• 完全無料の健美家の売却査定で、できるだけ速く・高く売却

×

  • 収益物件掲載募集
  • 不動産投資セミナー掲載募集

貧しかった子ども時代を経て、株→不動産投資転向でFIRE。京都市内120戸所有【TT@パン屋さん】

不動産投資全般/投資家インタビュー ニュース

2023/12/02 配信

京都市内に10棟120戸の収益不動産を所有し、年間家賃収入7500万円を得ているTT@パン屋さんは母子家庭に育った苦労人だ。

子どもの頃から「お金の大切さ」を痛感し、高1でアルバイトを開始。自分の身の周りのことは自ら稼いだお金でまかなうという自立心を早くから持っていたという。

社会人1年目に株式投資を始めたことが大きな転機となり、「都市部の中心地に新築の戸建てを現金で買えるぐらいの金融資産」を得るほどに。結婚を機に不動産投資にシフトし、2015年に1棟目を購入。5年で7棟の不動産を買って39歳でFIREした。

「不動産は自分の幸せを実現するツールだった」と話すTT@パン屋さんの投資事例を紹介したい。

2棟目に買った鉄骨造の物件。購入時の利回は9.5%だったが大規模修繕をして9.78%まで利回りを上げた。写真の部屋はリノベーションにより家賃は8000円アップした

理系出身でデータ分析に強み 「現物取引」「先物取引」で投資の才能開花

大阪府出身で現在京都府に暮らす40代のTT@パン屋さんは母子家庭に育ち、経済的に苦しい子ども時代を過ごした。国立大学、国立大学の大学院への進学時には6年間の授業料が免除になったほどだという(経済的に困窮した家庭の学生で諸条件を満たした場合に授業料免除となる制度を利用)。

そうした境遇に育ちながらもTT@パン屋さんは物事の捉え方がニュートラルでいて前向きな人だ。

「『努力すれば報われる』という経験をしてきたからだと思います」とTT@パン屋さんは自身の歩みを振り返る。

高1からガソリンスタンドでアルバイトを始め700円スタートだった時給は大学院を卒業する頃には1200円まで上がった。大学進学以降は理系学部だったこともあり、平日朝9時ごろから夜21時ごろまで研究に追われる日々。土日の2日間に家庭教師とガソリンスタンドのアルバイトを掛け持ちして、生活費を稼いだ。大学では研究の成果が認められ学部長賞を受賞したこともあるという。

極めつけは社会人1年目に始めた株式投資だ。

友人の父親が株で財を成したと聞き、投資を教わったのがきっかけとなった。長期の株を保有する一方で、やがてレバレッジ約30倍ともされる「日経平均(225)先物取引」を始めると「都市部の中心部に新築の戸建てを現金で買えるぐらいの金融資産」を貯めることができたという。

日経平均先物取引についてTT@パン屋さんに解説をお願いすると、

「日経平均が1万円ぐらいなら、3万円ぐらいの証拠金っていうのを担保にして100万円ぐらいの価格の物を売買できます。信用取引はレバレッジ3倍ですが、日経平均先物取引は30倍ぐらいのレバレッジとなります。僕も1日で500万とか負けたこともあります。逆もあってプラスマイナスの動きがすごく激しいのが特徴です」と語る。

値動きの激しいハイリスクハイリターンの相場でTT@パン屋さんが財を成せたのは、理系学部の大学院を卒業したことから数字に明るく、チャート分析を得意としていたことにある。

たとえばリーマンショックでは下落相場となり多くの投資家が売り抜けに走る中でTT@パン屋さんは逆張りで「売り」から入り、大きく資産を増やしたそうだ。

不動産投資へシフト「東京五輪を気兼ねなく見たい」と2020年のFIRE決意

しかしながら30歳での結婚を機に、家族と過ごすための「時間」について考えるようになり、不動産投資にシフトしていく。

「会社から帰宅後も相場(株式銘柄やチャート)の調査などの取引と準備で妻との時間を作ることができていませんでした。このままでは家庭が崩壊してしまう。けれども好きな投資はやめたくないと考えた結果、もう少しゆっくりした時間軸で投資できる不動産投資に行きつきました」(TT@パン屋さん)

すでにマイホームを購入していたことから、それが収益不動産に代わったところで不動産購入に対するハードルは低かったそうだ。2013年頃から不動産投資についての勉強を始めてTT@パン屋さんが1棟目を購入するのは2015年のことだ。

「100件以上は物件をチェックして収益性を判断し、10件ぐらいは金融機関に持ち込んだと思います。なかなか買うに値する物件を見つけられず1棟目を購入するまでに時間がかかりました」

2015年、34歳で買った1棟目は、京都府内の築15年の鉄骨造のファミリー物件だった。

物件価格は5400万円、利回りは9.5%。

当時は都銀もサラリーマンに融資していたそうで、京都府内の2つの都銀をメインに当たりどちらも融資条件に違いがなかったことから序列の高い金融機関で融資を引いたという。

前出の「都市部の中心に新築の戸建てを現金で買えるぐらいの金融資産」はプラスに働き、フルローンでの融資は下りたのだが今後の運営を考え手元資金15%を入れて物件を購入した。

幹線道路沿いで、スーパーやドラッグストアも近かったこの物件は「2年に1回ぐらいしか物件を見に行ったことがありませんでした」と話すほど運営は順調だった。

1棟目を買った2015年時点で「2020年までにFIRE」「FIREに向けて7棟を購入する」と決め、逆算して買い進めていった。なぜ2020年にFIREしようと思ったのかと尋ねるとその理由が面白い。

