大阪府在住で医療職に従事し、勤続25年となるAYANOさん。仕事は安定し、コツコツ貯金をしてきたが、不妊治療で貯めていたお金を大きく切り崩すことに。苦労して授かった子供は今や中学生となり、「医者になりたい」と夢を語るまでに成長した。
潤沢な教育資金を確保するために50歳を目前に、不動産投資を始めることに。そんなAYANOさんの不動産投資体験談を紹介する。
15年前から投資信託やFXなどに投資をして学んだこと
これまでFXや投資信託に投資をし、投資歴15年のAYANOさん。その経験から学んだことは「投資は寝かせて増やす」は正解だということだ。
「今でこそ新NISAが追い風となり、投資信託が話題ですが、15年程前に当時ブームになってきた勝間和代さんのお金の本を読み、『投資は寝かせて増やす』ことが大事であり、そのためには投資信託がおすすめであると学びました。
本には購入したらほったらかしでよい、おすすめの銘柄などが書かれており、その通りに購入したら、現時点で元金の4倍を超え、5倍に迫る勢いで増えています」
ほかにFXに投資をしたこともあるが、1日の振り幅が大きく、忙しいAYANOさんには不向きだった。
そもそも投資に興味を持ったきっかけは?
「実家の相続を控えており、親世代が相続でひと悶着あったのを見て、揉めないためには自分自身がお金に困らないことが大事だと感じていました。また医療職に従事するなかで、急な病気やケガで働けなくなるリスクが誰にでもあり収益不動産や株など資産を持つ必要があると感じたためです」
病気になれば保険金や障害年金など利用できるお金の制度はあるが、それだけでは生活できないと仕事を通じて痛感していた。
また中学生になる子供は、医療職に従事するAYANOさんの姿や、家族が手術をして、リハビリで回復していく様子を見るうちに、「医者になりたい」と話すように。医学部に進学すれば、想定より多くの学費がかかることになり、漠然とお金の不安を感じるようになった。
そんななか子育て系のメールマガジを読むなかで、不動産投資をしているママ大家さんの話を目にし、不動産投資に興味を抱く。
「不動産投資の勉強を始めたのが2022年で、コロナの影響や大阪在住であることもあり、オンラインでセミナーや勉強会に参加しました。同じ医療職で、育児中で、不動産投資をしている女性大家さんの話を聞き、親近感を持ち、やってみようと思うようになりました」
夫に頼らず、自己資金を極力使わず、資産性の高い物件を買う
エリアは大阪でも自宅から通いやすい範囲を中心にネットで物件を検索。目ぼしい物件を見つけては現地調査へ。物件探しから購入に至るまでの1年間で検索だけでは数百件、足を運んだのは20件を超える。
「当初は戸建より区分マンションのほうが、資産性を考えるといいかと思ったのですが、次の物件にステップアップするときに、戸建のほうが、たとえ古くて建物の価値がなくても、土地で資産性を担保できると考えるようになりました」
なかなか希望エリアで条件にあう物件がないなか、仲良くなった業者さんから電話で個別に勧められたのが、写真の物件だ。
「大阪の豊中市でも高級住宅地として人気の場所で築50年台の戸建が売りに出たと連絡がきました。相続の関係で売り急いでいて、路線価による土地値1050万のところ、交渉により700万で買えることに。
状態がよく、リフォームは100万位内ですみそうでした。この物件を購入後、物件を担保に次の物件を購入したり、更地にしてアパートを新築したりすることも視野に入れて購入しました」
ネックになったのは融資先だ。耐用年数を超えた戸建は、価値が低いと銀行でみなされる。
「信金さんでは不動産投資が初めての人には貸せないと言われ、夫に頼むことは考えておらず、今後の教育費の確保を考えると自己資金を極力使いたくないと考えていました」
銀行を回るなかで築古戸建でも「立地がよいことから融資が可能だ」と返事をくれた金融機関Mにたどり着く。融資額は600万、期間15年で、金利は3.9%で融資を受けることに。
相場家賃は7.5万。購入額700万+リフォーム費用100万とすると利回りは12.8%。金利3.9%を差し引いても利回り9%となる。金利が高いが、それを差し引いても9%なら悪くないと判断した。
購入後はリフォーム業者から見積もりを取り、賃貸住宅のリフォームに慣れているリフォーム業者に依頼した。
不動産投資は、属性や境遇が似ている人の体験談が参考に!
ファミリーニーズが高く、「ペット可」にすればすぐに入居者が決まると思っていたがなかなか決まらなかった。
「購入してすぐに家賃が入ってこないことは痛手です。1戸目はオーナーチェンジにすればよかったかなという思いもあります(笑)」
今後の投資戦略は?
「投資信託は寝かしておけば大丈夫と自信がついたので、新NISAも活用して継続し、保有します。今回、土地値で1050万のところ、融資を受けたのが600万で、残り450万、共同担保を設定できることが分かっているので、この物件を共同担保にして次は中古アパートを買いたいと思っています」
大阪ではAYANOさんの条件を満たす物件が少ないことから、土地が安く、高い利回りが見込め、実家があり土地勘がある東海エリアで中古アパートを探そうと考えている。今回購入した戸建は、子供の教育費が足りなくなれば、短期譲渡が外れる5年後以降、売却して教育費にしてもいいと思っている。
「これから不動産投資を始める人にとっては、物件を売りたい側の不動産業者の話よりも、自分と属性や環境が似ている人の話がリアルで役立つはずです」
長い投資経験を活かして始めた不動産投資。想定通りにいかないこともあったが、実際に同じ医療職で大家業をしている不動産投資の先輩の話が大きな信頼と励みになった。