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4児のパパ、高収入妻の休職で投資を開始 毎日4時間半の朝活時間を捻出し3年でFIRE

不動産投資全般/投資家インタビュー ニュース

2023/10/17 配信

12棟192戸を所有するソルトさんが不動産投資を始めたきっかけは体調不良による妻の休職だった。世帯で1500万円の預貯金があり当面の生活には困らないものの、夫妻には4人の子どもがいた。

ソルトさんの給料だけでは長子が大学進学する5~6年後、教育資金が不足する可能性が高かった。

新たな副収入源を模索する中、不動産投資に狙いを定めて2017年12月に1棟目のアパートを購入。30戸中11戸が空室という苦しい物件だったが持ち前の度胸と行動力で半年かけて満室へ。月間キャッシュフロー60~70万円を生む物件へ変えた。

この1棟目購入からわずか3年2か月でFIREしたソルトさんの駆け足の歩みを紹介したい。

ソルトさんの1棟目となる新築物件。RCや木造アパート、築古戸建てなどを所有するほか転貸も行う。「本やコラム等で書かれている手法はとりあえず試してみたくなります」と話す雑食系の大家
ソルトさんの1棟目となる新築物件。RCや木造アパート、築古戸建てなどを所有するほか転貸も行う。「本やコラム等で書かれている手法はとりあえず試してみたくなります」と話す雑食系の大家

買わずに済んだ9000万円建売新築アパート

東北地方に暮らすソルトさんは4人の子どもを抱える父親だ。高収入だった妻が休職(その後退職)、夫婦共働きでのライフプランが崩れていく事態に、本格的に副収入を得るための方法を調べた。

「私の年収だけで子ども4人を大学に進学させることは無理でしたので、新たな収入源を作らなければと本格的に調査を始めました。ネットで『不動産投資 失敗』と検索する中で、失敗しているのは新築ワンルームの区分ぐらい。現物資産ですしほぼ失敗のないビジネスだと確信し不動産投資をスタートさせました」

短期間で不動産の規模を拡大できた背景には、本業で営業マンをしていたソルトさんの行動力に加え、新築建売アパートを買わずに済んだという幸運もあった。

「この物件を買っていたら規模を拡大できなかったと思います」とソルトさんが語る幻の1棟目は物件価格9000万円、利回り5%台の新築建売アパートだった。不動産投資の勉強を始めてすぐ、ある新築建売アパートメーカーに問い合わせし担当者との面談に臨んだ。

「今でこそ、不動産は事業であることが分かっているので、何もしないで不労所得はありえないと分かりますが当時はその言葉にワクワクがとまらず、すぐにその業者に電話をかけていました」

数日後、担当者と面談。ホテルの最上階から景色を見渡しつつという雰囲気の中、営業マンのトークに感化されその日のうちに契約書にサインをしてしまったという。

契約してしばらくすると担当者の対応は歯切れが悪いものとなり、半年後には販売業者が土地を取得できなかったという先方都合で契約破棄となった。

「半年間の間に、本やYouTubeなどで不動産の勉強をするなかで、あれ?いきなり9000万円の新築は高すぎるのではと思うようになっていました。一方、これで大家になれると思っていたので契約が白紙となってがっかりはしました。同じ業者から頭金を入れて別の物件を、と紹介されましたが先輩大家さんの助言もあり購入しませんでした」

非線引き区域AP・空室11戸を半年で満室へ 税引き前月間60万円CF生み出す

今度こそ大家にと営業マンとしての仕事、4人の子どもの育児にも参加しながら、毎日自分のための4時間半を捻出した。

世帯収入の減少がきっかけで、会社員としての仕事のほか、4人の子育て、物件探しをしていたと聞くと切迫感を覚えてしまうが、ソルトさんはそのような境遇にあって不動産を買うという行為を自らの可能性への挑戦と捉え、楽しむことができる人だった。

