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2棟目の築古RCで裁判に発展した原状回復トラブル。オーナーチェンジ物件特有のリスクに注意!

豊橋大家ゆうちゃんさん_画像 豊橋大家ゆうちゃんさん 第3話 著者のプロフィールを見る

2024/3/17 掲載

こんにちは♪ 豊橋大家ゆうちゃんです!
3月は人事異動のシーズンですね。融資は担当者次第のところがありますので、金融機関のその動向はとても気になっています。

実際、この春私のメインバンクのやり手の支店長が異動になってしまいますが、今後もゴルフを通じて末永くお付き合いさせていただく予定です。やり手の方は将来その金融機関を背負う人物になっていくので、ご縁は大切にしていきたいところですね。

■2棟目に買った築古RC、購入までは順調だったものの…

さて、今回は2棟目に購入した築古RC物件で起きた入居者とのトラブルの話です。なんと裁判になってしまいました。購入した物件は以下のようなスペックでした。

都市部主要駅徒歩10分程度
購入年:2011年
購入価格:52,000,000円
返済期間20年
借入先:農協
金利:1%後半
構造:RC(3DK×9戸) 土地330㎡
築年数:1976年築旧耐震
表面利回り:12.8%
空室3/9部屋

当時はまだ大家としての経験値が少なかったこともあり、私はリスクヘッジの意味で、以下の内容を購入する物件の条件にしていました。

①現状の賃料でも返済可能であること
②立地の良い駅近の物件であること
③ファミリー物件であること

「築古」については、たけちゃんを含めて築古の先輩方が周りにいたのでその点の不安はありませんでした。そして、この物件は上記の条件にあてはまっていました。

そこで買付を入れ、融資も無事に引くことができ、購入時に3室空いていた部屋は2ヶ月も経たないうちに、満室になりました。
ところが、その先に予期せぬ試練が待ち構えていたのです・・・。

■ オーナーチェンジ直後の数々の痛い出費

まず、満室達成後、すぐに管理会社から「購入された物件の〇〇号室の方から3箇所修繕依頼がありました」と連絡が・・・。

その翌日には、「ネットの募集条件を見たら、私の部屋より綺麗で家賃が安いから下げて欲しい」との連絡も入りました。そしてその後も、次から次へと修繕依頼と家賃値下げ交渉の連絡が入るではありませんか。

どうやら、購入した物件は入居者同士の交流が活発で、新オーナーになったタイミングで前オーナーに聞き入れてもらえなかった要望を入居者が一致団結して訴える流れになったようでした。

交渉力もなかった当時の私は、入居者の要望を全面的に受け入れることになりました。毎月賃料が入るたびに1部屋づつ修繕して、家賃まで下げることに…( ノД`)シクシク…

これは、オーナーチェンジ後の「大家業あるある」です。空きの多い物件を買われる方は、既存入居者の対応についても管理会社とよく話し合っておくといいように思います!

■ 入居者と原状回復費用をめぐって裁判に!

さて、これらの試練がようやく落ち着いてきた頃、事件が起きます。
「退去した○○号室がひどい状況になっています」と管理会社からの連絡が入ったのです。

小型犬1匹可という物件にもかかわらず、猫を複数飼っていたようです。キッチン、柱、襖、建具など傷だらけで、たばこのヤニも酷い状況。原状回復費用が高額になる可能性高いことは明白でした。

それを聞いて頭に血が上った私は、すぐに入居者に連絡を取り、「ペットによる破汚損、たばこのヤニは故意過失によるものなので原状回復費用を全額支払ってほしい」と伝えました。

すると、入居者は「ただ普通に生活していただけですよ。そんなもの払えません。むしろ、敷金全額返してください」と言ってくるではありませんか。

頭に血が上った私は、「訴えてやる」と裁判をすることを決めました!

