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リーマンショックを機にアパート「爆買い」で脱サラ! 112戸中半数を自主管理するベテラン大家。小川貞夫さん【後編】

不動産投資全般/投資家インタビュー ニュース

2022/10/18 配信

30代でワンルームを都内に買ったことを機に不動産投資を始め、投資家・大家として20年以上のキャリアを持つ小川貞夫さん。今では北関東エリアでワンルーム、1棟アパートなど計112戸を所有し、約半数を自主管理する。

【前編】では不動産投資を始めたきっかけ、ワンルーム投資のポイントから安く買う方法などについて解説した。今回は、1棟アパートに路線変更した後の物件選びや融資のポイント、これから不動産投資を始めるうえで重視すべきポイントなどについて紹介する。

メガバンクがアパートに融資をするタイミングで
法人化を進め、アパートに路線変更

ワンルームを現金で買い続けるには限度があると感じた小川さん。そんな折、とあるメガバンクがアパートやマンションに融資をするようになったことを知り、法人を設立し、その翌月には融資を受け、埼玉県本庄市に軽量鉄骨アパート3階建てを購入する。

この物件は、物件サイトで見つけた。間取りはワンルーム12戸と、2DK9戸、表面利回約11%。駅から徒歩10分の旗竿地だが、安定経営できているため、今も所有している。

1棟アパートにシフトして、物件選びのポイントは?

「ワンルームと同じく、得意なエリアで買うことが大前提でした。自分が得意としているのは、群馬~埼玉、東京の北部など、北関東エリアですが、車で通勤する人が多いため、駐車場は最低でも各戸1台分は必要に。さらには、風呂トイレ別で、社会人をターゲットに検討していました。

融資を利用するので、法定耐用年数がまだ十数年残っている物件を狙っていました。その期間で、融資を受けられるので」

例外的に、大学生向けのアパートも所有しているが、それは駅と大学の中間地点に位置する立地で、「風呂トイレ別」で、投資として成立すると判断して購入した。

そんな小川さんが1年で、数棟、アパートを「爆買い」した年がある。リーマンショックがあった2009年である。

「見渡す限り田んぼが広がる前橋のはずれに、軽量鉄骨アパート3階建て(1K24戸)を購入しました。工場が多く、住む人が一定数いると判断しました。

学生向けアパート1棟(1R32戸)や木造の外人向けアパート1棟に加えて東京・豊島区で1棟アパートを購入しました。豊島区のアパートは大家仲間から不良債権のために誰か買える人がいないかと話が来て、融資を使う時間がないということで現金で買うことが条件だったため、現金で買いました」

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2009年に購入した群馬県前橋市、築18年、鉄骨造、4500万円のアパート。表面利回り19%。

それだけ短期間で融資を受けながら物件を購入できた秘訣は、小川さんが、コツコツと家賃収入を貯め、ある程度、資金を持っていたことや金融機関に対して、自分で作ったシミュレーション資料などを評価してもらえたからだ。

「金融機関から『この資料君がつくったのか?』と感心されました。指摘されたポイントは修正し、金融機関と互角に会話ができるだけの知識を身に付けていたことは、強みといえるでしょう。

自分はやると決めたら集中して結果を出そうとするタイプ。誰もやらないようなことをやるのではなく、誰もができることを徹底してやります。たとえば、ドライバーとカッターだけでできるような物件の補修やDIYは常にしています。生き馬の目を抜くようなパソコンのソフト業界で働き、常に新しいアイデアが求められていましたが、それを大家業にも生かしています」

所有物件の半数は自主管理、
10~15年も経つと大規模修繕への備えも重要に

物件数を増やして、退職したものの、大規模修繕のための積立金なども確保しなければならず、独立後もけして楽な道のりではなかった。所有して10~15年もすると外壁塗装など、大規模修繕をしなければならず、修繕積立金を確保しなければならない。

小川さんは112戸にまで増えた物件の半数を、自主管理している。

「物件によっていい不動産屋さんがついていればその会社に管理を依頼して、そうでなければ集金だけ自分で行うケースもあります。学生向けの物件は自分が集金や管理をする窓口になっており、入居者の募集だけ仲介会社5~6社に依頼しています。だいたい物件によって、3パターンぐらい管理の方法が異なります」

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洗濯機設置の高さを確保する為、観音開きの靴箱を撤去してカラーボックスを設置。さらにキッチンと洗濯機の間の壁面についたガムテープをはがした跡を隠すために、水色のシートを壁面やカラーボックスに貼った。

最後に、健美家読者に向け、これから不動産投資を始めるうえでのアドバイスを!

「最初は地縁、血縁、何かの縁を頼りにして、気に入っている場所や自分の知っている場所で買うことが基本。その上で、今の市況など踏まえると、これから始めるなら、安い戸建てを買って一通りの流れを掴むのがいいのでは? 失敗しても痛手が少ないですから」

最初から融資を使っていきなり大きなものに挑戦するのは、おすすめしない。失敗してもリカバリーできない危険があるからだ。1戸目がうまくいったら、その収入を貯めて、2戸目、3戸目を購入していく。

「戸建3戸ほど客付けまでできれば、毎月、10万円ぐらい手取り額が増え、サラリーマンの役職手当のような感覚でありがたいはずです。そうして不動産投資の旨味を知り、嬉々として、次々に物件を買おうとしている人たちがいっぱいいます(笑)」

戸建投資のなかでもゴミ処理や草むしり、DIYなど汗水流して頑張れば、頑張った分だけ、お金が貯まる。そもそも、そうしたハードルの高い物件を買うことでライバルがぐっと減る。

「だいたい10年ぐらい上記の流れを繰り返していけば、会社員を辞めても生活できるレベルになっているかもしれません。そんなに早く不動産投資で脱サラやFIREなんて出来ませんよ」

また、戸建投資の入居者として、高度経済成長時代に「金の卵」として首都圏に出てきた世代を見据えることも有益だと小川さん話す。

「地方移住やUターンのきっかけとなるような快適で、低家賃で暮らせる戸建てを、貸すことで、リタイア世代に感謝されるのではないか。そうした取り組みのほうが金銭だけではなく、やりがいもあるでしょう」

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群馬在住の専業大家 小川貞夫さん。経理専門学校を経て会社員になり、1999年から不動産投資を始め、2011年に脱サラし専業大家に。近況はフェイスブックに綴っている。

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健美家編集部(協力:高橋洋子(たかはしようこ))

高橋洋子

https://yo-coo.wixsite.com/home

■ 主な経歴

暮らしのジャーナリスト。ファイナンシャルプランナー。
大学卒業後、情報誌などの編集を経てライターに。価値0円と査定された空き家をリノベーションし、安くマイホームを購入した経験から、おトクなマネー情報の研究に目覚め、FP資格を取得。住宅、マネー関連の執筆活動を行う。

■ 主な著書

  • 『家を買う前に考えたい! リノベーション』(すばる舎)
  • 『100万円からの空き家投資術』(WAVE出版)
  • 『最新保険業界の動向とカラクリがよ~くわかる本』(秀和システム)など

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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