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空室のモグラ叩きに打ち勝て!!不動産賃貸業は「あらゆるロスを減らすゲーム」

極東の船長さん_画像 極東の船長さん 第184話 著者のプロフィールを見る

2024/3/28 掲載

本州では桜が咲いている季節ですが、北海道ではまだ雪が残っています。
桜咲く春が待ち遠しい3月末です。

この時期はおそらくどこの地方でも一年中で1番の繁忙期でしょう。オイラもこれを乗り越えて入退去連絡も落ち着いてほしいと願っていましたが、ここに来て4月以降の退去連絡が途切れなく管理会社経由で入ってきています。

以前は引越しといえば3月でしたが、コロナ禍を経て引っ越し業者の人手不足が顕著になったことなどから、法人の異動が3月、4月、5月とある程度時期を分散するようになった影響が要因にありそうです。今後もまだまだ気を抜けないモグラ叩きが続く予感です。

■不動産賃貸業を安定させるためには入居率の向上が一番大事

大家さんを始めたばかりの頃は、退去の連絡が入るととても苦く悲しい気持ちになったのを思い出します(苦笑)。

今はようやく退去連絡は当然のことと受け止められるようになりました。粛々と次の募集条件の打ち合わせをしつつ、退去立ち会い報告を受けています。退去報告に慣れるまでに随分と時間かかったものです(笑)

30年近く賃貸業をやってきて思うのは、不動産賃貸業を安定させるのは兎にも角にも入居率を高めることが最大の肝だということです。

おそらく賃貸業の8〜9割の仕事は空室を埋めることではないかとも思ってます。逆に言うと、物件を企画するとか、購入するとか、融資を受けるとかは賃貸業では残りの1〜2割程度の比率しかありません。

もちろん、入口の時点で入居率が継続して高いであろう物件を選んだり、住みやすい新築プランを作ることは最大に気をつけなければなりませんが、物件を持って以降は8割の仕事が入居付けになるかと思います。

賃貸業では空室は単なる機会ロスでしかありません。たとえ借入がない状態でも、固定資産税や管理費などが発生しています。いかに早く空室を減らすかが不動産賃貸業でお金を稼ぐための最初の一歩です。

経営者としては空室を毎月末などに集計して、年間を通しての物件ごとの傾向や家賃の推移なども把握した上で、対策を講じるのがベストでしょう。しかし、面倒くさがり屋のオイラは、年に2回、6月末と12月末時点での入居率を計算する格好です。

ちなみに、直近5年間くらいは安定して6月末も12月末も98%程度の入居率になっています。(例外としてコロナ初期の半年ほどは95%程度まで入居率が下がりました)

この5年ほどの入居率が安定しているのは部屋数も1000室に届き、棟数も40棟に増え、さらに立地や間取り入居者ターゲット層もある程度分散した不動産ポートフォリオが出来たことによる効果が効いてきたからと分析しています。

部屋数が増えることの最大メリットは、「大数の法則」が作用して入居率が平準化され安定することです。振り返ると所有物件数が50室を超えたあたりから90%〜97%程度の平均入居率を保てるようになっています。

もちろん常に満室を目指していたのですが、部屋数が少ないうちは入居率の振れ幅は大きなものでした。棟数が20棟、部屋数が300室くらいに増えてから、ようやく95%〜98%くらいに安定するようになりました。

規模の拡大を推奨するものではありませんが、不動産賃貸業を生業としてご飯を食べるつもりであれば、立地や間取りをある程度分散させた5棟50室程度のポートフォリオを一つの目標にされてはいかがでしょうか?

絶対とは言いませんが「大数の法則」が賃貸経営を安定させてくれるはずですし、間取りや立地をある程度は分散させることで、募集時期と退去時期がずれて全体では空室率が下がるはずです。

■退去の回数が増えると空室ロスが大きくなる

オイラは30年前、1DK×8室の中古物件1棟から始めました。購入して早々に2部屋の退去がありました、当時のローンは2部屋空くと返済でトントンになる買い方をしていましたから、すごく辛かったです。

実際に2部屋空いただけで空室率は25%にもなります。このように部屋数が少ないと1室あたりの空室ダメージが大きくなります。

もし1室だけの所有ならば入居率は0%か100%かですが、10年間(120ヶ月)の間に2ヶ月半の空室期間で済めば空室ロスは2%程度になります。戸建て賃貸などですと募集期間2ヶ月半で残り118ヶ月入居してくれたらなら、入居率は98%以上になります。