「2020年開催の東京オリンピックを気兼ねなく観戦したいと思っていたので、それまでに会社を辞めたいと考えました」

1棟目を買った2015年には京都市内に2棟目となる鉄骨造の物件を購入(トップ画像で紹介)。敷地だけで100坪もある2億円近い物件に対し、3000万円の自己資金を入れて融資を引いた。

購入時の利回りは9.5%だったが、昨年大規模修繕を行い、外構や一部の室内をバリューアップしたことで家賃が上がり、利回りは9.78%まで上昇したそうだ。

当初決めたとおり、投資を初めて5年後の2020年にFIRE。このときの所有棟数は7棟75戸、家賃収入5000万円、総投資額5億円、年間CF2000万円だったという。

京都市内では約8%利回りが相場。高利回りに飛びつき1年半で売却

物事に動じない精神力と持ち前の分析力で株でも不動産でも投資の才能を発揮するTT@パン屋さんだが、高利回り物件を購入し1年半で手放す経験もしている。

「京都市内では8%くらいの利回りが相場なのに12%で旧耐震のRCで18戸のワンルーム物件を買って運営に四苦八苦しました。購入時点で5戸の空室があってバス便立地もあって入居が付かず、初期費用を負担したり、家電をプレゼントしたり色々取り組んだものの1年半で売却しました。相場より安い物件には訳があるのだなってことを学びました」

それでも売却益は出たというから物件の目利き力があるといえるだろう。

TT@パン屋さんは様々な物件を経験する中で京都市でも郊外の物件は売却し、「小さな建物で大きな賃料収入を得られる物件」へ資産の組み換えを進めている。

1年前には京都市内でも人気のエリアに表面利回り7%のRCを新築。不動産会社から売り土地の情報を得たその日に融資特約なしで買い付けを入れ、金融機関から1億円を超える融資を引いた。

「事前に新築を建てるならどのあたりのエリアで、建築の坪単価や何階のどのぐらいの部屋数を建てると収益が出るかなどの勉強をしていたこともありその日中に回答しました」

なお、京都市では連続的な京町家の景観を大切にしており、市の景観条例により配色や軒の出方などの建築基準の制約も多い。設計できる建築士も限られるという。こうした京都市ならではの理由で建築費用の試算は難しそうだが。

「建築費については建築資材の高騰から予想金額を少し上回ったので株をちょっと売りましたが、設計はほぼシミュレーションどおりでした。設計は自分で見つけた建築士の先生に依頼し、施工はお世話になっている先輩大家さんにご紹介いただいた施工会社さんにお願いしました」

新築したRC物件の室内。ラグジュアリーホテルのようなシンプルな空間とした。建具は木工所でオーダーメイドし、既製品と比較し15~20%のコストダウンにつなげた

FIRE後も3人家族の生活コストは変わらず。水道光熱費込みで月10万円ほど

3棟の売却を経て、現在10棟120戸を所有し年間家賃収入は約7500万円だという。併行して続けている株式投資では約20社の銘柄を保有している。

経済的にも時間的にも自由となったTT@パン屋さんだが、「お金を持ったからといって生活コストは変わっていません」と話す。

「人と比較して自分の生活コストはかなり低い気がします。うちは3人家族ですが水道光熱費を入れても1か月10万円ぐらいで生活ができています。水道光熱費は3人の生活スタイルを合わせることで節約できますし、食事もあるものを工夫しています。貯まったお金は再投資に回しています」

TT@パン屋さんがFIREによって得られたのは「子どもと一緒に過ごすかけがえのない時間」であり、「FIREした僕の人生で一番の喜びになりました」と語る。物心ついた頃には父親がいなかったというTT@パン屋さんは父となり我が子と過ごす幸せをより実感しているようだ。

ちなみにTT@パン屋さんというニックネームの由来は、FIRE後に全粒粉を使ったオーガニックパンづくりにハマっているからだというから微笑ましい。

FIRE後に始めたことがもう1つあるという。

「自分が社会に何らかの形で恩返しできればと思い、直近では賃貸経営を通じて若者支援をしております。こうした自分のやりたいことに時間を割けるのも、時間とお金の余裕を作ってくれた不動産投資のおかげです。僕自身、気づいたことについて実践すれば、さらに足りないものに気づく。果てしない繰り返しの道のりですが1歩1歩人間性を高めて今後も成長していきたいです」

と、TT@パン屋さんは語った。

執筆:スドウミキ(すどうみき)

スドウミキ

■ 主な経歴

出版業界で20年勤務。不動産分野を専門とする雑誌での取材・編集をきっかけにサラリーマン大家の夫と出会い結婚。2022年宅地建物取引士の資格を取得。夫の勧めで法人を設立し、築古アパート1棟を購入する。1歳の子どもを持つ一児の母。

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

アクセスランキング

  • 今日
  • 週間
  • 月間

不動産投資ニュースのライターさんを募集します。詳しくはこちら


ニュースリリースについて

編集部宛てのニュースリリースは、以下のメールアドレスで受け付けています。
press@kenbiya.com
※ 送付いただいたニュースリリースに関しては、取材や掲載を保証するものではございません。あらかじめご了承ください。

最新の不動産投資ニュース

ページの
トップへ