任意売却物件。金運の上がる財布。

生まれて初めて、任意売却物件なるものを購入シタ。
今まで、２０回以上売買を体験しているが、これほど盛り上がらない決済も初めてだ。

近所の銀行の応接室を借りた決済。
お茶も水も出ない。
最後に入室すると、
メンバーはすでに揃っていた。
仲介業者二名、
司法書士の先生、
売主様、
売主様の別れた妻の父親。名義変更のため。
そして、売主様からピッタリと離れない屈強な男。
債権回収機構の人だ。
サッカーに例えると、マークされている状態。

重要事項説明は、三週間前に受けたので、今回は捺印と売買代金の授受のみ。

いつもの決済は、
物件の思ひ出話や、記念撮影など、
和気あいあいと儀式が進行するのだが、
今回は空気が重い。

土地１，１００万円＋建物１，７００万円。
売主様が２，８００万円のローンを組み、
５ＬＤＫの家を建てたのは約１５年前。
諸費用を入れると、トータルで３，０００万円だ。

儀式開始１５分後、
物件売買代金を売主様に手渡す。
１００万円の札束は新券で用意。
残り６６万円を緊張した様子で数える売主様。
その三分後には、
入金伝票を持った屈強な債権者と立ち上がり、
隣室の銀行員が待機している部屋に向かう。

司法書士の先生が気を遣って、
売主様の別れた...