• 完全無料の健美家の売却査定で、できるだけ速く・高く売却

×

  • 収益物件掲載募集
  • 不動産投資セミナー掲載募集

2023年に注目を集めた開発エリアベスト20!首都圏近郊人気に加え、沖縄、北九州にも熱視線

調査(不動産投資)/ランキング ニュース

2023/12/25 配信

2023年も全国各地では開発が続いてきた。都内では麻布台ヒルズ、虎ノ門ヒルズステーションタワーなど都心部の超大型プロジェクトが注目を集めていたが、投資家の目線はそこにはない。価格が上がり過ぎた都心部より狙うのは郊外、近郊都市。では、どこに注目が集まったかを見ていこう。

23区内、都内で収益を上げるのは難しい?
ニューフェイスは群馬県

ベスト20を地域別に分類してみた。首都圏でランクインしたのは12地域で内訳は東京都4、神奈川、千葉が3エリアずつ、埼玉が2エリア(千葉、埼玉は同一記事で出てきている)である。その多くはある程度首都圏を知らなければどこに位置するのかも分からないような場所でもあり、投資家の知識の幅の広さには感心するばかりである。

続いては関西で3エリアがランクインしており、大阪、奈良、兵庫が1エリアずつである。京都はやはり高すぎて収益には繋がらないということだろうか。

同じく3エリアがランクインしたのが九州、沖縄エリア。福岡2、沖縄1でこのところ、一部の投資家からはこれからは島だという声を聞くが本当なのだろうか。

そして意外なことに2エリアがランクインしたのが群馬県。1エリアだけだった中京圏よりも今年は強かったことになる。以下、具体的にどこが人気を集めたのかを見ていこう。今回はランクインの少ない順に見ていくことにしたい。

6位
名古屋市が新交通「SRT」の導入を表明。
快適な移動空間を実現することで住みやすさも向上する?

名古屋6位にランクインしたのが名古屋市の新交通「SRT」導入のニュース。「SRT(Smart Roadway Transit)」とは専用レーンを走るタイヤベースのモビリティ。フラット低床型の連節バスで高い輸送力を持ちながらバリアフリーでもあるというこれからの時代にふさわしい乗り物である。レールや鉄道設備を使わず導入でき、自動運転にも対応できるという。

名古屋はリニアの要とも言うべき場所に立地しており、今後、人が入ってくることは間違いない。だが、通過するだけの場所にならないためには域内交通を充実させていく必要があろう。そう考えると、名古屋のこれからを占うプロジェクトともいえそうである。

続いては2エリアがランクインした群馬県である。

2位
群馬県前橋市の北で東京ドーム2.8個分の
大型ショッピングモール
「ジョイホンパーク吉岡」オープン

ジョイフル本田 前橋近く前橋市の北にある北群馬郡吉岡町でオープンした大型ホームセンター+43店の多彩なテナントからなる「ジョイホンパーク吉岡」オープンの記事が2位に入っている。率直なところ、施設そのものにはさほどの新味はないが、とにかく大型であるという点に注目があつまったのだろうか。

このところ、前橋市に注目が集まっていることから、その近くということで関心を持った人も多かったのかもしれない。

13位
自動車メーカーSUBARUのお膝元、
群馬県・太田市「太田駅」前で
広大な市街地再開発計画進行中

太田市群馬県太田市の太田駅前で進む土地区画整理・再開発事業が13位にランクインした。太田市は群馬県の南東部に位置しており、南を流れる利根川を挟んで埼玉県熊谷市と接している。特に有名な観光地でもないことから、認知度は高くはないが、同市は自動車メーカーSUBARU発祥の地で、同地にある工場では4500人強が働いている。

その太田駅前では駅ロータリーや道路の整備が行われてきており、今後は商業施設と住宅2棟の計画がある。完成は2027年2月とのこと。また、市内では図書館や庁舎の老朽化に伴い、新たに複合施設を建設する計画(太田西複合拠点公共施設)も進捗している。

隣接してはスケートボード、インラインスケート、BMXなどが楽しめる太田市スケートパークの建設も予定されており、同市では大きな変化が続いている。

3エリアがランクインした九州、沖縄エリアだが、福岡県が2エリアとなっている。

7位
福岡市・西鉄天神大牟田線に新駅「桜並木」駅が開業。
近隣は中心部のベットタウンとして
ますます発展する?

