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2024年の不動産市場,投資家はどう動くべき? 不動産コンサルタント長嶋修氏と考える

不動産投資全般/市況 ニュース

2024/01/14 配信

2023年の不動産投資を振り返り、「漢字1文字で表すと?」との問いに、「高」との回答が最も多く挙げられるほど(出典:健美家アンケート)物件価格も建築費も高いと嘆く声が多い。

ちなみに2024年の干支は「辰」で、相場格言に辰は「天井」との言葉がある。いよいよ価格高騰も高止まりの「天井」となるのか? そこで長年不動産市場を見続けてきた不動産コンサルタントで個人向け不動産コンサルティング会社・さくら事務所会長の長嶋修氏を取材し、不動産投資家はどこに着目し、どう動くべきか聞いた。

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写真はイメージ

不動産は三極化。不動産投資に何を求めるかで動き方が変わる

2013年以降、この10年に渡り、不動産市場は長らく物件価格が上がる「上昇トレンド」にあった。

「民主党から自民党に政権交代し、アベノミクスや『黒田バズーカ』と呼ばれた異次元の金融緩和政策などの影響で、低金利も相まって不動産価格は上昇してきました。不動産投資家の方にとって悩みどころは、今は物件を買うには価格が高すぎることでしょう」

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2013年を起点に、不動産価格が上がり続けていることがわかる。特にマンション(区分所有)の高騰が顕著(出典:国土交通省)

今後、日本銀行の政策変更で、金利が急激に上がれば、融資にも変化が見られるだろう。しかし植田総裁の発表をみると、当面、金利は大きく上がらないようだ。

「注目すべきは今年の春闘で、どれぐらい賃金上昇が見込まれるかです。結果次第では、金利上昇の動きがみられるかもしれません。金利が上がれば、不動産価格が下がることが考えられます」

もう1つ不動産市場で予測されることは不動産の三極化がますます浮き彫りになっていくことである。

「不動産価格は、日経株価に連動し、もう一段、上昇する余地があります。しかしそれは上位15%ほどの都心・駅前・駅近など好条件の不動産に限った話です。こうした不動産に投資をする場合、目先の収益を上げるより、資産を増やす目的であればよいでしょう」

上位の不動産は価格が高く、「収益性を上げたい」「現金を増やしたい」といった目的で買うには適さない。では収益を上げる目的では、どこに目を付けるといいのか?

「上位の不動産ではなく、掘りだしものの不動産を狙うことになります。不動産が面白いのは、中古であればあるほど投資家の手腕で再生し、収益を上げられる可能性があることです。そのためには物件を見極める目と再生能力が必要です」

長嶋氏が見てきた、成功している大家さんは、建物に詳しく、なるべく少ないコストで修繕し、なるべく多くの賃料がもらえる工夫をしているそうだ。

「建物の知識は『一生モノ』で、一度身に付ければ、その後も役立ちます。一生通じて勉強していくことが大切です。今後、遠くない将来に、経済や金融の仕組みの再構築が必要となる『金融リセット』が起こると考えています。しかし、しばらくすれば、また元に戻ってくるはずです。株であれば中長期的な視点で成長性がある銘柄を検討するでしょうが、不動産も同様に、上がっていく可能性のあるものを買うことが重要です」

三極化するなかで7割の不動産は「小吉」。下位2割は「凶」

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三極化する土地の内訳(出所:さくら事務所)

人口が減り続ける2050年頃までには、7割程度の大半の不動産は、長期的にみればなだらかに下落を続けていくことが予想される。なかでも下位2割程度の不動産を所有している場合は、2024年以降、なるべく早く手放すべきであり、取得するのは避けるべきだという。

「これから30年ぐらいかけて人口が減っていきます。しかし、言い換えれば日本の人口が1億2000万人から9000万人に減るだけで、9000万人がまだ残っています。余程、悪い場所で買わなければ、問題ないでしょう。

ただし注意したいのは、相場よりも高値で購入することです。不動産投資家の場合、ここ10年ぐらいでプレーヤー増え、知識がない人ほど高値で買ってしまうケースがあります」

不動産はリーマンショックや東日本大震災などのタイミングで一時的に下落傾向になることもある。言い換えれば、そのタイミングで、安く購入できるチャンスがある。

「今購入できなくても、勉強をしながら、下がったときに、買う準備をしておくこと。今も、いい不動産を買える確率が下がっただけで購入できる可能性はゼロではありません。

またリーマンショックのようなダウントレンドがくれば積極的に買うのもいいでしょう。今、どのような状況なのか理解しておくことです」

2024年の注目は「省エネ性能の表示開始」

上記のほかに今年、注目すべきは4月から賃貸住宅でも家電と同様に、省エネ性能が★の数や数値で、大手仲介サイトなどで表示されるようになることだ。

「ドイツでは何十年も前から賃貸でも売買でも不動産の広告を出す際に1年間の電力消費料を表示しなければならず、国民の省エネ意識は高いものです。

日本でも賃貸住宅を選ぶ際に、『管理費』と同じように、光熱費が別途、どれくらいかかるのか認識するようになるかもしれません。そうなっていくと、物件選びにも変化が生じていく可能性があるでしょう」

不動産業界では、マンションの老朽化や管理の問題が注目されている。

「管理を外部委託する『第三者管理』のような制度は今後、ものすごく広がっていくと考えています。湾岸エリアのタワーマンションなど富裕層や高所得者が多いマンションでは入居者が忙しいため、お金を払ってでも外部委託したいと考えるケースは多く、ますます増えていくでしょう」

物価が上がり、お金の価値が下がる「インフレ時代」には、現金を持っていても増えないため、「どうしたら増やせるのかを、不動産投資に限らず検討すべき」と長嶋氏。1月から新NISAがスタートするが、不動産投資と合わせてそのほかの投資の可能性についても考えていきたい。

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不動産コンサルタント 長嶋修氏。業界初の個人向けコンサルティング会社、ホームインスペクションなどを手掛けるさくら事務所の創業者で、会長を務める。
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長嶋氏の近著『バブル再び 日経平均株価が4万円を超える日 (小学館新書)』、好評発売中。こちらもぜひ参考にしていただきたい。

健美家編集部(協力:高橋洋子(たかはしようこ))

高橋洋子

https://yo-coo.wixsite.com/home

■ 主な経歴

暮らしのジャーナリスト。ファイナンシャルプランナー。
大学卒業後、情報誌などの編集を経てライターに。価値0円と査定された空き家をリノベーションし、安くマイホームを購入した経験から、おトクなマネー情報の研究に目覚め、FP資格を取得。住宅、マネー関連の執筆活動を行う。

■ 主な著書

  • 『家を買う前に考えたい! リノベーション』(すばる舎)
  • 『100万円からの空き家投資術』(WAVE出版)
  • 『最新保険業界の動向とカラクリがよ~くわかる本』(秀和システム)など

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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