• 完全無料の健美家の売却査定で、できるだけ速く・高く売却

×

  • 収益物件掲載募集
  • 不動産投資セミナー掲載募集

リフォームローンや補助金活用も。 築古物件のキャッシュフローを改善する3つの方法

岡元公夫さん_画像 岡元公夫さん 第160話 著者のプロフィールを見る

2023/12/6 掲載

最近、築年数の経っている中古物件を取得したはいいけれど、室内設備が古くなっていたり、間取りが今のニーズに合っていなかったりで、退去があっても従前の賃貸条件では空室が埋まらないという相談をよく受けます。

築20年から30年程経つと、原状回復だけでなく、抜本的なリフォーム・リノベーションが必要になってきます。

そこで今回は、私が実際に築古物件をリフォーム・リノベーションする時に実践していることについて紹介します。原状回復費用も値上がりしていますし、任せきりでなく、常に良い方法を考えていくことが大事だと思います。

■将来にわたり原状回復費用・修繕費をローコストにするには

原状回復をめぐるトラブルが多いことから、平成10年に当時の建設省は、「原状回復に関する費用負担等のルールに関するガイドライン」を公表しました。

その後も原状回復費用等の退去時のトラブルが減少しないため、国土交通省は平成23年に原状回復ガイドラインの一層の具体化を進めたほか、原状回復のためのルールを普及させるために手順を明確化させるなどの内容を取り入れ、ガイドラインを再改訂しました。

その結果、室内の損耗・毀損において、賃借人負担となる要件は狭まっています。そこで私は、リノベーションをするときに次回以降の入退去時に原状回復コストが低くて済むような建材や設備を採用するようにしています。

例えば、畳部屋をフローリングの洋室に改修するときに無垢のパイン材を好んで使います。パイン材を使う理由としては、素朴でヴィンテージ感があり、築古物件の室内とよく合うからです。

傷ができたり、経年変化で独特の濃い色に変わったりしたとしても、それはそれで趣が出て、いい感じになります。なまじ高級で、きっちりしたフローリングにすると、違和感があったりします。

そしてパイン材を使用する最大の特徴は、材質が柔らかいことです。入居者さんの室内の使い方によっては汚れが付きます。そのような場合は自分でサンダーをかけることでキレイにすることが可能です。高度な職人技はいらず、誰でも簡単に汚れを取れます。

下記は、その作業途中の写真です。汚れた床も簡単な作業で新品同様になります。

ほかに、シングル向け物件ではキッチン交換時にコンロを卓上型のIHコンロにするなどの工夫をしています。これなら、汚れたり壊れたりしても交換時に工賃がいらず、買い替え費用も安めです。

■リフォームローンの活用

リフォーム・リノベをしたくても、それに充てる資金が無いという方もいるでしょう。

私がよく利用しているのは、ノンバンクのリフォームローンです。期間は15年で金利は固定で2%台(長期金利が上がっているので、最新のレートは3%台になっているかもしれません)、金額によっては無担保です。

室内設備の老朽化が原因で、それまで安く貸していた部屋ならば、リフォーム・リノベをすることで上場した家賃分が、ローンの返済額を上回るということもあります。

私の使っているローンは、大家自身が申しこむのではなくノンバンクの提携加盟店の工務店・リフォーム会社等を経由して申し込むものです。懇意のリフォーム業者さんがこれに提携していなかったので、社長にアドバイスして提携してもらったことがあります。

■補助金の活用

国や地方公共団体が、築古物件のリフォームに対し補助金を出しています。もちろん税金が原資の補助金を出すからには、無条件というわけではありません。しかし、中には利用しやすいものもあります。

例えば国土交通省が管轄している「子育て支援型共同住宅推進事業」。これは、子どもの事故防止や防犯対策を考慮した賃貸住宅の改修などの対象となる工事に対し 、1/3の金額(最大100万円)を補助するというものです。

その代わり、募集開始から3ヶ月間は子育て世帯に限定して入居者募集を行うことや住戸の専有部分が床面積40㎡以上であること、新耐震基準に適合(1981年6月1日以降で建築確認を受けている)している建物などの条件がつきます。

ほかに、国の制度として良質な住宅ストックの形成や、子育てしやすい生活環境の整備等を図るため、既存住宅の長寿命化や省エネ化等に資する性能向上リフォームや子育て世帯向け改修に対する支援を行う「長期住宅化リフォーム推進事業」もあります。

それ以外にも、各都道府県や区市町村が設けている様々な制度が存在しますので、自分の物件が対象になるかネット等で調べてみると良いでしょう。

このように、自分なりの工夫や資金調達、補助金の活用によって、築古物件のキャッシュフローを改善していくことができます。どれもサラリーマン大家さんでもできることです。それぞれの物件の特性や自分の属性を勘案し、創意工夫して、キャッシュフローの向上に努めていきましょう。

無料会員登録

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

アクセスランキング

  • 今日
  • 週間
  • 月間

プロフィール

岡元公夫さん

岡元公夫さんおかもときみお

亡き父と2代続けての元メガバンカー。
銀行員時代は、東証一部上場の大手不動産会社から個人の大家さんまで、融資主体に幅広く担当。
実家は祖父の代からの小規模ながらの大家さん。

プロフィールの詳細を見る

経歴
  • □2004年
    実家の跡を継ぎ、東京城北エリアでマンション・アパート・戸建を取得開始。

    □2008年2月
    不動産賃貸業の修行の為、不動産開発・運営会社に転職し、プロパティマネジメントの責任者となる。

    □2009年10月
    不動産収入が年間6千万円ほどになり、デッドクロスもクリアできる目途がついたことから、サラリーマンを卒業。

    □2011年
    東京エステートバンク株式会社(東京房屋®)を設立。国内・台湾・中国の投資家・会社経営者の方にコンサルティングを行っている。
不動産投資歴
  • □築44年RCマンション
    1LDK×4戸、2K×8戸

    □築28年RCマンション
    1R×10戸

    □築21年鉄骨マンション
    2LDK×6戸、2DK×6戸

    □築14年木造アパート
    1R×5戸、2DK×2戸

    □登記上築60年 木造戸建(実態は新築同様)
    2LDK×1戸

    □木造戸建てリノベシェアハウス
    2棟×10室

    □区分所有マンション
    2LDK×1戸

    □駐車場12台
    バイクガレージ26台

    □再開発予定木造戸建
    3棟
保有資格

宅地建物取引主任者
ファイナンシャルプランナー
その他生損保等金融関連諸々
税理士試験科目合格
(簿・財・相・固)

閉じる

ページの
トップへ