この随筆を今、ロサンゼルスのマリオットホテルで書いている。
二十七年振りのアメリカ大陸で、感動して泣くかと思ったが、ぶったるんだアメリカ人を見て、笑った。
どれくらいぶったるんでいるかといえば、中近東出身の顔をしたレジの人が、ぶつぶつしゃべっているので、振り返ると、電話で話しながらレジを打っていた。
・出国前に出鼻をくじかれる
千歳空港発のJALの到着が遅れ、羽田発ロサンゼルス行きのJALに乗れず、代替便のアフリカン航空(仮名)に乗った。
横に容積率の高いジンガイ女性が座り、圧迫感があった。
翌日の便か、羽田で一泊も考えたが、少しでも早く上陸するため、アフリカン航空に乗った。
・レンタカー
到着してすぐに、リンカーンタウンカーを借りようと思ったが、今は販売していないようで、キャディラックのエスカレードといふ、大型SUVを借りた。
保険は最低限でいいと思ったが、アメリカなので何があるかわからない。
よって、フルカバーの高い保険に入る。
のちに、コレが役立った。
・物価高
マクドナルドで、マックビック定食(仮名)を頼んだら、10ドル。
千五百円だ。
ガソリンも三十年前、1ガロン(3.78リッター)で、ハイオクタンで1ドル50セントだったが、現在は6ドルだ。
リッター二百円超えで、日本より高い。
年収1,500万円くらいないと、生活ができない。
・かつて住んでいたアパートメント
かつて住んでいたアパートメントをドコモと訪問。
塗装はされていたが、今も健気に建っている。
当時、家賃745ドル。
現在の家賃は不明だが、満室だ。
当時で築二十年くらいだったので、今は築五十年だ。
あの頃に交際していたユミコさんが、最初はオシャレな格好をしていたが、四、五日泊まっているうちに、着る服がなくなり、最後はワタクシの男物の服を着て、斜め向かいのセブンイレブンまで、夜中に、手を繋いで買い物に行ったことを思ひ出した。
当時の激しい相撲の稽古を思ひ出した。
ここにいると、三十年前の自分と対話したくなる。
過去の自分に、お金がなくても、大丈夫、何とかなると伝えたい。
・クルマをぶつけられた話
三日目、ディズニーランドに行く直前、クルマの横でタバコを吸っていたら、ボコボコの古いフォードのトラックが、バックしてきた。
ぶつかりそうになって、ハンドルを切るのかなとおもったら、そのまま特攻。
「何やっているんだ」と日本語で大声で叫ぶ。
新車のキャディラックのフロントグリルが割れ、ナンバーが曲がった。
降りてきたのは中年のチリ人女性。
軽く謝罪を受けるが、日本人ほどの反省はナイ。
修理のこともあるので、レンタカー会社に電話を発信。
保険適用のこともあり、ポリスレポートが必要だといふ。
警察に電話すると、その程度の事故であれば、現場に行けないといわれた。
再度レンタカー会社に電話。
それでも必要だといふ。
結局、再度911に発信。
白バイに乗ったポリスマンがやってきたが、やはり、この程度の接触事故は、事故証明は出せないといふ。
・アナハイム・ディズニーランド
気を取り直して、ディズニーランドに向かう。
目的地まで40マイル。
久々に長距離を走る。
当時に比べて、交通量が増え、制限速度の緩和のためか、平均速度が上がっている。
古いクルマが減少して、比較的新しいマシンが増えた。
アメリカ人は、収入が増えると、すぐにマシンを買い替える。
つまり、景気が良くなっているのだ。
さて、ランドに到着。
何万台も入る駐車場から、百人くらい乗れる牽引バスで入場。
最初、売り切れだといわれた。
そのまま帰るほうがいいと思ったが、ドコモが寂しそうな顔をする。
結局、裏メニュー的な高いチケットならあるといわれ、仕方がナイので購入。
総額1,245ドル。
ひとり三万円だ。
よくできた囲い込み集金システムだ。
場内は渋谷のスクランブル交差点のような人混み。
二万歩位歩いた。
待ち時間も長く、若いカップルが抱擁し、無性に腹が立つ。
高額の入場料を支払い、こんなに歩かされるのはマゾみたいで嫌だ。
結局、ワタクシだけ先に離脱して、クルマの中で爆睡。
ドコモが窓を叩く音で目覚めた。
・究極のリモートワーク
ホテルに戻る途中、アパートメントの入居が決定。
設備屋さんに電話して、水道関係の修復を依頼。
ロサンゼルスに滞在しながら、入居者が決まった。
前日にも、一軒家の賃貸が決まった。
ランドに投入した資金を、少しでも回収できればいい。
他、二件の売り物件に国際電話。
電話はそのまま繋がる。
通話料金は高いが、仕方がナイ。
究極のリモートワークである。
・Voicy
ロサンゼルスに滞在しながら、ボイシーの生放送。
三十年前にこの制度があれば、アメリカの芸能事情を発信し、凱旋帰国ができたと思ふ。
時代を三十年、先取りしすぎた。
・三十年前に住んでいてよかった
当時、五年半で、滞在費用約二千万円。
多分、現在なら八千万円から、一億円かかっていると思ふ。
あの頃はワタクシも若く、無理が効いた。
今、夢と希望がある若者は、今のうちにやりたいことをやろう。
二百ドル握りしめて帰国したワタクシでも、帰国直後は苦労したが、何とかなる。
といふか、何とかするのだ。
・アメリカの底力
アメリカは、アタマのいい5%の人間が、あまり能力のない95%のニンゲンを、引っ張っていくような国家だ。
資源があり、国土も広く、人口も多い。
アメリカに上陸した瞬間に、大東亜戦争で、なぜ日本が負けたのかを瞬時に理解できる。
百年以上も、世界一の国家だ。
読者の皆様も、一度はアメリカに行き、資本主義の総本山の実力を体験してほしい。
CASHFLOW101
#note
ロサンゼルスにて