福岡九州最大の繁華街・天神と大牟田まで、福岡県を南北に貫く天神大牟田線は西鉄の中でもド利用者が多いドル箱路線。通勤、通学の足としてはもちろん、沿線に大宰府天満宮、九州国立博物館などの観光地もあり、週末にも賑わいが絶えることはない。

その路線で踏切による交通渋滞の緩和などを目的に雑餉隈駅から下大利駅の間で高架化事業が実施された。2003年からの工事は2022年8月に完了。19カ所の踏切が撤去され、雑餉隈駅(福岡市博多区)と春日原駅(春日市)の間には、2023年度後半に新駅「桜並木」の開業が予定されている。

元々、人気の同沿線の新駅で、起点となる天神では「天神ビッグバン」と名づけられた開発が進行中。期待する人が多かったのも当然だろう。

15位
西鉄グループが北九州で複合開発を推進。
九州の穴場になるか

北九州九州で鉄道事業と都市開発事業を展開する西鉄グループのグループ企業のスピナが中心となって、北九州市八幡東区で商業と住宅の複合開発を進めるという記事が15位になった。
対象となるエリアは北九州市八幡東区平野3丁目。JR鹿児島本線の八幡駅から南に約1km離れた幹線道路沿いで、北九州の中心地・小倉からだと鹿児島本線で15~20分ほど。博多からだと電車で50分ほどとやや遠い場所である。

北九州は既存の市街地が狭く、周辺に急傾斜地が広がるエリア。そのため、新たに中心部のマンションは意外に高く、そのニーズが郊外に向いたということだろうか。周辺には観光スポット、大学もあるそうで、化ける可能性もあるのかもしれない。

10位
沖縄県南城市にコストコが進出。
沖縄初のコストコ2024年に開業へ

10位になった沖縄の記事は沖縄初コストコ開業について。出店先の南城市は沖縄本島の那覇市の南東側、糸満市の東側に位置する。那覇空港から40分前後のエリアで、車社会でのことである、広い範囲から集客できるだろう。

最近の沖縄、離島ブームとは無縁のようだが、大手も沖縄に注目しているという点では共通するものもある。

関西へ移ろう。関西の記事で一番上位だったのがこちら、京都と大阪のちょうど真ん中に位置する高槻市だ。

4位
キーエンスが三菱自動車工業から
高槻市の広大な土地を取得。
周辺では新駅設置や市街地形成も

高槻市JRと阪急2路線が利用でき、特急電車を利用すれば京都、大阪それぞれから15分ほど。さらに市内には名神高速道路、新名神高速道路が走るという交通利便性の高い高槻市だが、市街化調整区域も多く、これまえで駅前以外はそれほど開発されてきていない。

ところが2017年にJR西日本と高槻市が新駅設置、市街地形成を検討することなどに同意、話題になった。この記事でキーエンスが取得した土地はその近くにあり、影響は大きい。このエリアは今後、大きく変化するはずなので、ここでは多くは紹介しない。ぜひ、記事を読んでみてほしい。

16位
奈良のリニア新駅、
候補地は「JR平城山駅」など3カ所に!
今年、選定へ作業本格化

こちらも周囲に大きな影響を及ぼしそうなニュースである。リニア新駅の奈良市内の候補地が3か所に絞られたというもので、16位にランクインしている。

その3か所とは「JR平城山駅」「八条・大安寺周辺地区の新駅」「さらに南に下って近畿日本鉄道とJRが交わる場所」で、奈良県の荒井正吾知事が取り上げたことから、地元では期待が高まっているという。

2037年の全面開業を目指すとしているリニア中央新幹線だが、完成時のインパクトは相当あるはず。どの駅も現状では一長一短。一歩抜けるのはどこになるか。注目しておきたいところである。

20位
2024年6月開業の「神戸須磨シーワールド」、
「鴨川シーワールド」運営会社がマネジメント予定。
関西の一大リゾート地に

須磨2022年から再整備が始まっていた兵庫県神戸市須磨区にある須磨海浜公園でリニューアルオープンする水族館の名称、そのマネジメントが話題になった。同公園は住友家が1945年の空襲で焼失した住友別邸跡地を神戸市に寄贈し、公園として整備されたことに始まる。

その敷地内にあり、神戸市民をスマスイとして愛されてきた須磨海浜水族園(前身はスマ水族館)が神戸須磨シーワールドとして2024年6月に再生される。水族館の隣には神戸須磨シーワールドホテルも開業することになっており、オーシャンビューの客室が作られているという。

このところ、山間部では空き家も増えているという神戸市だが、魅力は多々ある。これを機に地域が変わっていって欲しいものである。

いよいよ、首都圏に移ろう。トップバッターは2エリアがランクインした埼玉県だ。

3位
日本最大のショッピングモール、
越谷のイオンレイクタウンで
リニューアル及び店舗エリア拡張。
店舗数40増加へ。

越谷24万5000㎡と日本最大級の面積に年間5000万人もが買い物に来る越谷イオンレイクタウンの店舗数増のニュースが3位だった。2008年に開業した越谷イオンレイクタウンは埼玉県ではもっとも集客力のある地で、これによって埼玉県の来街者数は大きくアップしたと言われている。