一方で、1Rなどでは通常、10年で3~4回は入れ替わります。リフォーム期間を考えると1回の入退去につき1ヶ月空くとして、4回の退去で4ヶ月ほど。その場合の10年間の空室ロスは3%〜4%程度となり、96~97%が10年での平均入居率となります。

ただし、1Rでこれくらいの空室率で済ませるには、人気の国立大学近くなど、相当良い立地の物件を選ぶ必要があるでしょう。実際には1Rで90%以上稼働すれば、立派な物件だと思います。

さらにAD(広告費)の問題も絡んできます。例えば入居付けのたびにADを2ヶ月分を支払うと仮定すると、3回の退入居で6ヶ月分のロスが上乗せされます。リフォーム代金も10年間では最低6ヶ月分〜12ヶ月分くらいかかります。

10年間(120ヶ月)のトータルで見ると、1Rでは「空室期間4ヶ月+AD6ヶ月+リフォーム代金6ヶ月の合計16ヶ月分以上」のロスが最低でもかかると想定されるのです。

一方で戸建てはADもかからないことが多いですから、10年間(120ヶ月)中で118ヶ月入居してもらえたら、ロスは募集期間の2ヶ月だけということもありえます。

念のため付け加えると、オイラは短絡的に戸建ての方が良くて1Rは悪いと言いたいわけではありません。いずれも買い方や立地や築年数などの条件しだいで、良い物件にも悪い物件にもなります。

■表面的な利回りより、トータルロスの少ない物件

「あらゆるロスを減らすゲーム」が、不動産賃貸業の本質だとすれば、物件の表面利回りだけではなく、総合的に考えて長期でトータルロスの少ない物件を選定をする必要がありますね。

でも、ビギナーのうちはそれがなかなか見えてこないでしょう。その足りない知識を補完してくれるのが、セミナーや大家さん仲間や先輩の大家さんだと思います。

ただ、ビギナーの頃は何事も恐る恐るやるので大怪我はしにくいものです(中にはそうでない人もいますが)。逆に、経験を積むにつれて慣れが慢心を呼び、大怪我につながったりしますので、オイラたちも油断は禁物です。

「わかった」とか「わかってる」と自分で思うときは大抵は慢心していますから、他の冷静な人の意見を素直に聞くことが必要ですね。(コレはオイラ自身の為の備忘録です)

 

 

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※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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プロフィール

極東の船長さん

極東の船長さんきょくとうのせんちょう

北海道の東の町出身、現在は札幌在住
専業大家

プロフィールの詳細を見る

経歴
  • □1958年、北海道生まれ
    高校卒業後、家業である漁業を継ぎ乗船、24歳から船長になる

    □1993年(35才)
    船の転覆を機に陸の仕事に就く。
    収入が激減し、投資の勉強を開始。

    □1995年(37才)
    1棟目、札幌市内の中古APを購入(1DK×8戸、築5年)⇒売却

    □1998年(40才)
    2棟目、札幌市内の中古APを購入(1K×14戸、築10年)⇒売却

    □2004年(46才)
    3棟目、新築APを札幌市内に建てる(1DK×15戸、土地から取得して新築)⇒売却

    □2005年(47才)
    4棟目、苫小牧市内の中古APを購入(1DK×10戸、築7年)⇒売却
    5棟目、苫小牧市内の中古APを購入(1K2戸×2DK×4戸、築10年)⇒売却

    □2006年(48才)
    6棟目、札幌市内に新築APを建てる(1LDK×8室、新築)

    □2007年(49才)
    7棟目、道東某市内に中古APを購入(1DK×12室、築3年)

    □2007年(49才)
    8棟目、道東某市内に中古APを購入(1DK×20室、築4年)

    他にも都内区分、中国区分、苫小牧の中古AP等、様々な物件の売買を続けながら、徐々に規模を拡大。
    個人で借入3億を目の前にして拡大の壁に当たる

    □2010~2021年(51~62才)
    札幌に法人設立し個人物件をほぼ売却し法人として規模拡大

    □2022年(63才)
    所有物件
    木造AP10棟
    低層RCマンション22棟
    高層 RCマンション 4棟
    合計39棟836室

    □2023年9月(65才)
    総投資額130億超
    借入残100億 家賃9.5億 税引前CF3億 元利返済4.7億

    売却済み21棟352室
    売却益10億

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