「子どもを寝かしつけ20時に就寝して深夜2時半に起床。7時までの4時間半に物件探しやマインドを維持するための朝活を行っていました」

こうして2017年12月に購入した1棟目は、郊外の非線引き区域(※1)にあるアパート2棟だった。利回りだけを見れば20%半ばと高いが、築22年2DK15世帯で物件価格6800万円と初心者が買うには規模が大きく、30戸中11戸が空室だった。

(※1)非線引き区域とは、市街化区域と市街化調整区域とに区分されていない都市計画区域のこと。法律上の名称は「区域区分が定められていない都市計画区域」。一般には「非線引き区域」と呼ばれている。土地利用についての規制が緩やか、土地が安いといったメリットもあるが、市街化を促進する区域ではないため人口密度はまばらで土地や建物の購入には目利きが必要となる。

当時、有名投資家の書籍やYouTubeで勉強をする中で『高利回り物件を狙う』『まずは買い付けを出せ、10分で判断して買い付けを入れる』といった言葉に強く影響を受けたそうで、瞬発的に買い付けを入れたアパートだった。

「今の風潮には合いませんが、不動産投資を始めたばかりの私にとってマインドブロックがパカっと外れたのは確かです。1棟目は仕事から帰ってきて物件メールを確認し10分で買い付けを入れたアパートでした」

内見したところ、原状回復していない部屋があり、共用部にコケや蜘蛛の巣のある物件だったが、「これを綺麗にすれば十分に入居が付く」と考え、仲介店を訪問しヒアリングした上で購入。ノンバンクから金利2.9%、20年のフルローンで融資を引き、リフォーム費用は日本政策金融公庫から600万円で借入した。

12月に購入し、繁忙期に入っても入居が決まらず焦ったというが、半年後の6月には11戸を満室に。税引き前、月間60~70万円のキャッシュフローの出る物件に変えた。ソルトさんの満室に向けた取り組みは、サラリーマン投資家でここまで力を注げるのかと思うものも多い。

たとえば、若いカップルをターゲットとし2DKの1部屋を1LDKへ間取り変更、モデルルームを作った。

インテリア好きのソルトさんの妻が即戦力となり、実際の暮らしぶりがイメージできるよう5万円で購入した家具一式(ローテーブル、ソファ、ローチェストなど)を配置。カーテンのほか、食器などの小物も加えて室内にはホームステージングを施した。

玄関から室内が丸見えにならないよう造作で衝立を設けるといった工夫のほか、近隣にどんな店舗や施設があるかを地図にした「近隣マップ」の作成、物件のこだわり、内装の特長などを記したPOPを掲示。内見時にはアンケート記入を依頼し、QUOカード500円の進呈なども行った。

また、「物件に力がないのではなく、周知されていない」という先輩大家からの助言で、力を入れたのが仲介店営業だった。

物件の募集資料を自作。仲介店へFAXやメールし、オーナーの顔が見えるよう年齢や勤務先情報などについても記載し、興味を持ってもらえるようにした。近隣の大型店舗への直接営業やポスティングもしたほか、「ジモティ」「ECHOS」「ウチコミ」などのマッチングプラットフォームを利用した自社客付けにも取り組んだ。

こうした入居促進の取り組みはパワーポイントにすべて落とし込んで金融機関に持参する資料とし、次の融資につなげた。

なお、購入から4年半ほどして満室で売却したところ残債を引いた売却金額は5000万円超えとなり、自己資本比率を高める結果となった。

物件近くの金融機関へ飛び込み、融資を引き出す

短期間での規模拡大に金融機関からの借入は欠かせないが、なぜFIRE までの約3年間で9棟ものアパート(同一の敷地内等のバルク分も含む)で満額やオーバーローンでの融資を引けたのかと尋ねてみたが、ソルトさん自身はとてもナチュラルに「規模を拡大したいと最初から法人で購入はしていました。ただ私自身は高収入というわけでもないですし、なぜ融資がついたのかと聞かれても分からないですね……」と申し訳なさそうに語る。