ただ、超忙しいサラリーマン大家でしたので、裁判を長期間やる体力も時間もありません。そのため、60万円以下の金銭の支払いという制限がつきますが、1回の審理で紛争を解決できる少額訴訟手続きを選択することしました。

できるだけ時間とお金は節約したかったので、私の居住地の簡易裁判所で弁護士を通さず、本人訴訟をすることにしました。

ところが、ここで私の無知が原因で、思いもかけない事態に発展してしまいます(;’∀’)

■ 遠方の裁判所に移送後、通常(民事)訴訟に発展!

少額訴訟は、前提として「相手方である被告がそれに異議を言わない場合に審理が進められる」ものです。逆に言うと、相手方がこの手続きに反対するとそうはいかないということになります。

それを知らなかった私は、その後、裁判所から届いた「被告が異議を唱えたので、通常(民事)訴訟に移行し、審理は被告の管轄裁判所(私の居住地から100㎞ほど離れている)で行う」という通知を見て、青ざめました。

今でこそ、令和5年に民事訴訟法が一部改正され、WEBや電話会議を利用することができるようになりましたが、当時は、出廷要請があれば、平日に仕事を少し抜けて遠方の裁判所まで行く必要がありました。

しかも、少額訴訟とは異なり、1回で判決が出るとは限りません。時間を取られることが予想されましたが、「ここまで来たら引き返せない」という意地だけで、裁判に向けて準備を進めました。

■ 入居者との攻防によりメンタルが疲弊

裁判のやり方を簡単に説明します。
まず、原告(私)が訴えを記載した「訴状」を提出し、それに対して被告が反論を記載した「答弁書」を提出します。

その後、原告の再反論を記載した準備書面を提出し、さらに被告が原告の準備書面に対する再々反論を記載した準備書面を提出するといった具合に続きます。

相手も素人だと油断していた私は、私の訴状に対する被告の答弁書を見て血の気が引きました。相手からの反訴の仕方がなんだかプロっぽい緻密な言い回しなのです。調べると、被告のバックには司法書士がついている事が判明しました。

それでも諦めるわけにはいきません。私は被告の緻密な答弁書の主張に対する準備書面や陳述書を、夜な夜な何日もかけてネットや本で調べて作成しました。それを提出すると、さらに緻密な答弁書が被告から届くという繰り返し(;’∀’)

この頃の私は裁判のことで頭がいっぱいで「相手をいかにして言い負かすか」ばかり考えていました。そのようなマインドで日々を過ごすと、些細なことで怒りっぽくなったり、他事を考えてミスが多くなったりと、心に余裕がない状態になります。

そのような状態が10ヶ月続き、ようやく第1回口頭弁論の日を迎えることになりました。

■ ついに裁判所で入居者と対面。裁判官の判決は・・・

緊張しながら遠方の裁判所に1人で出向くと、そこににはぽつんと座る被告人の姿がありました。初めて会う被告人の印象は、想像とは真逆の「大人しそう」な雰囲気で、法廷では目も合わせません。

また、裁判所もテレビで見る裁判所のイメージと違い、少数しか入れないこじんまりとした会議室のような雰囲気でした。

イメージ画像です

そして、1人の裁判官が入廷。裁判官は双方が提出した訴状(あるいは答弁書)について、「陳述しますね」と言うので「はい」と答えました。

いよいよ裁判が始まると思いきや、早々に裁判官から「和解する気はありますか?」との質問がありました。一瞬どうするか考えましたが、心身ともに疲弊していた私は、早く終わらせたい一心で、「和解します」と答えました。

すると、被告も少し間をおいてから「原告がそういうなら・・・」と言います。その後、原告(私)と被告は別々の部屋で和解の内容(負担する金額)について裁判官を通じて話し合いを行いました。

その結果、不本意ですが、敷金264,000円のうち164,000円のみ原状回復費用に充てて、それ以外は返金するということで和解が成立しました。

実際にかかった費用は破損したキッチン、洗面、建具ほぼ全交換、大工工事、内装工事併せて980,050円となり、敷金の一部を充てても-816,050円という結果に終わりました( ノД`)シクシク…

