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損益計算書P/Lの中身を理解・分析する

赤井誠さん_画像 赤井誠さん 第251話 著者のプロフィールを見る

2023/9/8 掲載

こんにちは、赤井誠です。もう9月ですが、まだまだ札幌も昼間は暑い日が続いています。夜はやっと涼しくなり、エアコンなしで窓を開けて寝られます。エアコン嫌いの私にとってようやく楽な日々になりました。

私事ですが、先日ゴルフをご一緒した方が今年から突然人工透析を受けなくてはならなくなってしまったと聞かされました。一日おきに病院に行かなくては生きていけず、人生の時間が突然半分になったと嘆いていました。

人生いつ何が起こるかわかりません。不動産投資でお金を稼ぐことも大切ですが、もっと大切なのはその稼いだお金を使って自分の人生を豊かにすることです。不動産投資でお金に取りつかれてしまうと、終わりのない投資を続けるようになります。

私は必要十分の規模に到達していますので、不動産投資はそこそこ頑張りながら、大半の時間は自分の人生を豊かにするために使いたいと考えています。

さて、私の法人は6月末で決算処理を終えました。結果は過去最高利益更新で、8月末には過去最高の法人税を納税しました。最高益を出したことはうれしいことですが、納税額には正直驚いているところです。

今日は損益計算書P/Lの中身を理解・分析するというテーマで書いてみたいと思います。

1、損益計算書P/Lとは

P/Lとはprofit and Loss statementの略で、一定期間(通常は一年間)の会社の経営成績をあらわすものです。

P/Lは収益・費用・利益の要素から成り立っています。すなわちいくらの売上があり、何にいくらの費用を使って、最終的にいくらの利益がでたかということが、この計算書からわかります。

収益の内訳は我々のような不動産賃貸業では、

A)売上高    家賃や太陽光発電・駐車場・民泊などの収入
B)営業外収益 利息や配当金・保険金などの雑収入
C)特別利益  固定資産売却益(物件の売却や車両の売却)などの臨時収入

がほとんどです。

営業外収益や特別利益は、その年によって大きく変動します。重要視しなくてはならないのは、定常的に得られる売上高です。定常的に得られるものを単純に雑収入に分類してしまうのは、決算書的にはあまり好ましくありません。

次に費用の内訳ですが、不動産賃貸業の場合は物販と違い原価に相当するものがほぼありません。そのため費用の主なものは、

A)販売管理費・・・役員報酬・外注費・広告宣伝費・接待交際費・会議費・旅費交通費・通信費・消耗品・修繕費・水道光熱費・支払手数料・車両費・租税公課・支払報酬額など
B)営業外費用・・・支払利息
C)特別損失 ・・・固定資産売却損など

となります。

利益を増やすには売上をあげるか費用を減らすしかありません。利益が多いからといって、出張・会議・接待交際を過剰に使う人も多いですが、無駄に使うならきちんと税金を納めて利益を上げたほうが結局得だし、決算書の内容も良くなります。

最後に利益です。利益にはいくつもの見方がありますが、私が重要視しているのは営業利益と当期純利益です。

「営業利益 = 売上高 - 販売費および一般管理費」

「当期純利益 = 営業利益 + 営業外収益 – 営業外費用 + 特別利益 – 特別損失 – 法人税・住民税・事業税」

上記のどちらもきちんと黒字であることが重要です。営業利益がない状態は、定常的に赤字があるということです。それを特別利益で補填している状態は、良い状態とは言えません。

また、当期純利益がなければ、会社としては自己資本比率が上がっていかず、こちらも骨太の経営状態に持っていくことはできません。

どちらもきちんと黒字にして、自分の法人では何に費用がかかり、どうやってそれを削減できるのか、経営者としてきちんと考えていく必要があります。

2、営業利益率

私は営業利益と当期純利益はとても重要だと考えていますが、最も重要視しているのは営業利益率です。

「営業利益率=営業利益/売上高」

不動産賃貸業では大抵の場合、売上高が高くなれば、利益は増えます。しかし、ここで油断大敵です。多くの人が、利益が増えてくると、儲かっていると感じてしまいます。

しかし、売上高が1億円で営業利益が2,000万円の法人と、売上高が5億円で営業利益が4,000万円の法人があった場合、どちらが優れた会社でしょうか? それぞれの営業利益率は前者が20%、後者が8%となります。