だが、それだけではなく、近年は官民連携で水辺を利用した活動が生まれてきている。2023年12月に開催されたミズベリングフォーラム2023では活動紹介が行われ、買い物だけではないまちになりつつある状況が語られた。イオン開業から15年が経過、まちは成熟期に入りつつあるようだ。

17位
Amazonが千葉県千葉市と埼玉県狭山市に
物流拠点を新設。
合計3,000人以上の雇用を創出する見込み

17位に入ったのはAmazonの物流拠点の記事。埼玉県狭山市と千葉県千葉市に新たな拠点ができ、雇用が生まれるという内容である。物流拠点が地方の新たな雇用の核になるという点はすでに認識されるようになってきたが、それは同時に住宅ニーズも生む。商業の入った複合施設、大型スーパーの近くを狙うのは投資のセオリーのひとつだが、今後は物流拠点の周囲にも注目したほうが良いかもしれない。

Amazonの物流拠点で千葉市が出たことから続いては千葉県を見ていこう。

11位
JR柏駅東口で再開発計画。
柏市が「旧そごう柏」本館跡地に
購入意向

柏駅東口住みたいまちとして人気の千葉県柏市東口エリアで以前の再開発から50年ほどが経つことを契機に次なる開発が計画されている。それに合わせて柏市が旧そごう柏本館跡地の購入を計画しているという記事が11位に入った。

駅前を再開発するにあたり、個別の建替えではなく、広場を含めた周辺一帯を再編する必要があるという認識の元での意向である。こうした連鎖型の再開発は時間はかかるものの、単なる再開発以上の効果が期待もできる。柏市の次の一手に注目だ。

14位
京成千葉駅直結のそごう千葉店全館リニューアル。
行政の要望に沿って地域に貢献する
商業施設となるか

14位は京成千葉駅直結のそごう千葉店の全館リニューアルとセブン&アイによるそごう・西武の売却に対しての千葉市の要望について。2022年以来、売却予定であると報じられてきたそごう・西武について千葉市は地元の顔であり、今後とも同じ関わりをと要望したという。

記事は5月31日に配信されたが、その後、9月にそごう・西武はアメリカの投資ファンドに売却された。今後のそごう・西武の店舗がどうなるかについては現時点では判然としていない。続報が待たれるところである。

千葉のもう1本は前述のAmazonの物流施設の記事である。

続いては3エリアがランクインした神奈川県。2023年ダントツに読まれたのは1位となった横浜市・瀬谷区の次世代テーマパーク建設についての記事。2位の4.5倍ほどのアクセス数があり、非常に広い関心を集めた。

1位
横浜市・瀬谷区に東京ディズニーリゾートに次ぐ規模の
次世代テーマパーク建設。
事業者は三菱地所。2031年頃の開業予定

横浜市エリア記事のうちでは2015年に返還された米軍施設跡地の観光・賑わい地区事業予定者に三菱地所が選定されたという記事が2023年もっとも読まれた。約242ヘクタールの計画地を4つのゾーンに分けて開発していく予定で、残りの3地区は物流ゾーン、公園・防災ゾーン、農業振興ゾーン。人を集める場所として観光・賑わい地区に期待が寄せられるのは当然だろう。

ただ、現時点では内容についてはあまり分かっていない。今後の発表が待たれるところである。

9位
多摩川に建築中の「等々力大橋」。
目黒通りが川崎に延伸し、
交通アクセスが改善。2025年完成予定

等々力大橋東京から放射線状に伸びる通りのうち、お隣神奈川県川崎市に繋がっていなかった目黒通り(放射3号)が延伸、新たに新しい橋ができるという記事が9位になった。目黒通りは東京都港区白金台の清正公前交差点から世田谷区玉堤の多摩堤通りまでを走る都道で、多くの幹線道路とも交差、利便性も高い。

その目黒通りが延伸する先には新横浜駅があり、相鉄・東急新横浜線の乗り入れに加えて車での利便性も高まるとなれば新横浜駅周辺エリアの開発も進むのではなかろうか。

19位
神奈川県・平塚でイオンモールが
THE OUTLETS SHONAN HIRATSUKA
(ジ アウトレット 湘南平塚)オープン

もう1本の神奈川県の記事がこちら、19位になった平塚のイオンモールの開業。開業したのはツインシティ大神という土地区画整理事業が進行するエリア。同社以外にも三井不動産や大和ハウス工業など複数の企業が誘致されており、2030年3月末に事業が完了する予定だという。

現状では土地が広がるだけの場所だが、今後は新幹線の新駅誘致という話もある。湘南エリアの他市に比べると比較的地味な印象のある平塚市だが、今後大化けすることを期待したい。

