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フィリピン失敗後、日本の戸建て投資へシフトし2018年にFIRE!5年後の今は?よっしーさん【後編】

不動産投資全般/投資家インタビュー ニュース

2023/08/23 配信

2010年にフィリピンで不動産投資をスタートした奈良県在住のよっしーさん。まずはフィリピン・プレビルド物件の落とし穴 1年半の工期延長で1戸損切 よっしーさん【前編】を紹介した。

その後、子どもが生まれたことで、よっしーさんは少ない元手で参入できる日本での戸建て投資にシフトしていた。

2018年、10戸目の戸建てを所有したことで、「元気なうちに子どもと全力で向き合いたい、今しかない!」と、よっしーさん44歳、子供が3歳と6歳のときにFIREする。

専業大家としては多いとはいえない戸数だが、よっしーさんには確信があったという。初期の投資段階で綿密なライフプランを試算し、指標とする世帯での年収1000万円超えを実現できたからだ。

後編では、大阪・奈良エリアに戸建て26戸を所有するよっしーさんがどのようにFIREしたのか。子どもと全力で向き合う現在の暮らしについても紹介する。

FIRE後によっしーさんと職人さんの2人で作業をした戸建て
(左)上がり框を追加して昇降を楽に(中)増築によりバーベキュー道具の収納ができる広々した玄関(右)ベージュとグリーンを混ぜて壁を塗装

世帯年収1000万円超で専業に
夫婦協業で収入の柱を2本立て続ける

前編で紹介したとおり、2010年にフィリピンでコンドミニアムを購入したよっしーさん。

その後は国内に目を向け、2013年に当時暮らしていた大阪で現金230万円のテラスハウスを買っていた。物件視察を行う大家のグループに参加し、目利き力を養った上での購入だった。

その頃、医療の専門技士として働いていたよっしーさんの仕事にも転機が訪れる。

「人の役に立ちたい」と考えていたよっしーさんにとってやりがいある仕事だったが、職場でのポジションが上がるにつれ重圧がかかり、さらには片道2時間の電車通勤で幼い子どもと向き合う時間がなくなってしまったのだ。

そこでFIREに向けて、よっしーさん自身が39歳の時「気力・体力が維持できている間に子どもと全力で向き合いたい」と、5~6年後を見据えた家族のライフプランを作成。

仕事に子育てと目まぐるしい毎日を過ごす中、世帯年収で1000万円超えを指標に、一棟物や太陽光発電など他には目をくれず戸建てに絞って買い進めていった。

その結果、2018年に戸建て10戸を所有し、予定よりも早く専業大家に。現在までに大阪・奈良で戸建て26戸を所有(2戸売却により26戸、フィリピンは含まず)、年間にして2000万円弱の家賃収入を得ている。

一時的に生活のコストを下げることにはなったが、子どもと全力で向き合うかけがえのない時間を作ることができたという。

2022年には教育環境を変えたいと奈良県に引っ越しをした。このとき元自宅は賃貸にし、土地70坪築29年の中古戸建てを購入。

自身の築古再生経験を活かして自宅をリノベーションし、最新設備も導入し暮らしている。自宅を土地値以下で買い、売却時に住宅ローンの残債が残らないよう新たな住まいの購入も工夫した。

では、どのように計画を立て、戸建て投資でFIREを実現したのか。

買う基準を明確にした

2戸目の購入後、Excelで子どもの入学、自宅購入、車の買い替えまで、ライフプランを詳細にシミュレーションしていった。

このために必要になってくるのは理想で利回り20~25%の物件。

実際は15%の購入でも良しとし、修繕は分離発注で行い、誰に頼んでよいか分からない細かな工事はDIYすることでコストを削減する。物件の特徴を生かして付加価値をつけて利回り20%以上にするといった基準を作った。

綿密にシミュレーションした結果、戸建て17~18戸あれば最低限の生活ができると考えた。

常に世帯年収で考えた

「資産形成に一番大事なことは、夫婦の協力です。常に世帯で2本の収入の柱を立て続けることを考えました。1本の収入の柱がなくなる前に、新たな収入の柱を作り、世帯年収で1000万円を維持することを指標としました」(よっしーさん)

よっしーさんの妻は、夫よりも早く子育てのため会社を退職していた。その後、好きで始めた物販の仕事を軌道に乗せ、世帯の新たな収入の柱にした。よっしーさん自身も医療の専門技士の仕事と併行して不動産を買い進めた。

結果シミュレーションよりもずっと早い、戸建て10戸を所有した時点で世帯年収1000万円を達成し、サラリーマンを辞めることができた。

確実性の高い投資だけを行う。購入経験のある戸建てに絞った

フィリピンでの区分マンションの購入経験はあったが、日本国内では区分や1棟物を買った経験はなかった。

試算の結果、確実性のあるものを数こなせば、5年後、6年後には最低限の生活はできると考え、購入経験のある戸建てに絞って投資を行った。

「戸建て1戸を買って月の家賃収入が6万円増えるといった地味な投資方法ですので、一棟物を買った、物件を売却したという人の話を聞いて心が揺らぐこともありました。そんなときは、計画通りに5~6年の時間をかけて戸建てを増やせば、確実にFIREできると自分を鼓舞し、戸建てを買っていきました」(よっしーさん)