裁判は10カ月にも及び、私は疲れ果ててしまいました。もちろん、その間物件は1つも買えていません。

■ 裁判後の結末とこれらの経験から得た教訓

その後、3ヶ月位経った頃、管理会社から「裁判をした部屋、若者夫婦からの申し込みが入りました」との連絡が。それを受けて、「色々あったけどようやく終わったか」ととても灌漑深い気持ちになりました。

ところがそれも束の間、再度、管理会社から連絡があり、今度は「申込してくれた夫婦から、借りる予定の部屋が事故物件サイトに載っているのでキャンセルしたいと連絡がありました」と言います。

そんなはずはないと思い、サイトを確認するとうちの物件で炎が上がっていました!驚いて管理会社や近隣に聞き込みをしましたが、そんな事実は一切ないとのこと。

「まさか」と裁判のことを思い浮かべますが、証拠はありません。事故物件サイトに問い合わせ&削除依頼をしたのですが、「うちでは削除しない方針です」の一点張りです。

一時期はどうなるかと思いましたが、最終的にはネットの風評対策をしてくれる業者に依頼して消すことができました(;’∀’)

この裁判が終わってからは、「無駄な時間を過ごしてしまった」と思いましたが、以下の2つの教訓を得られたので、長い大家人生を考えると経験できて良かったと思ってます。

1、「トラブル」の損切はできる限り早くする
2、相手に過失があっても自分が全面的に勝とうとしない

大家業をやっているとトラブルは沢山あります。そして、トラブルが長く続くと気持ちも運気も下がります。そのため、多少自分が損をしても、とにかく早く解決した方が結果、早く良い方向に向かうことができると思います。

また、勝ち負けを競った場合、負けた人は良い気持ちはしませんし、恨みを買うかもしれません。どう考えても相手が悪いという状況でも、“あえて負けてあげる心”を持つことも人生がうまくいく秘訣のように思いました。

■4月13日(土)の富山セミナーのお知らせ

最後にお知らせです。4月13日(土)15:00から、富山でセミナーを行います。新築投資を得意とする波乗りニーノさんと、築古が得意が私(豊橋大家ゆうちゃん)のWセミナーです。

復興支援のチャリティーも兼ねています。少しでも被災された方のお役に立てればと思いますので、よろしくお願いします。

☆詳細・お申込み⇒コチラ

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※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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プロフィール

豊橋大家ゆうちゃん

豊橋大家ゆうちゃんとよはしおおやゆうちゃん

不動産賃貸業
愛知県豊橋市在住
妻と子ども2人の4人家族

不動産賃貸業
リフォーム業
宅建士

プロフィールの詳細を見る

経歴
  • ■1977年
    名古屋市に誕生する
    小学校、中学校、高校ともたけちゃんと同じ学校
    大学在学中サーフィンに出会う

    ■2007年
    たけちゃんを参考に不動産投資を始める

    ■2018年
    会社員を卒業

    【趣味】
    サーフィン、ゴルフ、キックボクシング
不動産投資歴
  • 2007年に区分からスタート、その後、東海エリアの土地路線価以下築古再生事業をメインに規模を拡大中

    【所有不動産】
    23棟304部屋
    <内訳>
    RC7棟(166部屋)
    鉄骨アパート4棟(47部屋)
    軽鉄・木造アパート11棟(85部屋)
    戸建て4棟(5室)、倉庫1
    その他太陽光・駐車場等

    【売却した不動産】
    合計90室
    <内訳>
    RC4棟(55室)
    軽鉄1棟(20室)
    木造1棟(10室)
    戸建て3棟
    区分2戸

    【2023年現在の投資状況】
    総投資額:15億1,500万円
    年間売上:1億9,600万円(満室時)
    返済比率:36.9%(満室時)

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