銀座の物件の決済が終わった。
破綻した会社の所有する、借地権の一戸建。
任意売却物件である。
2015年12月下旬、「 ベンツは20万円で買え! 」( ダイヤモンド社 )の原稿を書き上げ、ほっとした時にネットで発見した物件だ。
売値は70万円。その日の夕方に物件を見に行き、電話で買付を入れた。
¥45,000―で賃貸中。
地代は毎月¥5,000―弱だ。
45万円といふ、ややマイルドな指値を入れ、少し押し戻された。
売買金額55万円で、マネー成立だ。
すぐに決済ができると思っていたが、債権圧縮と銀座の地主との借地権の契約が長引き、一カ月半以上、時間がかかった。
途中、借地権継続のため、銀座の大地主に会う。
70代の老人だった。
訊けば、曾祖父が100年以上も前に、巨額なレバレッジをかけ、銀座一帯の土地を購入したそうだ。
現在は農業、大家業、貸土地業を営み、大きな家に住み、悠々自適な生活を送っている。
つまり、ある程度の規模の不動産を持っていれば、四代に渡って、資産を維持できるのだ。
ところがこの地主、借地権更新にあたり、新たに26万円の敷金を請求してきた。
最初は、そのまま借地権を継続できると聞いていたので、驚いた。
もちろん、支払えない金額ではないが、55万円の物件価格に対しての比率が高すぎる。
テーブルをひっくり返して、帰ろうかと思ったが、すでに債権圧縮に合意した金融機関と、売買担当者に迷惑がかかる。
結局、敷金を20万円にマケてもらって合意。
さて、猛吹雪の中、決済場所の銀行に集合。
所有者は、かつて大きな建設会社を経営していた初老の社長である。
しかし、会社は倒産し、本人も自己破産。
今は疲れ果てて、国家の保護を受けながら生活している。
売主によると、昭和の末期に350万円で購入し、150万円投入してリフォームしたそうだ。
昭和32年築で、ワタクシより年上の物件であるが、風呂が比較的新しかったのを不思議に思っていた。
訊けば、元々、風呂がなく、売主が増設。
下水道も接続したそうだ。
それでも、所有期間に1,620万円以上の家賃を受け取っていた。
購入価格、リフォーム代、借地代を支払っても、約1,000万円のCASHFLOWがあったようだ。
そう考えると、不動産は力強い。
ところで、今回の売買。
誰が一番得をしたのか考えてみた。
決済代金の55万円のうち、18万円が借地代滞納分に充てられ、約3万円が仲介手数料。
残りが金融機関の圧縮された債務に充てられた。
また、新たな借地代1年分と、敷金の合計、約26万円をワタクシが地主に振り込む。
結局、決済にも姿を見せない地主が、合計44万円の入金を受けている。
やはり、地主が一番、楽である。
ワタクシも大家なのに、土地を借りるのはバカバカしいと思ったが、すでに出来上がっているシステムなので、仕方がナイ。
銀座の物件を手に入れたからといって、決して天狗にはならず、今まで通り、精進したい。
さて、この銀座の物件。
場所は北海道夕張郡長沼町銀座南といふ地名で、本物の銀座に比べたら、超田舎である。
それでも、銀座といふだけあって、この街のメイン・ストリートである。
ところで、2/19( 金 )と2/21( 日 )、東京でセミナーを実施する。
参加する皆様にお会いできるのを楽しみにしている。
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2/10/2016