営業利益率が低い状態ですと、不動産賃貸業で、例えば自殺や事件など、何か売り上げが大きく減少する問題が起きた場合、赤字に転落するリスクが高くなります。

売上高を上げる拡大戦略ばかりを続け、営業利益率を軽視した結果、破綻してしまった人は身近にもいます。売上が増えても営業利益率が落ちている場合、「稼ぐ効率」が落ちているわけで、何かしらの無駄が生じている可能性があります。

このあたりは費用の内訳を常に分析して、無駄が生じていないか、費用を減らせる方法はないかを、しっかりと考えていくことが大切です。

売上が増えれば、通常は外部に仕事を依頼するか、内部で人を雇わざるを得なくなります。それによって効率が上がり、利益も増えていけばいいのですが、利益が増えればリスクも増えているわけです。

そこまでリスクを取って売上を上げていくことの意味が、自分の人生に必要なのか、その部分を常に考える必要があると私は思っています。

ちなみに私の個人事業主と法人二社の営業利益率は20%超くらいでした。社用車を安くしたり大家仲間との会合を減らしたり、ここから改善できることはありますが、人生を豊かにすることが最重要課題なので、このあたりは今の利益率を確保しながら、必要経費として使っていきたいと思います。

3、まとめ

前回のコラムで解説したB/Sや、今回解説したP/Lは、経営状態を把握したり分析したりするために非常に重要な指標です。

参照:バランスシート(B/S)で自分の資産状態(経営の健全性)を確認しよう

不動産投資は遊びではありません。「キャッシュフローが出ているから大丈夫」などと安易な考えで何億・何十億の借金をして進めないで欲しいと思います。

最低限、このような経営数字は把握したうえで、賃貸経営をしていただきたいと思います。

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※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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プロフィール

赤井誠さん

赤井誠さんあかいまこと

1960年 横浜生まれ
18棟127室の大家

プロフィールの詳細を見る

経歴
  • 北海道大学大学院卒業後、某電機メーカーに就職。2013年に退社し専業大家となる。

    不動産投資セミナーの講師等でも活躍。

    知識ゼロからはじめて18棟127室。年間家賃収入は約1億2,000万円(2020年12月時点)

    何事にも全力でチャレンジし、現在はアパマン経営に驀進中!
不動産投資歴
  • □2005年
    福岡市アパート 利回り18%
    1DK×10戸
    2008年売却済み

    □2006年
    仙台市アパート 利回り17%
    1K+ロフト×10戸
    2012年売却済み

    横浜市マンション 利回り11%
    1K×23戸
    2014年売却済み

    □2008年
    横浜市アパート 新築 利回り11%
    1K+ロフト×6戸
    横浜市アパート 新築 利回り11%
    1K+ロフト×8戸

    □2009年
    横浜市戸建て 利回り30%
    シェアハウス 6室

    □2010年
    横浜市アパート新築 利回り13%
    1R+ロフト ×8戸

    □2010年
    横浜市アパート 利回り19%
    1K×4戸

    □2011年
    横浜市マンション 利回り15%
    1K×10戸、1LDK×1戸

    □2011年
    横浜市マンション 利回り15%
    民泊、1LDK

    □2012年
    杉並区区分マンション 利回り16%
    2015年売却済み

    □2012年
    柏市アパート 利回り20%
    1K+ロフト×10戸
    2013年売却済み

    □2013年
    藤沢市パーキング 利回り25%
    30台
    2016年売却済み

    □2014年
    横浜市テラスハウス 利回り13%
    1LDK x 2

    □2015年
    横浜市アパート 利回り9%
    2DK x 8戸

    東京都RC新築 利回り8.2%
    1LDK x 16戸

    □2016年
    横浜市アパート新築 利回り8.6%
    1K+ロフト×8戸

    横浜市マンション 利回り11%
    2DK x 4戸+ シェアハウス7室

    □2017年
    横浜市アパート 利回り14%
    2DK x 4戸

    □2018年
    横浜市アパート新築 利回り9.6%
    1LDK+ロフト x 2戸

    横浜市アパート新築中 利回り9.6%
    1LDK+ロフト、店舗

    横浜市アパート新築中 利回り7.6%
    1K x 15戸

    □2019年
    札幌市アパート 利回り15%
    2LDK x 4戸

    □2020年
    札幌市RC 利回り8%
    3LDK+ガレージ x 6戸

    □海外
    ハワイ・バンコク

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