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【競売事例】新宿まで約30分、立地OK!都内のおしゃれな一棟テラスハウス!

収益物件購入・売却/競売 ニュース

2023/10/04 配信

定期的に競売セミナーを開催し、日々、競売の相談を受けているドクターKである。競売で公開されていた一棟テラスハウスの競売事例をご紹介する。

今回、紹介する物件は都内のおしゃれな一棟テラスハウスである。裁判所から公開された資料では築年数20年の木造2階建てである。

この物件の特徴は、建物の外観が非常におしゃれであること。外壁の色は、白とクリーム色のツートンカラーであり、屋根が内側に向けて傾いており、非常にインパクトがある。戸数は2戸である。それぞれの間取りは2LKであり、比較的に広く、ファミリー向けの賃貸である。

もう一つの特徴は立地である。所在地は都内にあり、最寄りの駅から新宿まで約30分で移動することができる。都内近辺の通勤は問題ないだろう。

今回、建物がおしゃれであり、立地も良いことから、賃借人が退去しても募集には苦労しないだろう。このような物件も公開されていることをご参考に頂き、競売物件の入札をご検討頂けたらと思う。

1.物件概要
(1) 所在地
物件がある市町村は都内の西側にあり、人口約9万人が住んでいる市町村である。特徴は、1970年代以降、ニュータウンなどの大規模住宅開発や沿線開発が進み、人口が急増した地域である。

特産品はナシやブドウが有名である。また、市内にはスポーツ施設も多く、Jリーグのホームタウンでもあり、多くの試合が行われている。観光では遊園地があり、休日には多くの子供連れの家族で賑わっている。住むだけでなく、観光やレジャーなども楽しめる地域である。

(2) 物件概要
物件は、土地が144平米であり、床面積が116平米である。築20年、2階建ての一棟テラスハウスである。外観は白とクリーム色のツートンカラーであり、屋根が内側に向けて斜めであり、非常にインパクトがある。また、テラスハウスであるため、エントランスや庭などの共用スペースは世帯ごとに分かれている。駐車場のスペースはない。

この物件の近辺状況は、住宅街であり、最寄りの駅まで徒歩15分を要する。

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(建物外観 白とクリーム色のツートンカラーのおしゃれなテラスハウス)

(3) 間取り、室内
間取りは以下の通りである。2戸に分かれており、1階は、キッチン、リビング、水回りがあり、リビングとキッチンの窓側が南側なので日が入りやすく、日当たりは良い。2階は洋室が2つあり、それぞれの部屋に収納スペースがある。ベランダが広く、多くの洗濯物が干せるだろう。

(間取り 各部屋は2LKであり、ファミリー向けである)
(間取り 各部屋は2LKであり、ファミリー向けである)

以下、室内の写真である。裁判所から公開された資料には室内の写真が2枚のみ掲載され、リビングと浴室であった。リビングは窓が大きく、日当たりが良い。浴室は綺麗であり、清潔感がある。落札後、リフォームや修繕の費用はかからないだろう。

(室内 リビングと浴室の写真である)
(室内 リビングと浴室の写真である)

2.物件詳細
(1) 賃貸契約の内容
裁判所の公開資料には賃貸契約の内容が記載されている。以下、その賃料であり、各戸の賃料は11万円と7万円である。この間取りの広さで、立地も考慮すると、7万円はかなり安く、敷金もない。安い理由は、次章の「関係者のコメント」に記載があるので、ご参考頂きたい。

(賃貸状況 賃料は11万円と7万円である)
(賃貸状況 賃料は11万円と7万円である)

(2) 関係者のコメント
裁判所の公開資料には、通常、債務者、賃借人の関係者のコメントが記載されている。入札時点では、物件の部屋の中まで立ち入ることができないため、公開された写真や住んでいる方々からのコメントを参考に物件の状況を確認する必要がある。

前の章では安い賃料の7万円があり、その理由は、過去、大家(債務者)と賃借人は雇用関係があり、社宅として利用していたため、家賃が安かった。今後、落札することができれば、雇用関係がないため、賃料の見直しの相談は可能だろう。

(関係人の陳述等 しっかりと確認しましょう)
(関係人の陳述等 しっかりと確認しましょう)

(3) 執行官のコメント
裁判所の公開資料には、通常、債務者などの関係者のコメント以外に、裁判所の執行官のコメントも記載されている。執行官とは、競売などの裁判を進め、書類作成などを行う。

執行官は競売物件を確認した際、自らの意見も記載されているため、必ず確認しましょう。但し、今回は、特に重要なコメントはなかった。

(執行官のコメント 今回、特に重要なコメントはない)
(執行官のコメント 今回、特に重要なコメントはない)

(4) 物件評価の金額
裁判所から依頼された不動産鑑定士による競売の基準価格は以下である。

25,700,000円

上記の金額は、裁判所から依頼された不動産鑑定士によって、査定される。この金額は、一般流通市場の価格よりも安く設定される。理由は、この金額が一般流通市場よりも高いと誰も入札せず、競売自体が成り立たないためである。

3.落札結果
(1) 落札結果
落札金額は以下である。入札件数は8件であり、法人が落札していた。

33,090,000円

(2) 利回り
以下、利回りを計算する。賃料について、7万円の格安の賃料があるが、落札後、賃料の相談は可能だと判断し、他部屋の賃料と同一にする。そのため、満室時の賃料は11万円×2戸=22万円と仮置きし、利回りを計算する。

<満室時の想定利回り>
落札金額 33,090,000円
月額家賃収入 220,000円
諸費用 1,200,000円(登録免許税や不動産取得税などの概算金額)
表面利回り 7.6%

4.最後に
本物件に関して、立地が良く、建物もおしゃれであり、利回りは高くないが、安定収入が見込める物件である。利回りに関して、評価するのは難しいが、落札した法人が転売するなら、おそらく、利回り6%ぐらいで売却するだろう。

利回り6%だと販売価格は約4400万円となり、落札した金額、諸費用を差し引くと、約1000万円の利益が見込めるだろう。
今回は紹介した物件は、利回りが低いかもしれないが、立地がよく、建物がおしゃれなので、安定した収入が見込めるだろう。

通常、競売物件だと、築古でリフォームや募集が大変だというイメージがあるかもしれないが、今回、紹介した物件は異なる。このような物件もあることをご理解頂き、ご参考頂ければと思う。

執筆:ドクターK

ドクターK

■ 主な経歴

「株式会社ココス」所属。競売コンサルタント。
年に数十回の入札を行い、数件落札。競売をやりたい初心者向けに毎月競売セミナーを開催し、競売のノウハウを伝授。
執筆活動も行い、著書「はじめての競売」に一部寄稿。

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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