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【競売事例】北関東の一棟アパート、満室時の想定利回り20%超え

収益物件購入・売却/競売 ニュース

2024/03/07 配信

定期的に競売セミナーを開催し、日々、競売の相談を受けているドクターKである。毎月、競売で公開されていた物件の競売事例をシリーズとしてご紹介している。

今回は、北関東の一棟アパートを紹介する。この物件の特徴は、築32年の一棟アパートであり、裁判所から公開された資料には、家賃収入が17万円、満室時は25万円が得られる。

この家賃収入の金額にも関わらず、裁判所から提示された評価額は593万円である。万が一、この評価額で落札することができると、利回りは約34%、満室想定時の利回りは約50%になる。

今までの実績より、評価額で落札されることはないが、評価額が低いと入札数が多くなる傾向がある。このような物件がいくらで落札され、利回りがどのくらいになるか?ご参考に頂ければと思う。

1.物件概要
(1) 所在地

この物件がある市町村は北関東にあり、都心から北東80kmのところに位置している。市内には平成22年に開港した空港があり、特徴は安い、気軽、コンパクトをコンセプトに造られ、無料駐車場や低コスト航空会社が利用しやすい環境が整っている。

この市町村のもう一つの特徴は、全国市町村別の鶏卵産出額が全国1位であり、「玉子王国まつり」を開催するなど、「たまご」をメインとしたイベントが多く開催されている。

この町の住みやすさは自然災害が少なく、緑も多く、車があれば買い物なども負担なく行ける。但し、車社会であり、車は必須である。

(2) 物件概要
物件は、土地が197平米であり、床面積は271平米である。築32年、3階建ての一棟アパートである。外観は薄いブラウン調であり、日当たりは良好である。

建物の前は数台の車が駐車できる。敷地内には自動販売機も設置されている。最寄りの駅から約300メートル離れたところにあり、徒歩で4~5分で移動可能である。

建物外観、鉄骨造の一棟アパート
建物外観、鉄骨造の一棟アパート

(3) 間取り、室内

間取りは以下の通りである。各階に2戸の部屋があり、合計6戸ある。住居の各戸の間取りは、2DKである。各戸の広さは約45平米であり、ファミリー向けである。

間取り 合計6戸である
間取り 合計6戸

以下、室内の写真である。築30年以上、経過しているが、部屋の中は比較的に綺麗である。

室内 各部屋の室内
室内 各部屋の室内

2.物件詳細
(1) 賃貸契約の内容、関係者のコメント

裁判所の公開資料には賃貸契約の内容、賃借人のコメントが記載されている。以下、その賃料であり、落札後、賃貸継続ができれば、月々の賃料収入は合計170,000円である。

空室が2戸あり、他の賃料を参考に、仮に40,000円で賃貸できると、満室時の月々の賃料収入は合計250,000円になる。

資料を確認すると、賃貸している方の占有開始は1名は令和2年から、他の3名は平成から賃貸して10年以上経過している。賃貸者の中に賃貸継続が長いと、落札後、賃貸を継続頂ける可能性が高い。

賃料とは別に水道代を徴収している。各戸の水道メーターが分かれておらず、個別に徴収していると思われる。

賃貸状況 現行の賃料は月々170,000円
賃貸状況 現行の賃料は月々170,000円

(2) 関係者のコメント

裁判所の公開資料には、通常、債務者、賃借人の関係者のコメントが記載されている。入札時点では、物件の部屋の中まで立ち入ることができないため、公開された写真や住んでいる方々からのコメントを参考に物件の状況を確認する必要がある。

今回、気になった点は、外国人が多い、雨漏り、駐車場の整備が必要であるという点がある。雨漏りというコメントより、修繕が必要だということはリスクとして、考えた方が良いだろう。

関係人の陳述等 1ページ目
関係人の陳述等 1ページ目
関係人の陳述等 2ページ目
関係人の陳述等 2ページ目

(3) 執行官のコメント

裁判所の公開資料には、通常、債務者などの関係者のコメント以外に、裁判所の執行官のコメントも記載されている。執行官とは、競売などの裁判を進め、書類作成などを行う。執行官は競売物件を確認した際、自らの意見も記載されているため、必ず確認しましょう。

執行官のコメント
執行官のコメント

(4) 物件評価の金額

裁判所から依頼された不動産鑑定士による競売の基準価格は以下である。

5,930,000円

上記の金額は、裁判所から依頼された不動産鑑定士によって、査定される。この金額は、一般流通市場の価格よりも安く設定される。理由は、この金額が一般流通市場よりも高いと誰も入札せず、競売自体が成り立たないためである。

3.落札結果
(1) 落札結果

落札金額は以下である。入札件数は28件であり、個人が落札していた。個人が落札したため、自身で賃貸経営を運営していくのだろう。

 14,077,777円

(2) 利回り

以下、利回りを計算する。また、修繕などのリフォーム費用は含めていない。

現賃料(裁判所からの公開資料)の利回り

落札金額  14,077,777円
月額家賃収入  2,040,000円
諸費用  500,000円(登録免許税や不動産取得税などの概算金額)
表面利回り 13.9%

満室想定(裁判所からの公開資料)の利回り

落札金額  14,077,777円
月額家賃収入 3,000,000円
諸費用 500,000円(登録免許税や不動産取得税などの概算金額)
表面利回り 20.5%

4.最後に
本物件に関して、築32年であり、裁判所から公開された資料だと、17万円の家賃収入があり、満室なら25万の家賃収入が得られる。落札後、賃貸継続できれば、利回りは13.9%であるが、修繕を行い、しっかりと賃貸管理を行えば、駅近でもあるので満室にすることも可能であり、利回りも良くなるだろう。

今回、修繕や賃貸管理もあり、不動産投資の経験がある方が管理、運営をした方が良いだろう。このような物件もあることをご理解頂き、ご参考頂ければと思う。

過去の競馬事例のシリーズはコチラから

執筆:ドクターK

ドクターK

■ 主な経歴

「株式会社ココス」所属。競売コンサルタント。
年に数十回の入札を行い、数件落札。競売をやりたい初心者向けに毎月競売セミナーを開催し、競売のノウハウを伝授。
執筆活動も行い、著書「はじめての競売」に一部寄稿。

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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