様々な話を聞く中で、3つの要因が推測できそうだ。

1つ目に本人曰く「夫婦ともに親譲りの貧乏性」という節約家。世帯で1500万円の預貯金があった。こうした資産背景も2棟目以降の融資につながった。

2つ目に当時の「かぼちゃの馬車」事件で金融機関の融資姿勢が変わる前の2017年12月に1棟目、2018年3月に2棟目を続けて購入し、大家デビューを果たせたことが幸いした。

3つ目に営業力。飛び込み営業への賛否はあると思うが、ソルトさんは本業で営業職をしていたこともあり躊躇なくできる人だった。

たとえば、投資経験が少ない人が金融機関を開拓しようと考えた場合に、飛び込みで融資を打診したところで上手くいかないだろうと考える人も多いかと思う。

ソルトさんは物件近くの金融機関を飛び込み訪問し、融資を依頼するという思い切った方法で融資を引き出した。

2棟目となる築26年2DK6戸の1000万円のアパート購入時のこと。1棟目のアパート購入から約3か月後に次のアパート購入を計画したが繁忙期に入っても満室にはほど遠かった。

1600万円で売りに出ていたところ1000万円に指値をし、ダメ元で2棟目アパートの近くの金融機関に飛び込んで融資を依頼。するとソルトさんの自宅近くの支店を紹介されたという。

「クマ注意」の看板が立つような郊外物件とあって、紹介を受けた支店の担当者からは「(購入を)やめてはどうですか」との助言もあったが、1棟目で実施している入居促進の取り組みなどを資料とし提出。不動産事業への本気度をアピールし、800万円の融資を引き出した。

現金買いの築古戸建てにおいても、売主の懐に飛び込み、売値500万円の築古戸建てを70万円で購入した。販売業者を通じて直筆の手紙を渡したことが、高齢の売主の心をつかんだ。

手紙には、売主にとって愛着ある物件を大切するといった思いや、買い付け価格の根拠となった劣化箇所についても丁寧に記した。

購入した土地80坪駐車場付き、築50年超戸建ての室内。決済時には売主から「買ってくれてありがとう」の言葉をかけられたという
購入した土地80坪駐車場付き、築50年超戸建ての室内。決済時には売主から「買ってくれてありがとう」の言葉をかけられたという

不動産事業に魅せられ2年早く、月間CF150万円でFIRE

ソルトさんが専業大家になるまでに購入した物件は利回り14%~25%のアパート9棟と、現金購入した築古戸建て2戸。

2棟目を購入した頃から、パソコンを立ち上げるたびにFIREまでの残日数を表示し、逆算して物件を買っていった。結果、当初予定より約2年早い43歳で年間家賃年収4000万円、月間キャッシュフロー150万円に達し、FIREすることができた。

「年間家賃収入5000万円を指標としていたこともあって、RE (Retire Early)はしましたが、FI (Financial Independence)はできていませんでした。サラリーマンの仕事も嫌いではなかったのですが、動いた分だけ結果が出る不動産事業に魅せられ、サラリーマンの仕事が手につかなくなり退職しました」

その後、6棟69戸を売却。現在は12棟192戸を所有し、年間家賃収入は満室想定で8500万円、年間キャッシュフロー2800万円。現在2棟目となる新築を建設中だ。

「これから始める方は、平日日中にどれだけ動けるか? というのはポイントになってくるかもしれませんね。私自身は、返済比率を下げつつ物件を増やしていき、不動産以外の第2、第3の事業の柱についても模索していきたいです」

中学時代の夢は「バックパッカーになること」だったというソルトさん。4人の子どもが成人したあかつきには旅人として世界を飛び回るのが夢だそうだ。

そうした夢に向かってFIRE後も朝4時~7時の3時間の朝活を続けている。

執筆:スドウミキ(すどうみき)

スドウミキ

■ 主な経歴

出版業界で20年勤務。不動産分野を専門とする雑誌での取材・編集をきっかけにサラリーマン大家の夫と出会い結婚。2022年宅地建物取引士の資格を取得。夫の勧めで法人を設立し、築古アパート1棟を購入する。1歳の子どもを持つ一児の母。

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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