最後に東京の記事を。20位までの東京の記事中でトップになったのは多摩境駅前に開業予定の複合施設についての記事。

5位
今冬、東京の京王多摩境駅前で
新たな複合施設が開業予定

多摩境駅多摩境駅は京王線の調布で分岐、橋本までを繋ぐ路線で橋本はご存じの通り、リニアの新駅建設で盛り上がっている。お隣の南大沢駅は三井アウトレットパーク多摩南大沢、東京都立大学南大沢キャンパスがあって賑わう場所である。

その間にある駅ながら、これまであまり話題に上らなかった駅前での複合施設である。新たな変化を期待した人が多かったようだ。具体的にはお菓子やパンなどの食品、食品製造にかかわる各種商品、器具などを製造販売する株式会社富澤商店の倉庫や本社が入るほか、皮膚科・小児科・歯科といったクリニックや、食品スーパーの京王ストアなどが入る予定になっている。

8位
立川・立飛駅周辺で
集客施設多数誕生。
エリアの注目度さらに上昇か

この8年ほどで大変貌を遂げた立川、立飛駅周辺の集客施設についての記事が8位。ららぽーと立川立飛に始まり、アリーナやクラフトビールの製造所、続いてスポーツ施設も予定されており、今後も変化は続く。多摩モノレールの延伸という計画もあり、多摩エリアはまだまだ面白くなりそうだ。

12位
羽田空港の隣駅「天空橋駅」に
「街」ができる。
「HANEDA INNOVATION CITY」11月にOPEN

天空橋駅羽田空港の沖合移転で空いた土地を活用して生まれたプロジェクトが12位になった。天空橋駅は京浜急行と東京モノレールの2線が通っており、品川駅、浜松町駅へのアクセスが良いのは当然。羽田空港を利用しやすく、日本はおろか、世界にも繋がる立地といえる。
そこに生まれるのは研究開発機能を多く盛り込んだ施設。お向かい、川崎市にあるキングスカイフロントもあり、このところ、羽田空港周辺ではさまざまな動きがある。記事では川崎の東部や羽田空港周辺は、もともと工場や倉庫などが集まっていたエリアであり、どちらかというと低所得者の集まる街というイメージを持っている人もいるかもしれないとしているが、そのエリアがどんどん変わりつつある。

当然ながら住む人の所得層が変わることも予想され、それがどういうことを意味するか。投資家にとっては注目すべきエリアのひとつといえそうである。

東京都の記事ではもう1本、大井競馬場跡地を利用した複合施設の開発計画がランクインしている。

18位
東京都品川区の大井競馬場駐車場跡地で
複合施設の開発計画が進行中。
品川・大井町の再開発と相乗効果を期待

大井競馬場大井競馬場の稼働率が低下した競馬場第3駐車場を利用、商業+オフィスビル、ミュージカル劇場を建てる計画が発表された。場所は東京モノレール大井競馬場前駅からすぐの場所で京急立会川からも徒歩10分ほど。すでに隣地に葉ショッピングモールウィラ大井があり、さらなる利便性向上を狙っているといえそう。

近くの大井町では駅前での開発が進んでいる。近隣での開発である。相乗効果を期待したいところだ。

以上、2023年に読まれたエリア記事の上位20を紹介した。世の中では麻布台ヒルズが話題になっているが、こちらは40位。投資に向かない場所に反応がないのは見事なほどだ。

健美家編集部(協力:中川寛子(なかがわひろこ))

中川寛子

株式会社東京情報堂

■ 主な経歴

住まいと街の解説者。40年近く不動産を中心にした編集業務に携わり、近年は地盤、行政サービス、空き家、まちづくり、地方創生その他まちをテーマにした取材、原稿が多い。
宅地建物取引士、行政書士有資格者。日本地理学会、日本地形学連合、東京スリバチ学会会員。

■ 主な著書

  • 「ど素人が始める不動産投資の本」(翔泳社)
  • 「この街に住んではいけない」(マガジンハウス)
  • 「解決!空き家問題」「東京格差 浮かぶ街、沈む街」(ちくま新書)
  • 「空き家再生でみんなが稼げる地元をつくる がもよんモデルの秘密」(学芸出版)など。

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

アクセスランキング

  • 今日
  • 週間
  • 月間

不動産投資ニュースのライターさんを募集します。詳しくはこちら


ニュースリリースについて

編集部宛てのニュースリリースは、以下のメールアドレスで受け付けています。
press@kenbiya.com
※ 送付いただいたニュースリリースに関しては、取材や掲載を保証するものではございません。あらかじめご了承ください。

最新の不動産投資ニュース

ページの
トップへ