー:1LDKで7万円( 実家近くの新築相場 )
格安建設業者:1LDKで6万円( 実家近くの新築相場 )

□ 家賃入金額
大手ハウスメーカー:1LDKで5.95万円( サブリース保証料金15%を引いた金額 )
格安建設業者:1LDKで6万円( サブリース無 )

□ 原状回復費用
大手ハウスメーカー:1LDKで26万円(相見積もり禁止)
格安建設業者:1LDKで18万円(相見積もりOK)

□ トータルの家賃入手金額
大手ハウスメーカー:1,713万円( 2年 )
格安建設業者:1,728万円( 2年 )

■ 2年目以降にかかる費用の比較

□ 原状回復費用
大手ハウスメーカー:2年ごとに312万円( 2年につき1回退去の前提 )
格安建設業者:2年ごとに216万円( 2年につき1回退去の前提 )

□ 年2%家賃が下落する過程をすると10年後の試算
大手ハウスメーカー:約4.8万円
格安建設業者:約4.9万円

□ 大規模修繕工事
大手ハウスメーカー:かなりの確率で工事強制の場合が多い( 費用は数百万円 )
格安建設業者:施主さんの判断で行うことができる( 費用は恐らく200万円以内 )

□ 10年後の家賃の2年分のトータル家賃入手金額
大手ハウスメーカー:1,382万円( 2年 )
格安建設業者:1,412万円( 2年 )



比較してみると、建築費は大手ハウスメーカーのサブリース付き物件の方が倍近く高いのに対し、入ってくる家賃は格安建設業者の物件の方が多いことがわかります。

また、サブリースで建てた場合の出費の多さも歴然です。特に注意したいのは、工事の相見積もりの禁止や、頻繁に行う家賃の値下げなど、自分ではどうしようもない制約が多いことです。

ハウスメーカーとしては、工事費用ですでに利益が確定しているので、はっきり言って、直ぐにサブリース契約を打ち切られても構わないのです。逆に、オーナー側は運営の全てを任せているため、サブリースがなければ安定収入が見込めず、入居付けの方法も知らないため、立場が弱くなります。

■ 中古物件でもサブリース付きの物件は買わない

サブリースの事を調べていると、新規建設後10年以内に、30%近くのオーナーがサブリース契約を解約( 事業者による解約を含む )しているようです。これは、思ったほど経営がうまく行っていないからだと思われます。

私の感覚では、新築から15年程度で最初のデッドクロスが来る場合が多いと思われます( 所得税などの税金と融資返済金と家賃収入のバランスが崩れる場合は多い )。

ですので、私はその頃の築年数を基準に物件の買付を行うことが多いのですが、サブリース物件に関しては、売主さんに「 サブリース契約を切ってからにして下さい。そうでないとこれ以上の交渉は出来ません 」と言っています。

ここまで書くには勇気がいりましたが、これから、サブリース契約をして不動産建物を建設しようと考えている地主さんには、よく考えて決断して欲しいと思います。

まあ、相手も商売ですし、悪気がある人ばかりでもありません。事情もそれぞれ異なります。ですので、それでも行う方は行えばいいと思いますが、運営がうまく行かなくなったら安く買わせていただきますね。

プロフィール

大黒天人さん(だいこくてんじん)

daikokusan

専業大家
岡山県在住
ブログ「大黒天人の不動産投資通信」

■ 経歴

□1977年生まれ

□1996年
当時ブームだった「たまごっち」を売って大金を手にする

□1998年
全額自己資金で神戸に2棟で8,000万円のアパートを買う
売主の大地主の会社を手伝いながら不動産投資の経験を積む

□2005年
大家業だけでは寂しいと思い、地元の企業に就職する

□2010年
ITエンジニアとして働いていた会社を退社、専業大家となる

■ 所有物件

戸建て 65棟
集合住宅 120室
テナントビル18室
駐車場 80台
未計画用地 2筆

※愛知県内の2DK×4棟が加わる予定

■ 心に残る師匠の教え5つ

1、自分でできないことはするな。

2、不動産所得は決して不労所得ではない。不動産所得=多能所得である。

3、平凡の皮をかぶった非凡であれ。

4、法律は弱い人間の味方をするのではなく、知っている人間の味方をする。そしてそれは、裁判でも同様である。

5、不動産投資の基本は、いかに物を安く購入して(仕込んで)高く売る(売却)ができるかによる。
そして、交渉事は三方良し(売主・買主・世間(業者・入居者))であること。
自分だけいいと思う人はすべからく失敗する。

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