残置物の多かった8戸目の戸建て。サラリーマン業と併行してDIYで解体

④4戸目の戸建て以降は、銀行融資を引いて購入(リフォーム費用を含む)

買う戸建ては200~400万円台とし、修繕費に200万円を想定。家賃は6万円~6万5000円、上手に付加価値をつければ家賃7万5000円を想定し、15年程度で融資を引いた(4戸目~12戸目までは5年間貯めた家賃も物件購入費に加えている)。借入をすることで、物件購入のスピードも上がった。

「築古戸建ての最大のリスクは高い修繕費にあるため、返済比率は20%以下としています」(よっしーさん)

実際に戸建て26戸の満室想定の年間家賃収入は2000万円弱ながら、事業融資総額は5900万円と借入は少ない。家族との生活を第一に考えるからこそ堅実な投資をしている。

ボルダリングの壁、ハンモックやブランコなど、遊びの詰まった戸建て。月13万円で借り手がついた
FIRE後によっしーっさんと職人さんで手掛けた遊び心の詰まった戸建て。ボルダリングの壁、ハンモックやブランコなどを設置。月13万円で借り手がついた
元から庭にあった石を活かしBBQ場に。レンガ造りのピザ窯も設置した
元から庭にあった石を活かしバーベキュー場に。レンガ造りのピザ窯も設置した
(左)住宅展示品で使われていた高級キッチンを使用 (右)素材に拘りキッチン背面に調理台を設置。職人さんに依頼するほどでもない工事はよっしーさんがDIYした
(左)住宅展示品で使われていた高級キッチンを使用
(右)素材にこだわりキッチン背面に調理台を設置。職人さんに依頼するほどでもない工事はよっしーさんがDIYした

不動産投資はアウトソーシングできる仕事
規模拡大に必要なのは人間性

FIRE 後も世帯年収1000万円~1500万円の間は、最低限の生活はできるが事業拡大には資金が心もとないといった状況は続いた。そうした忍耐の時期を乗り越え、現在は年間家賃収入だけで2000万円弱を得られるまでになった。

今後の目標については、5年以内に年間家賃収入7000万~8000万円を視野に購入計画を立てている。

「これまで戸建てに絞って買い進めてきましたが、今年は念願だったアパートや1棟マンションの購入に取り掛かります。今後は5倍規模くらいに事業規模を大きくしながら物件の入れ替えや、他業種などのビジネスチャンスも積極的につかみたいと思います」(よっしーさん)

そのために必要なこととして、

「人間性を磨くこと、相手の立場に立った行動だと考えます。不動産の仕事は江戸時代と変わらない構造で人が中心のアナログの世界。その中で賃貸経営は、仲介、売買、税務、融資と専門家と関わる仕事が多いため、良い人間関係を築くことと広い知識を持つように心がけています。

ちなみに、私は勝手にチームよっしーを作っています(笑)。また、お宝情報や最新情報などを教えて頂いた際には感謝とサプライズを忘れないようにしています」とよっしーさんは話す。

会社員として医療現場で働いていた頃のよっしーさんは、責任あるポジションでの重圧、子育て、地域の活動も重なり、必死の毎日を送っていたというが、早期FIREしたことで2人の子どもに毎日“いってらっしゃい”や“おかえり”が言える生活を手にでき、「充実した人生を送ることができている」と語る。

「コロナ前には家族で(当時3歳と6歳の女の子2人、妻、計4人で)スリランカに10日ほど滞在し、文化・食べ物・宗教など視察してきました。ガイドさんがワゴン車を運転してくれて、世界遺産見学、象に乗って観光、英語レッスンなど色々な体験ができ、家族の絆が深まりました。

他にも、フィリピンのセブシティーに1週間家族で語学留学した事も思い出深いです。現在49歳、気力・体力も充実し2人の子どもの育児と向き合える生活ができ、事業に関係する全ての方と妻に感謝しています」(よっしーさん)

(左)賃貸物件内で、娘にボルダリングを教えるよっしーさん。壁面に25mmの分厚い合板を使いボルダリングのホールドを設置した(右)室内にはブランコも設置

執筆:スドウミキ(すどうみき)

スドウミキ

■ 主な経歴

出版業界で20年勤務。不動産分野を専門とする雑誌での取材・編集をきっかけにサラリーマン大家の夫と出会い結婚。2022年宅地建物取引士の資格を取得。夫の勧めで法人を設立し、築古アパート1棟を購入する。1歳の子どもを持つ一児の母。

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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