こんにちは。赤井誠です。今年ももう9月になってしまいました。残すところ3ヵ月と少し、今年の不動産活動はいかがでしたでしょうか。
私は現在のところ、5月に所有1棟マンションを売却、4月より新築アパートを建築中で10月末には完成予定です。それ以外に先月戸建てを一つ購入しました。そして8月に本日のテーマであるハワイに所有しているコンドミニアムを一つ売却しました。
今回は売却したハワイのコンドミニアムについて購入から売却までの判断基準と収支をお話ししたいと思います。
1.購入後のairbnb運用
ハワイにおける物件購入に関して、購入の何年も前から収支の計算をしていました。しかしながら、経費が掛かりすぎてあまり利益はでないというのが当初の結論でした。
その後、世の中にairbnbのシステムがでてくるようになって、短期貸しによる収入の大幅増加が検討できるようになり、シミュレーションの結果、十分利益が出せると考え、購入することになりました。
最終的な判断基準は以下の通りでした。
・減価償却が大きい
ハワイの場合はほとんど中古で築40年くらいのものがとても多いです。日本では築39年以上のホテルなどの事業用物件は7年で償却ができます。さらに建物比率が90%近くあり、かなりの金額を償却できます。
そのため、800万円以上の利益を毎年上げている法人での課税繰り延べの効果はとても大きく、メリットありと判断しました。
・短期貸しにより月の収支が大きい
ワイキキの場合は賃料はとても高く、60㎡くらいの1ベッドルーム( 日本でいう1LDK )では月30万円、90㎡くらいの2ベッドルーム( 日本でいう2LDK )では月50万円くらいの賃料が見込めます。
ただし、毎月の管理費( 電気・水道含む )も10-20万円近くかかり、通常賃貸では15%以上の管理料やトラブル対応を考えるとあまり多くの利益は見込めず、日本での不動産賃貸業に資金を回した方が利益が上がる可能性がありました。
しかし、airbnbの実現により、ほぼ倍くらいの家賃収入を得ることができることがわかり、メリットありと判断しました。
・将来的に値上がりが見込める
ワイキキの物件は過去何十年にわたって、不動産の取引価格は上昇し続けていました。私も10年以上ワイキキを訪問していましたが、世界のリゾートとしてとても活気があり、今でも不動産に対して多額の投資活動が行われている状況をみると、今後も上がり続けると予想しました。
・ドル資産を保有する
日本の国力は年々落ちていて、現状の競争心のない日本の教育環境を見ていると今後も日本の円の力は落ちていくのではないかと考えていました。そのため、世界基準のドル資産を持っていることはリスク管理の面からも大事ではないかと考えました。
2.airbnbに対するコンドミニアム内での紛争
このコンドミニアムは2ベッドルームで、airbnbで一日250ドルで貸し出していました。毎月、日本円にして100万円近い収入があり、最初の一年で1,000万円くらい回収しました。
しかしながら、一年経った頃から日本のマンション管理組合でも起こったように、ハワイのコンドミニアムの管理組合でも不特定多数の人間が出入りすること好ましくないとairbnb反対の議案が管理組合で取り上げられるようになりました。
所有する住民と投資家がお互い管理組合の役員に名乗り出て、かなりの回数に渡って議論が繰り広げられました。投資家側の代表者が一部、管理組合の理事になりましたが、結果として多数決でコンドミニアム内での数日単位での短期貸しが禁止されることとなりました。
それからはハワイ州で認められている一か月単位での短期貸しのみとなりました。それにより、一日の貸し出し賃料が低下、稼働率も低下してしまいました。( 1週間の宿泊申し込みがあると3週間の空室が発生 )。
その結果、コンドミニアムの管理費を支払うのがやっとという状態になり、とても利益が見込める状態にはなりませんでした。その後、普通賃貸としての運用など、いろいろな可能性を模索しましたが、収支を考えると「 売却するのが一番だ 」という結論に至りました。
今回売却したコンドミニアム
3.売却と手数料
概略の収支は以下のようになりました。
・購入時の価格:215,000ドル
・売却価格:208,000ドル
<売却にかかった費用>
・売却手数料: 5%( 10,400ドル ) ( アメリカでは売主が全額負担 )
・エスクロー手数料:約1,700ドル( 不動産登記や契約金の受け渡し仲介 )
・その他の経費: 約2,000ドル
・連邦源泉徴収税FIRPTA:31,200ドル( 売却価格の15%を源泉徴収 )
・ハワイ州源泉徴収税HARPTA:0
( 地元住人や現地法人、ハワイに登録済みの外国法人は免除される。この物件はハワイに登録済みの外国法人のため免除されました )
その他詳細は除きますが、結果として、約158,000ドルが差額として入金されました。
今回はドルベースでは売却益が出ていませんので、源泉徴収された連邦源泉徴収税は詳細書類が届き次第、還付申請を行います。最終的には190,000ドルが手残りとなりそうです。
インカムインカム:約100,000ドルの黒字
キャピタルゲイン:25,000ドルの赤字
となります。
ただ、購入時の円は約120円で、現時点での円は142.6円( 2022/9/9現在 )ですので、キャピタルゲインは円ベースでは 「 215,000x120-190,000x142.6=1,294,000円 」の黒字になりました。
投資額は2,600万円、所有期間は約3年間でしたので、インカム+キャピタルで約1,500万円の黒字はトータルとしてはいい投資だったと思います。
4.まとめ
売却時は契約書はすべてDocusignでオンラインで処理できるのですが、最終的にはエスクローからの書類は米国大使館で100ドルの手数料を支払い、公証手続きをしなくてはなりません。書類はFedexで送付したり、日本の取引に比べて正直手間がかかりました。
また、資金はハワイの銀行にありますが、ハワイの銀行の小切手を日本の銀行では受け付けてくれず、現時点でまったく換金できません。
SMBC Prestiaでは小切手を受け付けてくれることは確認しましたが、担当からは換金に1-2ヵ月は時間がかかるし、最終的に換金できるかはわからないので、やめた方がいいのではないかと連絡がきました。
いろいろな手間を考えるとハワイに行って日本の銀行に送金処理をするか、そのままドルで預金しておくかにしなくてはなりません。
海外の物件処理は正直、息子たちに残しても大変なだけなので、最終的にすべて整理して資金は日本に持ち帰ろうと思っています。
円レートの変動によって資金額が大きく変わるので、日本に送金のためにハワイに行く時期も考えなくてはならず、海外投資はいろいろ面倒なことが多いです。