J-REIT(ジェイリート)にコツコツ投資して、分配金(株式投資の「配当金」と同じ)を毎月もらおうというシリーズ。
2月決算のJ-REITをいま買うと、3ヶ月後の5月には分配金がもらえる!そして、J-REITは年2回決算だから、11月にも分配金が手に入る。
J-REITの分配金利回りは3〜6%。株式投資よりも高配当なものが多い(一部のホテル特化型リートは除く)。
分配金を毎月もらって、経済的自立と早期リタイア、FIRE生活への1歩にしよう!
2月決算の注目2銘柄をご紹介する。

2月決算のJ-REITは16銘柄!
注目はザイマックス・リートとラサールロジポート
1月決算期の銘柄は多く、16銘柄ある。
しかし、森トラスト・ホテルリート投資法人は3月に森トラスト総合リート投資法人と合併する予定なので、実際は15銘柄となる。
※証券コード、銘柄名、投資口価格、予想分配金利回り。
「投資口価格」とは、J-REITの場合の「株価」に相当する。
投資口価格と予想分配金利回りは2023年2月3日終値現在。
なおJ-REIT(ジェイリート)とは、証券市場に上場している金融商品「不動産投資信託」のことだ。J-REITを購入すると、株を買うぐらいの小口資金で、大規模大家さんの仲間になれる感じだ。
そして2月決算の注目銘柄は、ザイマックス・リート投資法人とラサールロジポート投資法人だ。
元リクルート系スポンサーは不動産マネジメントが強み
ザイマックスは上場初の公募増資で資産規模拡大へ
ザイマックス・リート投資法人は総合型リートだ。2018年2月に上場し、資産規模は434億円、保有物件18とまだ小規模なJ-REITだ。
スポンサーは、総合不動産マネジメント会社の(株)ザイマックス。元はリクルートが自社ビルの企画開発・管理等を始めた事から端を発している。
同グループ以外の物件運営の受託するようになり、2000年にリクルートから独立して、商号をザイマックスに変更した。
ちなみに「総合不動産マネジメント」とは、総合ビルメンテナンス業務やプロパティマネジメント(PM)、ファシリティマネジメント(FM)、アセットマネジメントやコンストラクションマネジメント業務等の総称だ。
ザイマックスグループは、プロパティマネジメント(PM)の受託実績が2010年から6年連続で国内第1位を誇っている。
このように、同グループの強みは不動産の開発ではなく、不動産のマネジメント力だ。
ザイマックス・リートはスポンサーと協力し、以下の「3つの力」を利用して今後の成長を目指している。

@「見極め力によるポートフォリオの構築」。
今後のマーケットの動向と物件本来の価値をしっかり見極め、ポートフォリオを構築。
A「マネジメント力による内部成長」
スポンサーの不動産マネジメント力が国内有数であることを利用。
B「ソーシング力による外部成長」
多くの不動産売却や仲介の実績を持ち、不動産オーナーとも直に関係を持っていることが、優良物件を見つける「ソーシング力」につながっている。
同リートの投資方針は、オフィス、商業施設、ホテルをメインアセットとし、ポートフォリオの80%以上とする。その他アセットは20%以下としている。
オフィスに関しては、オフィス需要があるエリア(重点は東京都心8区、名古屋・大阪・福岡中心部)で、賃料の変動が小さいと思える物件を選んでいる。最寄り駅から概ね5分以内が目安だ。
全体的に現在のオフィス賃貸マーケット自体は下降傾向だが、スポンサーの運営力で同リートの物件は高稼働率を維持している。

また、スポンサーグループを通じて、多様な立地・用途での「不動産の使われ方」や企業のオフィス戦略の変化、不動産の調査・研究結果などの最新の情報を得ている。

一方、商業施設はマスターリースの1棟貸しテナントが6割強を占め、固定賃料による賃貸借契約がベースだ。
マスターリース物件のテナントは業績が好調なスーパーなどで、コロナ禍の影響はあまり受けなかった。
ホテルは、ビジネス客や外国人旅行者向けの宿泊特化型ホテルを選定し、「ホテルビスタ仙台」1棟を保有している。
コロナ禍の2020年11月から2021年8月までは、ダメージを受けていたホテルからの固定賃料をなしとしていた。しかし、2021年9月からは固定賃料を復活させた。2022年4月からは?流制限が緩和され、営業成績が回復してきている。
そして2022年3月に、同リートは上場後初めて公募増資を行った。3物件(取得価格合計76億円)を取得。
物件は、札幌市と東京都江東区のオフィスビルを各1棟と、江戸川区の住居(社員寮)1棟だ。

また、資産の入替えとして、福岡市の住居1棟を売却し、代わりに愛知県春日井市のスーパーの底地を購入した。
相手はどちらも日本都市ファンド投資法人なので、「交換した」という方が正しいかもしれない。
これらにより、同リートの資産規模は434億円に拡大した。保有物件の含み益は104.76億円ある(第9期末時点)。

格付けでは、2022年6月にR&Iから「A−(安定的)」が付与された。ESG関係では、2022年にGRESBの3スター/グリーンスターの評価を獲得した。
ザイマックス・リートはまだ小規模なJ-REITだが、総合型として各アセットのバランスを取っている。第10期、第11期の予想分配金は第9期よりも少し下がるようだが、他の小規模な総合型リートよりは変動幅が少ない。
今後も強みの「運用力」を発揮すれば、分配金の変動を小さく抑え、更なる成長が期待できそうだ。

ザイマックス・リート投資法人
予想分配金:2023年2月期(第10期)3,120円、2023年8月期(第11期)3,058円
保有物件数:18
取得価格合計:434億6,900万円(2022年8月31日現在)
世界有数の不動産投資顧問会社がスポンサー
物流系リートで中規模クラスのラサールロジポート
ラサールロジポート不動産投資法人は物流施設特化型リートだ。2016年に上場した。
物流施設特化型リートの場合、GLPと日本プロロジスリートが巨大で別格なので、ラサールロジポート不動産投資法人の取得価格合計3,578億円は中規模クラスだ。
スポンサーは、外資系の不動産投資顧問会社のラサール不動産投資顧問株式会社だ。

ラサールグループは、米国や欧州、アジア太平洋地域で不動産投資運用サービスを提供している。
同グループの親会社JLLはニューヨーク証券取引所に上場し、約230年の歴史を持つ総合不動産サービス会社だ(上場コード:JLL、時価総額:約136億米ドル、2021年12月末日時点)。
ラサールロジポート不動産投資法人は、ラサールグループが世界で行っている不動産投資に関するノウハウと、日本での物流施設の開発や投資による豊富な経験を活用している。
同リートの投資エリアは主に東京エリアと大阪エリアだ。全ポートフォリオの80%以上を目処としている。
なお、「東京エリア」はJR東京駅から60km圏内、「大阪エリア」はJR大阪駅から45km圏内のこと。

そのエリア内の「プライム・ロジスティクス」に重点投資をしている。「プライム・ロジスティクス」とは、物流適地にある大規模で高機能な物流施設のことだ。
物流適地とは、人口集積地へのアクセスに優れ、幹線道路に近く、物流施設が24時間稼働できる工業系用途地域でありながらも、従業員がアクセスしやすい場所のことだ。
また、大規模で高機能な物流施設であれば、テナントの物流効率化などに対応し、免震・耐震性能の向上等で災害時の安全性を確保することで、物流施設の安定稼働が期待できるからだ。
このように物件競争力のある優良な物流施設を中心に、ポートフォリオを構築している。

現在のポートフォリオでは、エリア別では東京エリア63.6%、大阪エリアで36.4%。延床面積では100,000平米以上が86.4%、同未満が13.6%。
築年数では、5年未満が15.2%、5年以上10年未満が49.6%、10年以上20年未満が17.9%、20年以上が17.3%だ。

テナントは分散されており、上位10テナントは全体の35.2%を占めるだけだ。

1口当たりの分配金は、第14期と第15期の予想では3,000円強と少し足踏み状態が続いているが、NAVは上がってきている。

格付けは、日本格付研究所(JCR)から AA(安定的)、日本格付研究所(JCR)からAAと高い。
ラサールロジポート投資法人
予想分配金:2023年2月期(第14期)3,080円、2023年8月期(第15期)3,068円
保有物件数:19
取得価格合計3,578億円(2022年12月31日現在)
なお、2月決算銘柄を買って分配金をもらうには、権利付き最終売買日である2月24日15時までに購入しておく必要がある。
最後に、投資は自己責任でお願いしたい。
健美家編集部(協力:
(のはらともみ))